■ 政治当用された重要国大使 ■
国民の多くが「官僚機構は日本の癌」と思い込んでいます。
しかし、外務省の意向に従って民主党が動いていれば、
今回の尖閣問題は防げたはずです。
民主党政権発足当時、小沢ー鳩山ラインは、
政治決定を標榜し、官僚の政策関与を大きく抑制します。
事務次官会議を廃止し、官僚機構を弱体化しようと試みます。
その流れを受けて、藤崎一郎駐米大使と丹羽宇一郎駐中国大使を登用します。
藤崎氏は外務省からの登用ですが、
従来の事務次官→駐米大使の流れとは異なり、
外務省の意向に沿った人事とは言いがたいものがありました。
藤崎氏の駐米大使としての働きはかんばしい物では無く、
米国との行き違いもしばし発生しました。
同様に丹羽駐中大使も、伊藤忠商事の出身者で、
中国大使任命後に、伊藤忠商事の取締役を退任しています。
■ 丹羽氏は石原都知事を牽制していた ■
丹羽前中国大使は、ビジネス界出身だけあって、
石原都知事の尖閣購入計画は、日中関係を損なう恐れがあるとして、
反対を表明していました。
前原政調会長などは、丹羽氏の発言は適切では無いと切り捨てましたが、
ビジネスマンとしての丹羽氏の判断が正しかった事は、
今となっては疑い様の無い事実です。
むしろ、前原政調会長などアメリカのポチが、
尖閣問題を重大な危機に仕立て上げたと見る事が出来ます。
丹羽氏は、正常な感覚から尖閣問題を論じていますが、
彼を本来援護するはずの外務省の官僚達は、
丹羽氏を援護しなかったのでしょう。
だから、尖閣問題はこんなにも拗れてしまった・・。
従来のチャイナスクールの出身者ならば、
中国政府との繋がりも深く、
誰にコンタクトすれば、情勢悪化を最小化出来るかも分かっていたはずです。
尤も、丹羽氏の後任の西宮中国大使もチャイナスクール出身者では無いので、
ここら辺の登用が、政治主導なのか、それとも外務省の主導なのかが気になります。
ところが、新任早々の西宮大使が死亡してしまった。
通勤途中に倒れて、亡くなった訳ですが、
これが自然死なのか、それとも謀殺なのか、真実は闇の中です。
■ アメリカの思惑通りに動く日中関係 ■
これまでの所、尖閣問題を巡る日中関係はアメリカの思惑通りに動いています。
石原都知事はロックフェラー系のシンクタンク、
ヘリテージ財団にわざわざ出向いて、東京都による尖閣購入をぶち上げます。
当然、都の独断専行は好ましく無いので、
日本政府が、尖閣国有化に踏み切らざるを得ないという状況が作られました。
ただ、外務省が主導権を握っていれば、
尖閣国有化は回避出来たはずです。
1972年の日中国交正常化の際に、
尖閣問題は「棚上げ」で、日中同意がされていますので、
これを国有化すれば、日本が一方的にこの合意を破棄したと見なされるのも同然です。
では何故、政府は尖閣国有化をこんなにも焦って決めたのか?
それは当然、アメリカの強い圧力に屈したからに他成りません。
多分、西宮新大使は、尖閣国有化に強硬に反対したのでは無いでしょうか?
だから、見せしめの為に消されてしまった・・・。
要は、外務省を代表する意見を、暴力でねじ伏せたのではないでしょうか?
■ 誰かがかなり焦っている ■
竹島問題にしても、尖閣問題にしても、誰かがかなり焦っている様に見えます。
どうにかして極東地域に紛争を引き起こしたい勢力が居るのでは無いか?
