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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

成長力低下の原因は財政縮小では無いのでは・・・構造改革なくして成長無し?

2020-06-11 02:32:00 | 時事/金融危機
 

■ 「土建大国」から「小さな政府」への転換 ■

12月の子さんがコメントを沢山下さっています。この問題、懐かしいです。昔、「ひろのひとりごと」さんのブログで良く議論しました。

かつて政府の公共投資が盛んだった頃、日本は土建大国とも呼ばれていました。高度成長期には高速道路や新幹線が整備され、港湾・漁港の整備も進み、日本の経済発展に貢献した。

巨大土木工事は当時政治家の利権になっており、建設会社から多くのお金が政治家に還流していました。有力政治家を多く輩出した島根県は人口が少ない事で有名な県ですが、一つの河に大きな橋が隣接して複数掛けられています。田圃の真ん中に有料道路の様な広域農道が走っている地域も有ります。これは農水省が主導して整備していますが、整備理由に「災害時には航空機の滑走路になる」なんて理由が付けられていた・・。

これらの公共投資が「無駄」と言われ始めたのは橋本行政改革の頃からですが、小泉改革によって日本は大きな政府から小さな政府を目指す様になります。民主党政権は「仕分け」によってさらに小さな政府を目指し、省益を守ろとする官僚と対立します。

■ 日本版「万里の長城」の「スーパー堤防」 ■

民主党政権は国交省のスーパー堤防事業を凍結しましたが、堤防幅を広げる必要が有るスーパー堤防は土地取得が難しく、工場跡地の様な場所でしか整備が進んでいません。住宅密集地などでは100年経っても完成しない。当然、100年に一度の大雨が降れば未整備の場所から堤防が決壊するので、意味の無い事業の象徴です。それに堤防は敢えて決壊する様に作られている箇所が有ります。下流域に人口密集地が有る場合、中流域であえて越水する高さになっています。越水が起ると土の堤防の外側が水の勢いで削られ、堤防は決壊します。

昨年の様な豪雨被害が起る度に「スーパー堤防を整備しろ」という声が沸き起こりますが、土地の強制収容が難しい日本では実現性に乏しい。そして、決壊の多くは、堤防が決壊するべく作られている中流域で多く発生しています。(二子玉川の洪水は、住民の反対で堤防整備が出来なかった場所です。そもそも河川敷の扱いの場所に住宅が建っている。)

洪水の多くは河川が山間部から平野部に流れ込む扇状地でも起きます。山間部で発生した土石流で堤防が壊されたり、河が曲がっている所の堤防が決壊し易い。

人口が少なかった時代は、この様に洪水が起きやすい場所には人は住んでいませんでした。経験的に「危ない」と知っていたからでっす。高度成長期以降の堤防整備でこれらの危険地帯でも洪水が頻繁には起こらなくなり、市街地が危険地帯に拡大して行きます。

■ 人口減少時代に求められるもの ■

高度成長期やバブル期に拡大した日本の都市や、住宅地ですが、人口減少の時代に入り、空き家どんどん増えています。私などは自転車で千葉の山間部を走る事が多いのですが、どんどん耕作放棄地が増え、廃屋が増殖しています。所謂、限界集落と呼ばれる地域です。いくつものトンネルを抜けた先に数件の民家が建っている。こんな場所も沢山あります。

この様な場所では、大雨の後に道が崩落したり、トンネルの上の崖が崩れたりして、良く通行止めになります。半年近く復旧しない場合も有ります。この様なリスクのある場所には若い人は住みたがりません。いずれは集落は消えて行く運命です。

市街地の空き家問題も深刻です。2030年には日本の空き家は30%に達すると言われています。日本では既に住宅が作られ過ぎていますが、それでも新しい造成地が作られ、新築家屋がどんどん建てられています。それらの多くは不便な場所や、今まで人が住まなかった危険な場所が多い。日本では土地の流動性が低いので、空き家になっても売地になかなかなりません。

