Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

秋のマーラー九番演奏会

2021-08-18 | 
ブレゲンツから二枚のティケットがメールされてきた。そろそろ問い合わせしようかと思っていた。昨年10月の総練習に続いて演奏会四回を、満席に増やして二回の演奏会に限ったので本当に配券されるのかどうか不安だった。その一方で定期会員以外のまだ支払いしていない人は連絡しろとあった。三回もキャンセルされて四回目の延期だったのでこちらも不安になる。余っている筈がないのに売ろうとしているのはガラガラポンにする心算かとも思った。勿論の事、地元の定期会員が優先されるのは仕方がない。

一枚目に遅れて二枚目も届いた。座席はどうなっているのか調べた。ブレゲンツの方は帰る前にさっとの心算でいたから致し方が無いが、人と人の間に座るのは嫌だなと思う。でもそれがキリル・ペトレンコの第二の故郷でのマーラーツィクルス演奏会の最後になる。何かそのような慎ましいイヴェントばかりを求めているようなのだが、このツィクルスを始めた時はまだバイエルンの音楽監督では無かったのだ。それを考えるとこのフィナーレにはやはり大きな意味があると思う。指揮するのは今年ライプチッヒ等で指揮する予定だった第九番である。恐らくミュンヘンでも先に振るのではなかろうか。そこでは再来年の準備となるか。

前夜には何度も行きたいと思って叶わなかったフェルトキルヒのモンタフォンハウスでの演奏会だ。小さな会場でこちらは一等席を配券して貰ったので少なくともそこの音響をチェックできる。恐らく地元のペトレンコお母さんたちと並ぶかも知れない。管弦楽団の力量は分かっているが、既に里帰りの指揮者と三月に秘密練習をしていて準備万端な筈なので何とか頑張って欲しい。

まだまだ10月初めのことなので不明なこともあるが、先ずこちらは接種証明も持っているので、オーストリアが特別にハイリスク地域にならない限り問題が無い筈だ。しかしおかしな席での満席は嫌である。

ルツェルンからも出かける予定の演奏会のリマインドメールが入った。三日のところを二日にすることにしたが、既に指数148のルツェルンや163の全スイスへのコッホ研究所の決断に掛かっている。16日の発表ではまだ大丈夫だが二週間後の30日で決まる。認定されれば宿を直ぐにキャンセルする。

それにしても我ながらここまで時間と費用を掛けて、系統的に行っているつもりはないのだが、良く取材をしているものだと思う。正式なペトレンコの活動の記録は側近のクラスティング氏が纏めると思うが、こちらは矢張り観客席側の受け取り方に興味があるので観ているところが違う。

グレン・グールド演奏のオルガンによる「フーガの技法」を鳴らした。やはり全然意味が異なった。なんといってもストップとか何とか以前に純正調ではピアノでの滲みが無く、くっきりと対位法の各声部が浮き上がる。まるで馬鹿みたいに明快明晰のだ。よく考えればバロックの対位法なんてそういう押しつけがましいものではないかとも改めて思うのだが、一体ピアノで今度は何をしようというのだということになる。

グールドのピアノでの演奏を聴けばその答えをくっきりと出して呉れていると思うのだが、やはり聴いてみないと分からないこともある。その意味からもこの作品自体が提議する問いかけは大きい。

LPを慣らして二枚目の最後には針に埃がついてびりびりと鳴っていた。こういうのが資料的に音を鳴らす時には最早煩わしい。趣味の「音楽鑑賞」の時には気にならないものだったろう。



参照:
深刻に受けとめられる 2020-11-03 | 文化一般
初夏に向かって考慮 2021-04-15 | 暦
最後の交響楽演奏会 2020-08-25 | 文化一般
ミサ典礼文の表情 2021-08-16 | 音
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