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鶯の鳴き音…♪

2022-06-06 11:45:49 | Weblog
『居酒屋ぜんや』シリーズの軸になっているものの一つが鶯飼いで、佳い声で鳴く鶯を育ててその鳴き音を楽しみ時には競い合うというもの。
主人公林只次郎が品評会で1等賞を取るほどの美声を誇る鶯を飼っていて、その鶯を介して大店の主人たちと交流しています。
鶯の鳴き音というのは言わずと知れたホー・ホケキョに決まってますが、なんとそれに優劣やら上手下手があって、律中呂(リちゅうろ)という音の高低や文句や節付けなど様々な評価の基準があるんですって
文句=歌詞ってこと
そりゃ、ホー・ホケキョでしょ
節付=メロディ、リズムってこと
だから、ホー・ホケキョでしょ
って思っちゃいますけど、そんな単純なものじゃないらしい
そのわずかな違いまで聞き分けて、あーだこーだとお喋りに興じ酒を酌み交わし情報交換などもする。
ま、道楽ですな。
只次郎の場合は自分の愛鳥を使って収入を得ていますから道楽とは言えなくなっていますけどね。
鶯といえば、忘れられない思い出がひとつ。
もう?十年も前の事ですけど、比叡山延暦寺根本中堂で参禅する機会がありました。
7月末の新緑に小糠雨が降る静かな早朝、導師の指示のもとじっと座っていたとき遠くから鶯の鳴き音が聞こえてきたんです。
透明で清浄なとても美しい声、細く鋭く突き抜けてくるような響きではなく、すべての雨粒に乗ってお山全体に広がっていくように感じられました
只次郎の愛鳥の鳴き音もあんな感じなのかもって思い出しながら読み進めています。
コメント
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