こうして便利な市街地に虫食いの様に空き家が増え続け、不便な場所や危険な場所に新築住宅が増えて行く。

本来ならば「空き家の土地を手放すインセンティブが働く法整備」によって解決すべき問題ですが、個人の土地の権利の強すぎる日本では、なかなか解決出来ません。こうして、日本の住宅地はスカスカになりながら郊外に拡大しています。本来、人口減少時代には「コンパクトシティー化」が求められますが、日本は逆に拡散している・・。当然、無断なインフラ整備がセットとなります。

■ クラウディング・アウト ■

安倍政権発足当時、大規模な追加予算が組まれ、公共事業が増えました。東日本大震災の復興も本格化していたので、建築需要は高まっていました。

これで困ってしまったのが民間の建築現場です。先ず、鉄骨を始めとした資材が値上ってしまった。予算内で工事が完了できない現場も多く出ます。次に職人の手配が難しくなり、人件費が跳ね上がった。

この様に限られた人材しか居ない建築業界で公共事業が増えると人件費や資材の上昇によって、民間事業が圧迫されます。これをクラウディング・アウトと言います。建築業界から悲鳴が上がったので、安倍政権も2012年以降の大規模な公共工事を控えています。

確かに長年に渡る公共事業の縮小で日本の建築労働者は大幅に減りました。1998年には455万人いた技術技能者も、2011年では331万人に減り、約100万人以上も減っています。しかし、現在の日本で建築労働者や技術者を目指す若者は少ない。サービス業の賃金に比べて建築業の賃金は・い里任垢・・艝の若者は「院Δ」「危険」「キツイ」仕察・敬遠します

新生アメリカ・・・貧しいアメリカと豊なアメリカ

2020-06-10 11:35:00 | 分類なし
■ 新しいアメリカと古いアメリカ ■

昨日の「アメリカの滅亡」は、多くの人には???な記事でしょう。アメリカは今でも世界の覇権国家であり、ドルは基軸通貨です。

しかし、アメリカ合衆国というシステムは「グレート・リセット」や「ニュノーマル」という時代に対しては「大き過ぎる」し「古すぎる」。

トランプは「古いアメリカ」の象徴の様な大統領です。彼の支持者の多くは、寂れた工業地帯の労働者や、南部の農場経営者です。彼らは「偉大なるアメリカをもう一度」と夢見ています。一方、トランプに反発するのは「新しいアメリカ」です。リベラリストや新しくアメリカに移民して来た人達が多い。

今まで「古いアメリカ」と「新しいアメリカ」は何となく上手く付き合って来ましたが、トランプはそのギャップを白日の元に晒す役割を果たしています。


■ 人口の多さや国土の広さが国力に結びつかない時代 ■


従来、覇権国家や大国に必要なのは「広い国土」と「人口」でした。国土が広ければ資源は豊富に確保出来ますし、他国から侵略されても容易に全土を掌握される事は有りません。人口も生産yあ防衛の基本でした。

しかし、現在や将来の世界を展望する時、「広い国土」も「人口」も国力を高めるよりも、むしろ重荷になって来ます。

核兵器の存在は、大規模な侵略戦争を世界から排除しました。イスラエルを例に取るまでも無く、核兵器を保有し、その使用に躊躇しない国家は侵略されません。

AI化や自動化の社会においては「人口」は社会の重荷にこそなれ、これが経済成長に繋がる事はありません。現在においても、アメリカの大多数を占める貧しい人達は、アメリカにとっては暴動などのリスクとなりつつあります。

現在の世界を俯瞰すると小さな「都市国家」の隆盛が目立つ。シンガポールや香港など、元気な国家は(香港は国家ではありませんが)、小さな国です。軍事的緊張が少なくなった世界では、防衛に無題な予算や人員を割く必要が無いので、小さな国家は経済効率が高い。仮に、日本から東京が独立したら、やはり世界有数の国家となるでしょう。


■ アメリカを繋ぎ止めているのはドルのメリット ■

南部諸州では毎年の様に連邦からの離脱が議会で審議され、投票の結果、1票差で離脱が避けられていたります。これは、恒例行事の様なもので、南北戦争の名残とも言えます。

カリフォルニア州は国家として独立すれば経済規模は世界で10位以内は確実です。連邦から離脱すれば、人々の生活はもっと豊になるかも知れません。

しかし、このような州が連邦から離脱しないのは「強いドル」の利益が独立に勝るからです。ドルという紙切れは世界中の人々が欲しています。連銀が紙切れを刷るだけで無から富を生み出す打ち出の小槌がある限り、いかに経済力のある州とて連邦から離脱はしない。

