先ずはロイターのこの記事を読んで下さい。
「プーチン氏がギリシャ企業に資金供給用意、ガスパイプライン延長で」2015.05.08ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NS1U820150507
<引用開始>
[アテネ/モスクワ 7日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は7日、ロシア産天然ガスをトルコに運ぶパイプライン「ターキッシュ・ストリーム」をギリシャ国境まで延長する計画について、プロジェクトに参加するギリシャ企業に対し資金供給を行う考えを示した。
ギリシャのチプラス首相が4月にロシアを訪問した際も申し出たが、この日チプラス首相と行った電話会談であらためて資金供給の方針を伝えたとしている。ロシア政府が明らかにした。
ロシアは昨年12月、欧州の反対を理由に、東欧向けにロシア産天然ガス運ぶパイプライン「サウスストリーム」を急きょ中止。その後ターキッシュ・ストリームに着手した経緯がある。
ロシアはこのターキッシュ・ストリームをトルコとギリシャ国境付近まで延長することでガスのハブ拠点を構築し、そこから南欧各国へ供給する構想を抱いている。
<引用終わり>
<再録 2015.1.7 人力でGO>
■ ウクライナとギリシャ問題はパイプライン? ■
EUから見捨てられそうになっているギリシャですが、中露との繋がりが深まりつつあります。
シリア問題も、ウクライナ問題も、ギリシャ問題も、その根本的な原因として、ヨーロッパへの石油やガスのパイプラインの問題に行き付きます。
シリアやトルコは中東からヨーロッパに繋がるパイプラインの通過点として重要です。
ギリシャはロシアから南欧に伸びるサウス・ストリーム・パイプラインの中継点です。
さらにギリシャはイラン、イラク、シリアを経由してギリシャに伸びるイスラムパイプライオンの建設予定地です。シリアのアサド大統領はこの計画を2011年に承認していますが、シリアの内戦の原因はこのパイプラインに有るとも言われています。
イランの天然ガスはトルコを経由してヨーロッパに供給されていまたが、イラン制裁でトルコがこのパイプラインを閉鎖していました。しかし、イラン制裁が緩和されたので、現在このルートは復活していると思われます。
トルコはギリシャと歴史的に対立しており、トルコのEU加盟はギリシャが阻止していました。今回ギリシャがユーロから離脱しそうですが、中露にそそのかされてEUからもから離脱した場合、トルコがEUに加盟すいるハードルは大きく下がります。
現在のウクライナとギリシャで起きている事は、ヨーロッパへのエネルギー供給の覇権争いであると私は邪推しています。