『大川契り』<善人長屋> 西條奈加著 新潮文庫
シリーズ3作目、1話完結の6本と2話に跨るお話が1本。
お縫ちゃん曰く“育ちの悪い泥大根”のような男と茶問屋の先代内儀が色恋沙汰かと周りは気を揉むけどさにあらずってお話や、長屋の店子仲間安太郎さんの昔と関わりのある女の子が現れたり、同じく店子仲間唐吉さんに秘めたる恋人かと弟の文吉さんはヤキモキするけど実はってお話など…。
そしてお縫ちゃんの母お俊さんが自ら語る若かりし頃のこと…痛ましい出来事のあとに若き日の儀右衛門さんがお俊さんに向けた言葉、お俊さんは蓮の花のような女性だと、
…、根っこからどんなに泥水をすすろうと、花には染みひとつつかねぇ…
はぁぁぁ、儀右衛門さん、好い漢だねぇ
さぁて、お縫ちゃんと文吉さんの仲はどうなるかねぇってのが気懸りではあるんですけどね…、でも、文庫第1作目が出たのが2012年で2作目が2015年、そして本作が2018年とほぼ3年毎に出てたんだけど、今年2024年まで6年出てないってことは…、たぶん続きはないな…