■ 娘の学校の宿題でダイオキシンの怖さを調べるレポートが出た ■
娘がパソコンで調べ物をしていたので、「何を調べているの?」と聞いたら、「保健体育の宿題でダイオキシンについて調べなくちゃいけないの!」って答えが返って来ました。
「ダイオキシンってほとんど無害なのに何で今更?」って聞いたら、「それはお父さんの考えで、学校じゃ有害だって習ったもん!!」とマジ切れされました。
翌日、娘はパワーポイントでそれなりに「ダイオキシンは有害」という資料を作り上げ、学校の先生にはたいそう褒められたそうです。
ところで、娘曰く「お父さん、ダイオキシンってほとんど害が無いんだってね。モルモットだけが何故かダイオキシンに弱いんだね・・・」。
オバカな女子高生ですら少しネットで調べればダイオキシンがほとんど無害である事を理解出来るのに、学校教育では未だにダイオキシンは有害御物質認定で、保健体育の授業の公害の項目のテーマになっています。
■ モルモットだけが顕著にダイオキシンの弱かった ■
一時期世間を騒がせたダイオキシン問題。
1) ダイオキシンは農薬などを製造する際に不純物として生成される
2) 塩素で置換された二つのベンゼン環を持つ化合物の総称
3) 比較的低温で塩素と有機物が化合して生成される
4) 普通にたき火をしてもダイオキシンは生成される
ダイオキシンが有害とされたのはモルモットの実験に由来します。
1) モルモットにダイオキシンを与えると0.6μg/Kgで死ぬ
2) これを人に当てはめると1gのダイオキシンで17000人が死ぬ
3) ダイオキシンはサリンの17倍も危険な物質である
こうして、ダイオキシンはとても危険な物質とされました。
ところが、ダイオキシンを大量に吸引する様な事故がイタリアで発生します。
1) 北イタリアのセベソで1976年、農薬工場が爆発事故を起こした
2) 130Kgのダイオキシンが周辺数キロに飛び散った
3) 22億人の致死量のダイオキシンが狭い範囲に降り注いだ
4) 住人の血中ダイオキシン濃度は通常の2000倍から5000倍になった
5) 結局誰も死ななかった・・・
6) 現れた症状はクロロアクネという湿疹が体質によって出ただけだった
7) 多くの妊婦は奇形を恐れて堕胎したが、胎児に影響は見られなかった
8) 出産された子供にも異常は認められなかった
9) その後の追跡調査でも病気の発生率や死亡率に顕著な変化は見られなかった
この様な事故が何度か起こる内に、ダイオキシンの人に対する毒性が意外に低い事が知られてきます。
1) イヌの致死量は3000μg/kg、ハムスターでは5000μg/kgという実験結果が出た
2) モルモットだけが致死量0.6μg/Kgと顕著にダイオキシンに弱かった
ところが今度はダイオキシンの発癌性を問題視する人達が現れます。これも研究が進むとほとんど発癌性が無い事が判明します。
1) ダイオキシン自身の発癌性は無く、一部のガンの成長を促進する
2) 動物実験で通常の6万倍のダイオキシンを摂取して10%のガンの増加が確認された
3) 通常の生活で癌が有意に増加する量のダイオキシンを摂取する事は不可能
4) 何故かWHOは1997年にダイオキシンを「発癌性物質」に指定(投票で11対9)
ダイオキシンの発癌性が極めて低い事が明らかになって来ると、今度はダイオキシンは環境ホルモン(内分泌攪乱物質)であるから危険と言い出す人達が現れました。
1) ダイオキシンが内分泌を攪乱する為には数μgが必要
2) これは当時問題とされていた汚染の1000倍以上。
3) ダイオキシンは時間の経過で体外に排出されるので、
問題があるレベルまでの摂取は事実上難しい。
この様に研究者の間では「ダイオキシンは大して危なく無い」事が分かって来ました。それと同時にTVや新聞などからダイオキシンの文字は消えて行きます。
ところが、TVも新聞も「ダイオキシンは大して危なく無かった」という報道をした所は皆無です。所沢の取材では「ヤラセ」までしてダイオキシン問題を煽ったマスコミは、自分達の過ちを訂正する事はありませんでした。