石原都知事が、ロックフェラー系のヘリテイジ財団で、
尖閣諸島の購入を発表した事や、
「第三次アミテージ/ナイ・レポート」がタイミング良く提示された事などから、
ジャパン・ハンドラー達が裏で暗躍している事は明確です。
バネッタ国防長官も重い腰を上げた様ですし、
ジャパン・ハンドラーの独走と言うよりは、
アメリカを挙げて、日本に圧力を掛けてきていると見るべきでしょう・
「中国をなだめてやるから、カネよこせ」
まあ、ヤクザまがいの揺すりなのでしょうが、
政権維持がままならない民主党は、アメリカに縋るしか無い・・・。
■ 小沢ー鳩山の官僚外しが招いた結末 ■
橋本大阪市長は、盛んに官僚を批判して、国民の人気を高めています。
官僚はそれに反論する術を持ちませんから、
国民は、メディアに踊らされて、
官僚こそが、諸悪の根源だと思い込みんでいます。
しかし、小沢ー鳩山ラインが、官僚の影響力を排除した結果どうなったかは、
今回の尖閣問題を見ても明確です。
結局、政治家は命を盾に取られれば、いう事を聞きます。
自らの命は顧みなくても、
妻や子供達、あるいは、孫の命が危険に曝されてば、
言いなりにならざるを得ません。
それに対抗する為には、さっさと権力を手放すしかありません。
福田氏、安部氏が何故、あっさりと政権を手放したか?
自分の首と引き換えに、理不尽な要求を撥ね退けたからに他なりません。
中川氏の様な犠牲者も当然出ます。
今回の尖閣問題は、ロスチャ系の小沢ー鳩山ラインの作った穴を、
ロックフェラー系が上手に利用したと見る事が出来ます。
一方、中国では、尖閣デモを中共青年団が利用している節もあり、
アメリカのコントロールが効くかどうかが、不明な点も多くあります。
結局、米中が適当な所で手打ちして、
日本政府がそれを飲まざるを得ないでしょう。
アメリカは日本に貸しが出来、中国はアメリカに貸しが出来ます。
ところで、手打ちの線引きはいったい何処になるのでしょうか?
尖閣に向けて、中国の大漁船団が出港すれば、
南沙諸島、西沙諸島と同様に、
漁船団の安全を守る為に、中国軍が乗り込んで来ます。
今の中国の世論の高まりを考えると、
漁船団が尖閣諸島に上陸した後に、尖閣放棄を中国政府が受け入れる事は
中国政府の敗北と国民に受け止められるでしょう。
結局、漁船団が尖閣に上陸してしまえばアウト。
アメリカが説得しても、尖閣は中国の実効支配下に置かれます。
尤も、自衛隊が上陸を断固阻止すれば、日本の実行支配は揺るぎませんが、
そうなれば、日中戦争に発展し、沖縄までが戦火に巻き込まれます。
私は漁船団が尖閣に到着する様な事態が生じた場合は、
中国に対して、アメリカの影響力が低下していると見ます。
適当に日本を脅して、カネを巻き上げるハズが、
中国が上手く立ち回って、尖閣を手に入れてしまったという図式。
この場合は、アジアにおけるアメリカの威信にキズが付きます。
さて、明朝には結果が判明しているでしょう。
大漁船団は、はたして尖閣に到着するのか・・・・。
いずれにしても、官僚制を否定した国民が自ら招いた災禍である事に疑いはありません。
<追記>
3000隻とも10000隻とも報道される漁船団ですが、
どうやら、尖閣諸島を目指すのでは無く、
尖閣周辺海域での操業の為に出港を予定している様です。
何故なら、中国政府が定めた禁漁期間が17日に開けるからだとか。
午前中のニュースで、赤旗を掲げた漁船団が尖閣を目指すと、
映像入りで報道していましたが、
あれは大漁旗みたいなものでは無いでしょうか?
どうやら、漁船団の目的は「漁」であって、
「反日行動」では無い様です。
これを、あたかも中国漁船団が尖閣諸島に押し寄せて来る様に報道する日本メディアは
単なる勘違いなのか、それとも意図的な煽り報道なのか?
デモが鎮静化する中、日中双方に冷静さが必要な様です。
・・・て、一番騙されたのは私ですかね。
反省!!