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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

官製相場には逆らえない?・・・株式市場を支配する公的資金

2014-12-20 11:50:00 | 時事/金融危機
 

■ 日銀はやかり強かった ■

衆議院選挙前に18000円に一瞬キスした日経平均株価ですが、その後は急落。選挙後も下落は止まらず、結局ダウの反転を待って16600円台で底を打って反転急上昇しました。

18000円で下落した後、選挙に向けて18300円まで上げてから一気に下落。下手をしたら数日で15000円台まで下げた後に日銀やGPIF資金が買い支えるという人力予測は大外れでした。


結果的には、暴落が始まってから17000円を割るまで日銀の買入れは無かった様ですが、その理由として日銀の今年の買入枠が底を付いたからとお言わてており、来年分を前倒して買入に踏み切ったとも・・。

世界的な株安は、FOMCの「辛抱強い(patient)」との文言で反転しました。(そのタイミングを待っていただけとも)。日銀もこの機を逃さずに買い入れを実行し、日経平均も見事にV字回復しました。

1) 18000円を一つの節目と見る投資家が多かった
2) 衆議院選挙の自民党の勝利は分かっていたので買う材料が無かった
3) 原油安と世界的株安の影響を受けた
4) 特にダウと連動する傾向の強り日経平均はダウの下落に押された
5) FOMCでFRBが早期利上を否定するまでは売りが優勢
6) FOMCの発表は「相当な期間」を外して「辛抱強い」に変わったが方向性は変わらない
7) 市場は買い材料を待っていたので「辛抱強い」を好意的に解釈
8) NY市場の反転に合わせて日銀が買入れを実施

日銀と言えども日本株の買入枠は決まっていますから無駄弾は打ちたくは有りません。世界的なリスクオフが収まるであろうFOMCまでは、積極的にはなれなかったのでしょう。それだけ18000円を目途に、国内も国外も投資家達が売る気満々だったと言う事なのでしょう。

■ 日銀やGPIFが支える市場 ■

現在の日本株市場は下落局面で日銀やGPIFの資金が買い支えています。中央銀行に喧嘩を売っても適わない事は明白なので、海外の投資家達は、空売りなどで日本株を売り崩す事は容易で無いと判断しています。ですから、世界の株価の動きに合わせて、日本株を売って、日銀やGPIFの買入を誘っています。セコイながらも確実に日銀マネーが彼らの利益に変わっています。

既に日本株市場で日銀やGPIFの存在感は絶大になっています。

■ かんぽ資金8兆円がさらに投入されるかも知れない ■

ここに来て「かんぽ」資金8兆円が日本株市場に投入されるのではないかとの噂が立っています。

先日の下落局面では信用取引をされている方の中には命が縮む思いをされた方もいらっしゃるかと思います。そういった不安要素を取り除く為にも、さらなる安定した資金源として「かんぽ資金」や「農林中金マネー」に注目が集まり始めています。

■ 日本株における日銀の存在と、世界の金融市場におけるFRBの存在は似ている ■


今回の日本株の下落は、日銀やGPIFの資金無くしては現在の相場が維持出来ない事を如実に示しました。

これと同じ事が世界の金融市場とFRBの関係にも成り立っています。利上げに関するFOMCの言葉一つに市場が神経を張りつめているのです。

■ 出口など無いのでは無いか ■

リーマンショックは過去の事と風化しつつありますが、中央銀行の緩和マネーで支えれた金融市場は脆弱です。

はたして超緩和的金融政策に出口などあるのでしょうか・・・・。

少なくとも公的資金で支えられている日本株市場にはまともな出口など無い事は確かでしょう。それでも上昇相場が続く限り、人々は恐る恐るゲームを続けるのでしょう。

証券会社の電話が鳴りっぱなしという記事がありました。休眠口座を再度使えるかという問い合わせも殺到しているそうです。そろそろ、バブルの匂いが漂い始めました。儲かるチャンスと見るか、潮時と見るかは・・・アナタ次第。