■ 2013年の中国の米国債保有額が過去最高 ■
「中国の米国債保有残高、昨年は5年ぶりの大幅増」
THE WALL STREET JOURNAL 2014.02.19
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304445404579392091989767188.html
<引用開始>
米国債保有高で世界首位の中国は2013年、米金利の大幅上昇にも全く懸念を示すことなく、中長期米国債の持ち高をここ5年間で最も大幅に増やしたことが明らかになった。
米財務省が18日にウェブサイト上で発表した最新統計の計算に基づくと、中国は12月に持ち高を減らしたものの、13年通期では、中長期国債の持ち高を811億ドル増やした。CRTキャピタル・グループのシニア米国債ストラテジスト、イアン・リンゲン氏がまとめた統計によれば、13年の増加幅は、09年の1234億5000万ドル以来の大きさだった。
11兆8000億ドルの発行残高を持つ米国債市場では、米国債の最大の買い手である米連邦準備制度理事会(FRB)が今年から毎月の購入規模を縮小しているため、中国からの需要には市場参加者の注目が集まっている。FRB以外の買い手が名乗りを上げる兆候が見られたことから、米国債利回り上昇への懸念は和らぐ可能性がある。米国債利回りは、国内外を問わず公的・民間部門の借り入れコストを定める上で指標とされている。
<以下省略>
■ 米国債の保有状況 ■
ここで米国債を巡る状況を確認してみます。
米国債は誰が保有しているのか・・・グラフにしてみた(人力でGO 2012.12.16)


1) 米国債の3/1が米国外の保有
2) 日本と中国で海外保有の内の40%程度を安定的に保有している
直近の日本と中国の保有状況は・・・

1) 2013年11月に中国は米国債を478億ドルと大幅に削減
今年に入ってからのデータが無いので、中国(と日本)の米国債保有高の減少が継続的なものなのか、それとも一過性なのかは判断できません。
■ 人民元レートの値下がり ■
中国の米国債売却と関係があるか分かりませんが、人民元のレートに変化が見られます。

中国の為替操作は、基本的に上昇する元のレートを抑制する「元売りドル買い」のはずなので、これを縮小すれば本来なら元のレートは上がるハズ。
元の値下がりは、年初来の新興国危機の影響を受けたものかも知れません。元に値下がり圧威力が加わっているとなると、中国は「ドル買い(=米国債買)、元売り」の為替操作をする必要が無くなります。
■ テーパリングや中国の売却で、米国債の需給環境が悪化する? ■

各国の10年債金利の長期変動グラフを見て見ましょう。
昨年から米国債金利は上昇傾向にあります。テーパリングが意識された結果だと言えますが、「10年債金利が3%に近付くと、世界で危機が起こる法則」が発動されます。
■ ウクライナ情勢やマレーシア航空機墜落の裏にあるもの ■
ここからは陰謀論的な思考になります。
ウクライナ情勢やマレーシア航空機の墜落事件など、陰謀論者の嗅覚を刺激する事件が起きています。
1) ウクライナ情勢はロシア経済に圧力を掛けますが、その影響は新興国市場に波及する
2) 新興国から米国債への資金回帰を誘導する
3) 中国に対するテロは、中国の国内情勢に揺さぶりを掛ける事が狙い?
4) 米国債買ってくれないとイヤガラセしじゃうぞ作戦の発動か?
リーマンショック後のイラン制裁とホルムズ海峡の緊張など、過去を振り返ると「無理くり」な危機の演出と思える事件は多々あります。結果的には大きな戦争などに発展する事無く、何となくいつでも危機の引き金が引ける駒が増えているだけとも言えます。
何れにしても、世界の中心は米国債であり、これを維持する為に世界が動いている様に見えるのは、私が陰謀論者だからでしょうか?