2011年7月31日(日)、一関市博物館(字沖野々215)主催の第18回企画展・『言海』誕生120周年 言葉の海~国語学者 大槻文彦の足跡~が、7月30日(土)~9月11日(日)の会期で開催されていますが、この日は、これに関連した講演会(午後1時30分~3時)と展示解説会(午後3時15分~4時15分)が行われるというので、妻と共に行ってきました。
博物館にはかなり早く着いたので、博物館の樹木園を散策しました。4~5本植栽されているエゴノキが、枝にびっしりと実を付けていました。
国語辞書「言海」の著者とも言える国語学者大槻文彦は、祖父・玄沢、父・磐渓と共に大槻三賢人の一人として一関市民の尊敬を集めています。
幕末の世にあって国家事業として国語辞書編纂を託され、文部省の仕事として始めた彼は、言葉の採択、語釈をはじめ国語辞書としてあるべき姿を模索し続けると共に、辞書と一体であるべき文法の必要性を痛感してその確立にも力を注ぎました。
編纂に着手して16年、(出版されぬまま文部省にしまわれていた原稿の「下げ渡し」を受けて)事業は大槻個人の出版となる中、苦難と闘いながらたゆまぬ努力によって遂に国語辞書「言海」が生みだされたのです。
この「言海」が誕生して120年を迎えた今年、新たに見出した資料を基に、言葉の海と格闘した大槻文彦の足跡を振り返って、あらためて幕末、明治、大正そして昭和の初めまで、国語の確立に心血を注いだ姿を紹介する企画展です。
エゴノキ エゴノキ科 エゴノキ属 Styrax japonica
チシャノキともいう。雑木林などに多い落葉高木。庭や公園などにも植えられている。高さは10mほど。樹皮は暗褐色で、幹はあまり太くならない。葉は互生し、長さ5~8㎝の長楕円形または卵形で、先は尖る。5~6月、直径2~2.5㎝の白い花が枝いっぱいに垂れて下向きに咲く。果実は直径1㎝前後で緑白色。果皮は麻酔効果のあるエゴサポニンを含むので、昔は摺り潰して、魚採り(現在は禁止されている。)や洗濯に利用した。分布:北海道(南部)~沖縄。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑1・春の花」より]