ギリシャ神話に出て来る化け物でヒドラという九頭の竜が居ます。ヘラクレスがこれに戦いを挑みますが、一つの頭を切り落とすと、二つの頭が生えて来る。
際限無く増える頭に苦戦したヘラクレスですが、切り落とした頭の付け根を松明で次々に焼く作戦が功を奏して最後には勝利します。
このヒドラの胆嚢から取った毒は大変強力で、その後のヘラクレスの戦いで大いに役立ちます。
ある時、ヘラクレスが妻デイラネイラと川を渡ろうとします。屈強なヘラクレスは自ら渡り、妻デイラネイラは渡し守のネッソスに頼んで渡る事に。ところが途中でネッソスがデイラネイラを犯そうとします。ヘラクレスは持っていた矢でネッソスを射殺しますが、最期にネッソスはヘラクレスの妻デイラネイラにこう囁きます。「自分の血は強い媚薬になる」と・・・。
後年、ヘラクレスはイオレという娘に心奪われます。それを知ったデイラネイラはネッソスの血をヘラクレスの着物に塗り付けました。ところが、それを羽織ったヘラクレスはデイラネイラに夢中になるどころか突然苦しみ出します。ネッソスはヒドラの血が塗られた矢で射ぬかれた自分の血がヒドラの毒を宿した事を知っていたのです・・・。
一つ問題を解決しようとすると問題が二つに増えるギリシャ問題はまさにヒドラの様相を呈しています。さらにその血が毒ともなると・・・EUも手こずる訳です。もっとも毒は使い方によっては薬にも成るし、武器にもなる・・。