・・・いかにトランプ大統領が気に入らなくても・・・。

■ ドルが崩壊したらアメリカはどうなるだろうか ■

ここからは完全に思考シミュレーションですが、仮に何らかの理由でドルの価値が失われたらどうなるでしょうか?連邦からの独立心旺盛な南部諸州や、カリフォルニアの様な経済力のある州は連邦に留まるでしょうか?

農業生産力のある州はドルが無くても困りません。農産物を輸出してお金を稼ぐ事が出来ます。更に、移民を安い労働力として使役しても文句を言うリベラル勢力が居なくなるので、最低賃金を引き下げれば農業経営者は儲けが増えます。

カリフォルニア州なども困らないでしょう。ハイテク技術も有りますし、農業生産力も高い。

一方、北部の工業地帯はかなり困った事になるでしょう。ドルが無くなれば輸入に頼る事が出来なくなります。

ソ連が崩壊した後、ソビエト連邦はロシアと幾つかの国に分解された。仮にドルが崩壊したら、アメリカでも同様な事が起らないとも限りません。ただ、アメリカという国は若く、州によって民族的な偏りがある訳では無いので、歴史的な対立は南北戦争があるだけです。分断の原動力はあくまでも経済的理由になると思われます。

連邦に残って利益があるかどうか。

■ カリフォルニアが国家になったら魅力的? ■

シリコンバレーを抱えるカリフォルニアが国家になったら、かなり魅力的な国家になりでそう。ハリウッドも擁し、観光資源も豊富です。農業の生産も盛ん。シアトルがあるワシントン州辺りとは地理的にも近いので、オレゴン州も含めて「西アメリカ連邦」などを作るかも知れません。

もし、こんな国家が出来たなら、世界から優秀な人材が集まって来ます。イノベーションの機会も拡大します。

■ 大国主義の中国はロシアの成長は限定的? ■

アメリカが無くなったら誰が中国やロシアと対抗するのかという問題は重要です。ただ、中国は少子高齢化が急激に進むので、現在の成長力を維持する事は難しい。ロシアもプーチンが居なくなれば、現在の様な結束を保てるとは思えません。都市国家が隆盛する時代に、中国もロシアも「古い国家」としての性質を残し過ぎています。

アメリカが大国であり続ける理由は中東の石油利権ですが、シェールオイルでアメリカは世界最大の産油国になっていますから、中国やロシアに対抗する理由も薄まっています。中東に拘るロックフェラーの衰退と共に、アメリカの中東への拘りも薄れて行きます。

■ 世界はバラバラになって一つになって行く ■

陰謀論者は「ワンワールド」的な妄想を良く口にします。しかし、アメリカの様なジャイアン国家が存在すると、世界は一つになり難い。ヨーロッパがEUとして纏まるのは、俺様国家が存在しないから。(ドイツは上手く誤魔化しています)

ワンワールドへの通過点としてブロック化が起ると言われていますが、合衆国の解体後に、カナダを含めて北米連合みたいな枠組みが出来るのでは無いか。そして、それが環太平洋連合の様なものに拡大して行く。

世界はそうやって、50年、100年を掛けて「国民国家」という古い呪縛から解放されるのかも知れません。



アメリカが地図から消える・・・・そんな与太話を話す人はあまり居ませんが、そこに何等かのメリットが在るならば、世界の経営者はそれを選択する。

「資本主義の実験国家」アメリカ・・・実験の終焉

2020-06-09 04:17:00 | 時事/金融危機
 

■ アメリカは資本主義の実験国家 ■

陰謀論的にはソビエト連邦は、世界の支配者達が作った社会主義の実験国家とされています。マルクスにロスチャイルドは資金援助していたとも言われています。

世界の支配者にとって、社会や人々を計画的に管理して世界が運営出来るのならば理想的と考えたのでしょう。人々が平等で不満が無い世界は、管理し易い。しかし、社会主義や共産主義は生産性の低下や、汚職の充満によって自壊してしまった。