そして冒頭に書いた様に、教育の現場では未だに「ダイオキシンはとっても危険」と教えられています。
■ ダイオキシン類に紛れ込まされたダイオキシンでは無いPCB ■

上の図は代表的なダイオキシンである2,3,7,8-テトラクロロジベンです。
2つのベンゼン環(6個の炭素と水素の結合が基本)が塩素に置換されているのが特徴です。
ところが現在WHOは次の様な物質まで「広義のダイオキシン類」として扱っています。

これは発癌性があるとして有害物質として規制されたPCBです。確かにベンゼン環が塩素で置換されていますが、ダイオキシンと大きく異なるのは、酸素の結合が無い事です。
ダイ(ジ)=2個、オキシ=酸素 というダイオキシン類の特徴をPCBは持ち合わせていません。ただ、分子構造が似ているので、有害なPCBも「広義のダイオキシン類」に入れてしまったのです。
ダイオキシン類には害が無いのに、有害なPCBをダイオキシン類に入れる事で、有害物質では無いダイオキシン類までも危険となってしまったのです。こうして、「ダイオキシンの危険性」をWHOは担保しています。(空いた口が塞がりません)
■ 微量検出器の発達が招いた災禍とビジネスチャンス ■
ダイオキシン問題は、従来では検出できない様な微量の化学物質が、検出機器の発達で検出出来る様になった事でクローズアップされました。
当時危険だと思われていたダイオキシンが、意外に身近に存在する事を検出できる様になったのです。
科学者は針小棒大に事を荒立てるのが好きです。彼らは潔癖症的な性格をしていますから、「量」は問題では無く、「有る」事をことさら重要視します。こうして「身近な危険物資」であるダイオキシン騒動は拡大して行きます。
ダイオキシン騒動で大儲けしたのは、アメリカの検出器メーカーと、欧米の焼却炉メーカーであったと言われています。
彼らの商売が一段落した所で、ダイオキシン問題はフェードアウトして行きました。
■ 放射線問題に酷似しているダイオキシン問題 ■
一連のダイオキシン騒動は、現在の放射線騒動をイメージさせます。
素人までもが放射線検出器を片手に、側溝や水たまりの乾いた後など、放射性物質が集まりそうな場所を探し回っては、「ほら、こんなに放射線レベルが高いじゃないか」と得意になる様は滑稽です。
問題は普通の生活で、身体に影響のある被曝をするかどうかなのです。
そして、1mSv/年(通常時)や20mSv/年(事故時)といった現在のい防護基準の範囲であれば、人間に放射線の影響が表れない事を多くの科学者も医者も知っています。
むしろ、バズビーらが主張する「ほんの微量の放射線も危険」とか、「弱い放射線の方が危険」といった主張は完全に「似非化学」に属するものです。そもそもバズビーはドイツ赤軍の共産主義活動家(転じて環境活動家)であって科学者ではありません。
■ 似非化学リスト ■
新聞の一面に載る記事には何故か似非化学が多く見受けられます
〇 ダイオキシン・・・・・実は無害だった
〇 オゾンホール・・・・・実は昔から普通に起きていた事だった
〇 地球温暖化・・・・・・最近はNASAなどは寒冷化を警告し始めた
〇 シェールガス・・・・・単なる開発バブルらしい
〇 新型インフルエンザ・・実は稀に見る弱毒性だった
〇 子宮頸がんワクチン・・効果は限定的で副作用が多発
この中に「1mSv/年」の放射線も危険という現在の防護基準が入るのは時間の問題でしょう。
最大の問題は人々が似非化学に騙される事では無く、似非化学を煽りながらも、それが間違いであったと認めないマスコミ、そして、誤った認識を子供達に植え付け続ける教育現場にあると私は考えています。
そして似非化学だと知りながら、研究費に群がる研究者の多くが確信犯です。
尤も、国民の科学的知識と科学的思考力の低下が、似非化学を増長させている事に疑いはありません。その意味においても、マスコミの科学部の記者達の不勉強は犯罪に近いのかも知れません。