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『お江戸みやげ』…♪

2021-10-23 09:30:21 | Weblog
昨夜のNHK Eテレ『にっぽんの芸能』は歌舞伎の先代中村芝翫丈の十年祭として『お江戸みやげ』の公演を取り上げていました。
先代が鬼籍に入られてから十年が経つんですね。
『お江戸みやげ』川口松太郎の作で、反物の行商で江戸に出てきたしっかり者のお辻さんと呑気物のおゆうさんが、一息つこうと茶店に立ち寄り、そこでお酒を呑み、……と物語が展開していきます。
お辻さん:八世中村芝翫(当代)
おゆうさん:中村勘九郎
阪東栄紫(歌舞伎役者):中村七之助
角兵衛獅子:中村歌之助&福之助
などなど先代芝翫丈に所縁のある役者さんたちが顔を揃えていました。
で…。
お辻さんもおゆうさんも田舎から出てきたなかなかの年増という設定。
ちょいとお酒をのんで気が大きくなって、宮地芝居を観て、さらにはその芝居に出ていた役者の阪東栄紫と差し向いに…。
栄紫には夫婦約束した娘がいるんだけど、この娘の母親が業突く張りで、困り果てる栄紫。
そこを救ったのがお辻さんでね…。
…、とあらすじはまぁ置いといて…。
つくづく思ったのは栄紫役の中村七之助丈。
その当時、つまり江戸の頃の役者のほとんどが抱えていたであろう悲哀のようなものまで見事に演じていた
七之助丈、本来は女形で、それはそれは美しいから私は大好きなんだけど、今回の栄紫役には美しいだけではない背景を感じたなぁ。
そしておゆうさんを演じた中村勘九郎丈、殊更に女っぽく演じているわけでもないのに“あ、いるいる、こういうおばさんいるよねぇって、ついクスっとしちゃう。
勘九郎丈、おゆうさんという女形を本気で真面目に遊んで、ご自分が楽しんでいるんじゃないかなって思っちゃいました。
勘九郎丈と七之助丈の兄弟、先代芝翫丈にとってはお孫たち。
天上の大向こうから“中村屋…っっっ”って声を掛けながら楽しんでいらっしゃるかもしれないな。
コメント
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