一方、アメリカはイギリスが作った傀儡国家です。元々は清教徒達が宗教的な新天地を求めて移住した地ですが、多くの国から多くの移民が海を渡り、アメリカの土台を作った。彼らは土着の資本として、会社を作り、ビジネスを拡大させて行きます。

しかし、金融資本家達が仕掛けた1929年のNY株の大暴落によって、土着企業の株式の多くはイギリスを根城にする金融資本家達の傀儡勢力によって買い占められた。当時のアメリカは株式バブルでしたが、その原因は銀行が短期の投資資金を低利で貸し出していたから。その金利を一斉に引き上げる事で大暴落を発生させたのです。

ドルがアメリカの通貨とされたのは1913年12月の連邦準備法の成立によりもすが、この法案には反対者も多かった。当時のアメリカの通貨はヨーロッパでは信用が弱く、強い通貨が求められたという背景は有りますが、連邦の支配強化を嫌う南部諸州の議員を始めとして、連邦準備制法への反発は強かった。この法案によって金融資本家達がドルを支配する事になります。

近年もアメリカは金融市場の実験場となっています。様々な金融商品を生み出し、シカゴ市場は二酸化炭素までも先物で売買する。


■ 行きすぎた資本主義 ■

ソ連の失敗と同様に、今、資本主義の失敗が明らかになりつつあります。

1)巨大化しすぎた資産市場はバブル崩壊を繰り返し、その規模は拡大し続ける
2)グローバルな市場は、生産力の落ちた先進国から資金を吸い上げ先進国の成長を阻害する
3)資金が資産市場に集中すので、実体経済の成長を阻害する
4)「お金がお金を生むシステム」によって貧富の差が拡大する

これらの弊害は、「金利の消失」として観測されます。本来、貸してと借り手を繋ぐ金利は、社会のあちこちに分散して存在する事で、社会に満遍なく資金を循環させる血圧の役割を担います。

しかし、巨大化し過ぎた資産市場と、そのシステムによって、資金は体幹部だけに集中し、末端からどんどん吸い上げられてしまった。当然、経済は末端から壊死します。

共通通貨を用いる事での弊害で、日本でも「円」が用いられる事で、地方の資金は中央に集中します。これをリバランスする為に徴税と財政による再分配が国家の役割となりますが、国家は資本家に支配され、金持ちや大企業の税率は低下し、一方で消費税などの増税によって貧乏人から吸い上げるシステムに変わってしまいました。

さらには、タックスヘブンによって税金を納めない企業や個人まで現れると、徴税と再分配の基本構造までが脅かされる事になります。

この現象は世界全体で同時進行しており、金融市場の恩恵に浴していると思われる新興国や途上国も、そのシステムによって利益を吸い上げられています。


■ 納税の義務を逃れ、政府の全て押し付ける ■

資本家達にとって必要なのは「安い労働力」と「安い税金」です。彼らは安い労働力を求めて新興国や途上国に投資し、税金の安い国やタックスヘブンに本社を置こうとします。既にグローバル企業の多くが「国家と税金という鎖」から解放された存在です。

一方で、先進国の多くの政府が「負担」だけを押し付けられています。暫くは貧乏人から徴税して、さらに貧乏人に分配する事で「維持」されて来ましたが、これもやがて限界を迎えます。少子高齢化が進行する多くの先進国で、これは継続不可能になるからです。

そこで俄かに注目されるがの、MMTに代表される「政府の借金は国民の資産」や「統一政府において国の借金は無限に拡大出来る」という考え方です。

これまで、中央銀行や財務省は財政バランスを重視し、インフレ抑止の為に大規模な財政拡大に否定的でした。麻生財務大臣も、無秩序な財政拡大を牽制していた。しかし、麻生氏の最新の発言は財政拡大を容認するものです。コロナ禍によってインフレは極端に抑制され、金利は上昇出来ないのだから財政拡大余力は大きいと言い出した。これは正し発言であると同時に、数年前から話題になっているシムズ理論やMMTに呼応する発言とも言えます。

