Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

合唱するための必要条件

2020-07-15 | 文化一般
先週のベルリンでの合唱実験の発表が大きな話題だ。既にミュンヘンでも行われていて、今更と思ったが、コロナのエアロゾール感染でベルリンでは十月まであらゆる室内での合唱行為が六月末に一方的に禁止された。それを受けて今月末の会合に向けての合唱活動における基準作りとしての重要な使命を受けていたからだ。

結果は、エアロゾール感染が否定されない限り、室内での合唱行為は大きな感染の危険があることが証明された。同時によりその細かなパーティクルの挙動から室内での合唱への規則を定めることで、合唱行為の可能性を見出したことに価値があるとされる。

先ず基準は、左右に1メートル半、前後に2.5メートル開けて、最大30分まで。そしてパーティクルの密集を招かないように人数当りの充分な容積と強制的な換気が必要とされる。自然換気では外気温や状況が異なるので安全が保障されない。

恐らくこれで正しいと思う。人数を減らしてバロックや古楽並みにするしか現時点では難しいと思う。その点ではザルツブルクの第九は非知性主義の試みだろう。残念ながらそれを良しとするムーティ氏は幾らいい格好をしても駄目である。フィンリーを含む豪華独唱陣は楽団の前に立つのだと思うが、練習から更に三回も公演をして舞台上での集中度はかなり激しい。指揮者の判断で合唱団をどこまで切り詰めるか、ヴィーナーフィルハーモニカ―を小さくするかなど、最高金額の収入のムーティ氏の評価に繋がる。それどころか下手をすると曝露するかもしれない。若い医者でも曝露すると亡くなる、もう少し警戒すべきお年頃だと思う。93歳でルツェルン祝祭管弦楽団デビューするというブロムシュテットという指揮者には誰も勝てないが、こちらはなにがあっても神の思し召しと誰もが納得する。

楽劇「エレクトラ」の楽譜を落とした。短い作品であり、それほど厄介とは思わないが、沢山変化記号がついているのをどう読むかだろうか。前回生で聴いたのはザルツブルクの大劇場公演だったと思う。浅利慶太があまり意味の無い演出をして盛んにブーイングを受けていた。指揮者はロリン・マゼールだった。プログラムを開けるとキャストを思い出した。1996年8月1日の初日だった。
Leonie Rysanek last performance _ (Clytemnestra) 25/8/1996 -1/5

Leonie Rysanek last performance Clytemnestra 25/8/1996 2/5

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その公演で引退したレオニー・リザネックがクリテムネストラ、タイトルロールをヒルデガルト・ベーレンス、今回アスミク・グリゴーリアンが歌うクリソテミスはカレン・フフシュトットと言う人だった。もう引退しているようだがヴァージンレーベルでサロメを歌っているようだ。正直全く思い出せない。両ヴェテランに関してはリザネックはもうボロボロだったような記憶がある。ベーレンスは声は出ていたように思うが細かった記憶が微かにある。お勉強しているうちに思い出すかもしれないが、当時はシュトラウスの楽譜なんて無料ではダウンロードできなかったので、記憶がそれ程定着していることはないだろう。

マゼールの指揮は悪くはなかったと思う。だから演出がただ単にエーゲ海のような光を出していて、一言で言えば全てが白昼の元に晒されるというような塩梅だった。それとマゼールの指揮はよくあっていて、ヴィーナーフィルハーモニカーも精緻な演奏をした印象がある。衣裳は森英恵だったようだ。失念していた。

どうでもよいことだが、ドルトムントに履いて行ったお出かけ用靴を漸く磨いた。本当は直ぐにでも手入れしておかないといけないのだが、誰もやってくれず無精者だから仕方がない。そう言えば全く何もしない父親が靴だけは気が向くと自分で磨いていたことを思い出した。人に上げる程イメルダ夫人の様にまでは行かないが、男性としてはなぜか沢山の靴を持っていた。恐らく愛用の靴屋で購入を趣味としていたのだろう。公式のプロフィールには茶の湯とか書いていたようで笑わせる。



参照:
壊滅に向かうか墺音楽界 2020-07-14 | 文化一般 
音楽祭百周年記念番組 2020-07-13 | 文化一般

コメント
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