ザルツブルク音楽祭百周年記念番組、1988年フォンカラヤン指揮アンネゾフィームター演奏のチャイコフスキー協奏曲。テムポは晩年のカラヤンらしいもので、先に亡くなったベームよりも最後までスタイリッシュさを失っていなかった印象があったが、やはりベルリンのフィルハーモニカーでは取れなかったテムポで、ヴィーナーフィルハーモニカーの演奏と合わせて嘗てのチァイコフスキー演奏の表現力が無い。個人的にも関心を失っていたので、この演奏会中継の記憶が無かった。
ムターの演奏も年寄りに合わせて流石とも思わないではないが、後年の技術的な安定にまでは至ってはいない。やはり90年代からの彼女のそれとは大分違う。身体も心も巨匠風になった。
前夜にはヴィーンの歌劇場のアーカイヴ録音から「アラベラ」全曲をデラカーザやローテムベルガーの歌で聴いた。1964年6月24日の実況中継録音の様でモノラルだが音は綺麗に捉えられていた。同じカイルベルト指揮のミュンヘンでの録音などは有名のようだが、ヴィーナーフィルハーモニカーのシュトラウスには欠けるものがあるように感じた。その欠けるものこそが今後ともシュトラウス解釈の真骨頂となるのだろう。
ザルツブルクの会場を研究している。中ホールは新しくなってからは知らないが古い時はフォンドホナーニ指揮で「コジファンティッテ」などを聴いた。大ホールは何度通ったか知らないが平土間は殆ど覚えていない。座ったことが無いかもしれない。屋根の下だけは苦になりそうだが、馬蹄形で何処も近い。バルコンは特に後半は若干遠い感じがしていた。反対にフェルゼンライトシューレは上があったのは忘れていた。そもそも前の方にしか座ったことが無いからだ。
舞台の上が開くようになっていて半野外にもなるのだが、公演中に開けたのは記憶にない。その代りベリオが自作自演したオペラの時は屋根の上から半開きの音などを聴いていた。今年は楽劇「エレクトラ」がここで上演される。演出はヴァリコスキーのようなのでコロナ換気も含めてこの屋根をどのように使うのだろうか。少なくとも天気さえよければ自然光は使える。夕立だけは致し方が無い。
先日録音し直したキリル・ペトレンコがヴィーナーフィルハーモニカーの定期公演デビュ―した時の録音を流している。カラヤン晩年の指揮とのその差は大きい。なにも出来ないような管弦楽団からここまでの音楽を引き出している。生放送の時は後半に失望の方が大きかったが、今こうして聴き直すと限られた練習時間内でやはり立派な音楽にしている。
ヴィーナーフィルハーモニカーが今後の指揮者についてのリストアップで最後のキリル・ペトレンコを挙げていた。よく考えると、ヴィーナーフィルハーモニカーで当面オペラを振ることはないかもしれないが、定期以外にもミュンヘンでの七月の出番が無くなると、八月にはザルツブルクで振ることも予定されているのかもしれない。つまり再来年以降となる。
参照:
二泊三日は必要ないか 2020-07-12 | 生活
オペラが引けて風呂と酒 2019-07-11 | 歴史・時事
ムターの演奏も年寄りに合わせて流石とも思わないではないが、後年の技術的な安定にまでは至ってはいない。やはり90年代からの彼女のそれとは大分違う。身体も心も巨匠風になった。
前夜にはヴィーンの歌劇場のアーカイヴ録音から「アラベラ」全曲をデラカーザやローテムベルガーの歌で聴いた。1964年6月24日の実況中継録音の様でモノラルだが音は綺麗に捉えられていた。同じカイルベルト指揮のミュンヘンでの録音などは有名のようだが、ヴィーナーフィルハーモニカーのシュトラウスには欠けるものがあるように感じた。その欠けるものこそが今後ともシュトラウス解釈の真骨頂となるのだろう。
ザルツブルクの会場を研究している。中ホールは新しくなってからは知らないが古い時はフォンドホナーニ指揮で「コジファンティッテ」などを聴いた。大ホールは何度通ったか知らないが平土間は殆ど覚えていない。座ったことが無いかもしれない。屋根の下だけは苦になりそうだが、馬蹄形で何処も近い。バルコンは特に後半は若干遠い感じがしていた。反対にフェルゼンライトシューレは上があったのは忘れていた。そもそも前の方にしか座ったことが無いからだ。
舞台の上が開くようになっていて半野外にもなるのだが、公演中に開けたのは記憶にない。その代りベリオが自作自演したオペラの時は屋根の上から半開きの音などを聴いていた。今年は楽劇「エレクトラ」がここで上演される。演出はヴァリコスキーのようなのでコロナ換気も含めてこの屋根をどのように使うのだろうか。少なくとも天気さえよければ自然光は使える。夕立だけは致し方が無い。
先日録音し直したキリル・ペトレンコがヴィーナーフィルハーモニカーの定期公演デビュ―した時の録音を流している。カラヤン晩年の指揮とのその差は大きい。なにも出来ないような管弦楽団からここまでの音楽を引き出している。生放送の時は後半に失望の方が大きかったが、今こうして聴き直すと限られた練習時間内でやはり立派な音楽にしている。
ヴィーナーフィルハーモニカーが今後の指揮者についてのリストアップで最後のキリル・ペトレンコを挙げていた。よく考えると、ヴィーナーフィルハーモニカーで当面オペラを振ることはないかもしれないが、定期以外にもミュンヘンでの七月の出番が無くなると、八月にはザルツブルクで振ることも予定されているのかもしれない。つまり再来年以降となる。
参照:
二泊三日は必要ないか 2020-07-12 | 生活
オペラが引けて風呂と酒 2019-07-11 | 歴史・時事