ザルツブルク音楽祭の二次発券が始まる。パトロンやスポンサーなどを除いた段階で、今年の券を購入していた人向きである。既に傾向は出ていると思うが数を減らした分がどこまで売れるか?丁度発売日前でNDRで特番をやっていたのでちょこちょことBRと切り替えながら聞いていた。ヒンターホイザーという人はピアノも弾く営業の取締役だが、その話しを聞いてなるほどとも思った。
何だかんだとごてごて話していたが、結局お好きなジョージ・クラムのように雲をつかむようなお話しだった。なぜこの人が場違いなポジションにいるのか分からなかった。益々ザルツブルク開催への不安に襲われた。
ざっと今までの経験からすると通常の入場者の三分の一が上限で、実際に八万席のみが売られる。需要は高くてというが、地元近辺やヴィーンからはまだしもバイエルン州からどれほどの人が押し寄せるのかはとても疑問である。
元々券を持っていた人がどれほど取り返していくのか、オペラでは「エレクトラ」しかないが、その管弦楽の規模もまだ発表になっていない。縮小しなければ最終的には無理だと思う。「コシファンテュッテ」も短縮版である。
そのザルツブルクで中心となるヴィーナーフィルハーモニカーがインタヴューに答えている。とても興味深いのは、昨年の10月に武漢で演奏していて、団員の多くが病気になったという事だ。あれだけドサマワリを専門にしている楽団が体調を崩すのは珍しい。それゆえに今回抗体テストを全員にしたという。しかし期待したような結果では無くて一人も抗体を持ち合わせなかったとある。
どのような抗体を検査したのかは分からないが、その手のコロナに感染している人がいなかったという事なのだろうか。そしてこの10月に再び極東旅行が予定されているようだ。そもそも旅行が可能になるかどうかが分からないが、呼び屋さんの方が3分の1とかしか入場を許されなかったら困難だろうと憂慮する。8月25日に最終判断をするという。
フィルハーモニカーはヴィーンの歌劇場の公務員だが8割の給与を得ているというからいい。そして劇場はアルプスの小国にとっては重要な観光資源となっている。そして辞めた前音楽監督のヴェルサーメストが口火を切った。支配人のマイヤー氏が交代するにあたって、その確執からの守秘義務から解放されたと判断したからだ。
経験の薄い可愛い歌手などを起用したことから、国立劇場が世界的に価値を失ったと支配人を激しく非難している。それが監督辞任の真相だったとなっている。そして、外交官のような表向きだけの人間とは付き合えないとしている。
ヴィーンの国立劇場がその芸術音楽的な価値を失ったとする糾弾に異議を申し立てる者は殆どいないだろう。勿論メスト氏が語るように、そのアンサムブルを保証するのは経験のある専属歌手であって、いちいちトレーニングするようなところではないというのは正しい。
何故ヴィーナーシュターツオパーもフィルハーモニカーも音楽的な程度が下がってしまったかというと、それはあまりにもの商業主義に走ったからでしかない。そして新体制もその興行のコンセプトを強化していく。
先の計画をしようにも定まらない。ヴィースバーデンとドルトムントで生演奏を二回聴けたことは良かった。九月までに相当するようなものはなかなか見つからない。もし出かけていなければ二月のアルテオパーでの交響的舞曲が最後の曲となっていた。幻聴を聴きそうになるところだった。同曲のベルリンのフィルハーモニーでの録音を聴いてもあの瑞々しい響きとは似ても非なるものだ。曲によってはやはりHiFiでも補えない響きがそこにある。
参照:
薄氷の上での千羽鶴 2020-06-11 | 文化一般
手袋つけての館内移動 2020-06-10 | 文化一般
大胆不敵なヴィーナー 2020-06-08 | 雑感
あまりにも壊れ易い世界 2020-02-23 | 音
何だかんだとごてごて話していたが、結局お好きなジョージ・クラムのように雲をつかむようなお話しだった。なぜこの人が場違いなポジションにいるのか分からなかった。益々ザルツブルク開催への不安に襲われた。
ざっと今までの経験からすると通常の入場者の三分の一が上限で、実際に八万席のみが売られる。需要は高くてというが、地元近辺やヴィーンからはまだしもバイエルン州からどれほどの人が押し寄せるのかはとても疑問である。
元々券を持っていた人がどれほど取り返していくのか、オペラでは「エレクトラ」しかないが、その管弦楽の規模もまだ発表になっていない。縮小しなければ最終的には無理だと思う。「コシファンテュッテ」も短縮版である。
そのザルツブルクで中心となるヴィーナーフィルハーモニカーがインタヴューに答えている。とても興味深いのは、昨年の10月に武漢で演奏していて、団員の多くが病気になったという事だ。あれだけドサマワリを専門にしている楽団が体調を崩すのは珍しい。それゆえに今回抗体テストを全員にしたという。しかし期待したような結果では無くて一人も抗体を持ち合わせなかったとある。
どのような抗体を検査したのかは分からないが、その手のコロナに感染している人がいなかったという事なのだろうか。そしてこの10月に再び極東旅行が予定されているようだ。そもそも旅行が可能になるかどうかが分からないが、呼び屋さんの方が3分の1とかしか入場を許されなかったら困難だろうと憂慮する。8月25日に最終判断をするという。
フィルハーモニカーはヴィーンの歌劇場の公務員だが8割の給与を得ているというからいい。そして劇場はアルプスの小国にとっては重要な観光資源となっている。そして辞めた前音楽監督のヴェルサーメストが口火を切った。支配人のマイヤー氏が交代するにあたって、その確執からの守秘義務から解放されたと判断したからだ。
経験の薄い可愛い歌手などを起用したことから、国立劇場が世界的に価値を失ったと支配人を激しく非難している。それが監督辞任の真相だったとなっている。そして、外交官のような表向きだけの人間とは付き合えないとしている。
ヴィーンの国立劇場がその芸術音楽的な価値を失ったとする糾弾に異議を申し立てる者は殆どいないだろう。勿論メスト氏が語るように、そのアンサムブルを保証するのは経験のある専属歌手であって、いちいちトレーニングするようなところではないというのは正しい。
何故ヴィーナーシュターツオパーもフィルハーモニカーも音楽的な程度が下がってしまったかというと、それはあまりにもの商業主義に走ったからでしかない。そして新体制もその興行のコンセプトを強化していく。
先の計画をしようにも定まらない。ヴィースバーデンとドルトムントで生演奏を二回聴けたことは良かった。九月までに相当するようなものはなかなか見つからない。もし出かけていなければ二月のアルテオパーでの交響的舞曲が最後の曲となっていた。幻聴を聴きそうになるところだった。同曲のベルリンのフィルハーモニーでの録音を聴いてもあの瑞々しい響きとは似ても非なるものだ。曲によってはやはりHiFiでも補えない響きがそこにある。
参照:
薄氷の上での千羽鶴 2020-06-11 | 文化一般
手袋つけての館内移動 2020-06-10 | 文化一般
大胆不敵なヴィーナー 2020-06-08 | 雑感
あまりにも壊れ易い世界 2020-02-23 | 音