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時限クーポンで年金を支給する・・・ちょっとした思い付きのメモ

2015-05-20 08:50:00 | 時事/金融危機
 

■ 年金のキャッチボール ■

「金は天下の回りもの」と言う様に、お金は人の手から人の手に渡る事で経済を活性化させる事が出来ます。例えば箪笥に仕舞い込まれた現金は経済に貢献出来ないのです。

バブル崩壊以降の年金と国債の関係は箪笥預金に良く似ています。高齢者は銀行に預金を溜めこみ、銀行はこれを国債で運用し、国は国債で得た資金で年金を払っていました。老人が将来の為と年金から貯金した資金は、国との間でキャッチボールされ経済を刺激出来ません。

国民年金だけでは生活出来ないから貯金を切り崩している様なケースはこれに当りませんが、厚生年金を支出以上支給されているケースや、息子家族と同居して、年金がほとんど貯蓄になっているケースは多々あるはずです。

■ 年金をその月に全て使ったらどうなるか? ■

高齢者の方が年金を貯金する理由は将来必要となる介護や医療費や入院費を準備する為です。ところが、そのうちの少なからぬ量が老人が亡くなった時に残っているはずです。遺産として家族に相続されます。

この、経済に貢献出来ない資金を強引に経済に注入したらどうなるでしょうか?

例えば支給される年金を時限クーポン式にして、手元に置いておくと毎月5%ずつ減額する様なシステムを導入したらどうなるでしょうか?

1) クーポンは毎月5%ずつ価値が減る
2) クーポンと現金の交換は出来ない
3) クーポンは電子マネーとして管理される
4) クーポンで通常の支払は全て可能で、税金の支払いも出来る

こんな制度を導入したらどうなるっでしょうか?

もともと月々、年金を使い切っている人達にはほとんど影響は有りません。一方、年金を貯金に回していた人達は年金を使わざるを得なくなります。要は死蔵されて経済を活性化出来なかった資金が消費に回るのです。

旅行に行っも良いですし、近所で美味しい物を食べても良い。当然医療費として支払っても良い。こうして一旦、老人の手を離れた資金は、老人よりも消費性向の高い若者世代の手に渡る事で、2次的、3次的に経済を刺激する事が出来ます。

■ 高額所得者の年金の減額や税制改正よりも公平性が高いのでは? ■

年金財政がひっ迫する中で注目されているのが高額所得者の年金の減額です。ただ、これは公平性を盾に取られると実現が難しい。相続税で調整する方法が始まっていますが、これも様々な抜け穴があっり確実に効果を上げる事が難しいし、即効性に欠けます。

その点、全ての年金を時限クーポン化すれば平等性は確保され、消費拡大の即効性も高まります。

■ 使われなかったクーポンや減額する分は国庫に納めて福祉資金にすれば良い ■

仮に毎月5%ずつ減額するクーポンが使われなかった場合、減額分は国庫に収まる様にして、それを福祉予算に補てんする方法も有効かと思います。年金だけで生活出来ない人の補助金やや、高齢者医療非の不足分の補てんに充てたりする事も可能です。

■ 政府通貨では無く、あくまで「マイナス金利の円」として発行する ■

年金時限クーポンを地域振興券の様な政府通貨として発行すると、通貨制度が混乱します。あくまでもマイナス金利が発生する日銀券として発行するべきです。こうすれば通貨マフィアの期限を損ねる事も少ないでしょう。

「管理が大変だ」と指摘を受けそうですが、電子マネーにすれば問題は有りません(多分)。高齢者もお店で小銭をジャラジャラとやるよりは余程便利です。

■ 年金が普通の円である必要は無い ■

年金は現在の労働世代が安い賃金の中から支払っています。或いは国債発行を通して私達の子供の世代にまでツケとして残されます。この様に、現役世代が犠牲を払って支える年金が、貯蓄で死蔵されたり、あるいは金融市場でギャンブルに投じられるのは勿体無い。

それよりも実態経済に還元されて内需の拡大に貢献した方が、企業収益も拡大し、現役世代の所得も増えます。結果的に税収が拡大し、財政も安定します。

要は、現役世代や国庫の負担の上で生み出される年金は、貨幣的にマイナスのアドバンテージがあっても、結果的にそれが景気拡大に繋がるのなら問題は無いのでは無いか?

■ 金融政策におけるマイナス金利よりも弊害が少ない ■

「マイナス金利の通貨」ならば、リフレ派の主張と変わらないでは無いかというご指摘もあるでしょう。

しかし、通貨全体にマイナス金利を発生させてしまうと、国内投資に対する金利収益を不当に下げてしまい、結果的に投資資金の海外流出を招きます。現状の日本がその状態で、日銀が国債市場から炙り出した資金の一部は、米国債投資などに姿を変えています。(それが目的ですが)

■ 老人と国のキャッチボールに実態経済を挟む事で景気回復を狙う ■

何だか書いていて私も頭の中がスッキリまとまっていませんが、要は、年金と預金を通して発生していた老人と国とのキャッチボールの間に、強引に消費を割り込ませて実態経済を刺激すると考えれば良いかと思います。

■ 異次元緩和では国債から炙り出された資金は実態経済を刺激出来ない ■

「異次元緩和で日銀が国債から預金や年金を締め出しているのだから同じでは無いか」とのご指摘もあるかと思います。

しかし、異次元緩和の目的はマネタリーベースを増やす事ですから、国債から締め出されてた民間の資金は日銀当座預金に積みあがって、再び国債を購入する資金になっています。リスクだけが民間の金融機関から日銀に移っただけです。

さらに、国内需要が低い状況下では、炙り出された資金は金利に釣られて海外に流出してしまし、国内経済を活性化出来ません。

その点、年金を消費に確実に変換すれば、確実に需要を生む事が出来ます。

■ 老人の反対で「民主的」に否決されても、日本の民主主義の問題点を明確化出来る ■

多分、年金支給を時限クーポンにしますなどと言ったら老人の反乱が起こるでしょう。この場合、彼らの一番の武器は選挙に訴える事です。

大阪の例を見るまでも無く、現在の日本の選挙で最大の影響力を持つのは老人です。ただ、世代間格差を問う選挙になれば、若年層の投票率も高まるはずです。

選挙の結果、老人が勝利しても私は構わないと思います。何故なら、この国の支配者が老人である事が明確になるからです。

■ 「インフレ税」よりも明確ではは無いか ■

現在の異次元緩和を続けていても、いずれ日本の財政は破綻状態になり、それなりのインフレ税を私達は支払う事になります。

その時、インフレ税は国民に平等に発生する様に見えて、実は労働者の賃金はインフレを後追いして上昇するのでインフレの効果は年金生活者や資産家に強く発生します。

これは国家的な再配分の非常に巧妙な数段で、実は平等性は現役世代に対しても意外にも高い。そして、一番の利点は誰も責任を負う必要が有りません。

高齢化の影響で日本の財政が破綻状態になったのだから仕方が無い・・・。こうする事で責任の多くを「高齢化」に押し付ける事が出来ます。

しかし、一方で財政破綻の経済への影響は甚大です。これは現役世代にも大きな影響を与えます。

私としては知らず知らずの内に国に所得移転が発生するインフレ税の実施の前に「年金時限クーポン化」の様なポジティブな悪あがきをしても良いかななどと考えています。経済の実権としては面白いのでは無いかと・・・。


ただ、老人たちの資金を虎視眈々と狙う金融マフィア達には絶対に認められない政策だと思いますが・・・。