「金利がゼロならば、財政はいくらでも拡大出来る」というのがコロナ後のニューノーマルとして確立しそうですが、これによってほくそ笑むのは徴税を逃れたグローバル企業や資産家です。

「財政がいくらでも拡大出来るのならば、負担は政府の丸投げだ!!」

■ アメリカはスタグフレーションになる ■

「負担丸投げ」の実験は日本で始まり、世界中に広がりつつあります。ここで注目すべきはトップランナーの日本では無く、資本主義の実験場たるアメリカでしょう。

アメリカ国債は自国通貨建てですから、金利がゼロならば幾らでも発行可能です。しかし、金利がゼロの米国債を誰が欲しがるでしょうか・・・。少なくとも魅了的な投資先とは思えません。

確かに金利がゼロの日本国債やドイツ国債にも買い手は居ます。それは日銀がもっと高い額で国債を買い取るからであり、ECBがマイナス金利で資金を貸し付けるからです。

米国債金利は10年債で0.87%まで低下しています。コロナ前までは2%程度は維持していたので、これはアメリカとしては異常です。コロナによる景気悪化を先取りしている数字とも言えますが、アメリカ国債もゼロ金利に向かいつつあります。

日本やドイツでもマイナス金利の深堀は出来ないので、各国の国債金利はゼロ近傍で殆ど差が無くなります。こうなると、為替差損を考えると、米国債の魅力は全く無くなります。これによってドルに次ぐ流動性を誇る米国債の流動性が枯渇します。買ってくれるのはFRBのみになる。これは米国債の日本国債化です。

ゼロ金利国債はMMT的には理想的ですが、「資産としての米国債の魅力」を失わせます。これは米国債と表裏一体のドルの価値にも影響します。そんな状況でもコロナ対策で米国債もドルも増え続けるのですから、ドルの価値に疑問が持たれない方がオカシイ。

仮にドルが下落に転じると、輸入大国のアメリカではインフレ率が跳ね上がります。FRBは国債金利を強引にゼロ近傍にペッグする必要が有りますから、米国債を無制限に買い入れる必要が有る。(今でもそうですが・・・)

こうなると、ドル安によるインフレスパイラルが止められなくなります。不景気なのに物価が上昇する・・・・。これ、スタグフレーションです。そして、通貨価値が棄損した事による悪性インフレでも有ります。

■ アメリカで大規模な暴動が発生する ■

今回は警察官による黒人殺害が暴動の発端となったアメリカですが、今後、失業率が上層する中でインフレが発生したら、貧困層の生活は破壊されます。

トランプが大統領で居る間は「分断」は解消しない(あるいはトランプが分断を煽り続ける)ので、必ずや貧困層の暴動は再び発生し、その規模は拡大します。こうなると州兵では手に追えず、連邦陸軍を米国内に展開する様にトランプは求めますが、これには軍の反発も強い。仮に銃撃戦になった場合、自国国民に軍は銃を向けられません。

そうしている内にも暴動や略奪はエスカレートし、リベラル諸州はトランプの退陣か、連邦からの離脱の二択をトランプに迫るのでしょう。そして、トランプは絶対に退陣せず、暴動や略奪をする者達を糾弾し続け、一部の白人がこれを支持し、最悪は市民同士で内乱に発展する。


■ 資本主義の失敗の墓標となるであろうアメリカ ■

ダボス会議ではありませんが、世界は資本主義の行き詰まり(失敗)に突き当たっており「グレート・リセット」が求められています。

「グレート・リセット」を、現在の経済システムの恩恵に最大限浴しているアメリカが認める訳が無く、アメリカが抵抗勢力となります。しかし、資本主義の実験国家たるアメリカが邪魔となるならば、世界の経営者はこれを破壊する事も辞さない。強固に見えるアメリカは、世界最大のモザイク国家なので、内部からの圧力に弱い。


ソ連が社会主義の墓標となった様に、アメリカが資本主義の墓標として、地図から国名が消える・・・・そんなバカげた事があるか・・・あるかも知れないから世界は面白い。



・・・貧乏人の私達もも、世界のジャイアンたるアメリカの泣きっ面を妄想する自由だけは持っています。妄想ですから。





「グレート・リセット」・・・今年のダボス会議の不気味なテーマ

2020-06-05 04:10:00 | 時事/金融危機
 

■ 今年のダボス会議のテーマは「グレート・リセット」 ■

<6月3日 日経新聞 ネット版より引用>

世界経済フォーラム(WEF)は3日、2021年1月に開催する年次総会(ダボス会議)のテーマを「グレート・リセット」にすると発表した。世界的な新型コロナウイルスの感染が広がるなか、資本主義を軸とする既存の体制には不備も目立つ。どんなふうに立て直していけばいいのか。WEFを創設したクラウス・シュワブ会長に聞いた。

<引用終わり>


以前は「ダボス会議」も「ビルダーバーグ会議」も秘密会議でした。その存在を知る一部の人が「世界の有力者達がダボスやビルダーバーグに集って秘密の会議を開いている」と語ると、陰謀論者のレッテルを貼られました。それが今では新聞やTVニュースで報道される様になりました。

米ソ冷戦の期間でも両国の高官はこれらの会議で顔を合わせていたと言われ、陰謀論者にしてみれば、これらの会議は「世界ってこんなモンなんだよ」と語るには便利でした。

そのダボス会議の今年のテーマは『(資本主義の)グレート・リセット』。



1971年からダボス会議を主催して来た経済学者クラウス・シュワブ氏はこう語っています。

「第二次世界大戦後から続くシステムは異なる立場のひとを包み込めず、環境破壊も引き起こしている。持続性に乏しく、もはや時代遅れ」「資本主義という表現はもはや適切ではない。金融緩和でマネーがあふれ資本の意味は薄れた。いまや、成功を導くのはイノベーションを起こす起業家精神や才能」

そして、コロナ後の世界についてこう語っています。

シュワブ氏は、2021年の年次会議のテーマを「資本主義のグレート・リセット」にすると述べた。パンデミックにより、インフラ、ヘルスケア、社会保障システムをおざなりにしていた「古いシステム」の欠陥が明らかになったためという。
シュワブ氏は「今と同じことを続ければ、反乱が起きるだろう」と述べた。




■ 資本主義の限界 ■

シュワブ氏が「資本主義の限界」について語った事で、コロナを巡る世界中の「過剰で不自然な対応」が何を目的といているのか、陰謀論的には合点がいきます。そして、アメリカの暴動も「予定されていたもの」と妄想出来ます。

かつて「理想の社会」と思われていた社会主義は、非効率と腐敗と恐怖によって崩壊します。一方、勝者と思われていた資本主義も、リーマンショック以降、システムとしての欠陥が目立つ様になった。

資本主義の限界は「金利がゼロ」になる事で、実体経済が麻痺する現象として現れています。金利は実体経済に資金を行き渡らせて経済を発展させる血圧の様な働きをしますが、これがゼロになる事で、経済は末端から壊死を始めます。日本の地方経済を見れば一目稜線です。


■ 金融緩和というカンフルは「格差」を拡大して社会を不安定にする ■

資本主義経済は実はオイルショックの頃から機能不全の兆候を示していました。オイルショックによって、先進国は不景気とインフレが同時に進行するスタグフレーションに陥った。不景気を解消する為に財政を拡大するとインフレも拡大するという悪循環でケインズ経済学の限界が露呈します。

そこで1980年代にレーガンやサッチャーが登場し、「新自由主義」的政策を取り始めます。財政出動に頼るのでは無く、中央銀行の金融政策によって経済を活性化させる。同時に金融市場の改革が始まります。「債券の証券化」など投資の環境が急速に整備されます。

ところが、「マネタリズム」的な金融政策は直ぐにその欠点を露わにします。それは「バブル崩壊を繰り返す」事です。金融市場の投資によって実体経済に資金供給をするという目的が充分に果たされる前に、市場はバブル化して崩壊し、安定的な成長を阻害する。

ほぼ10年周期でバブルが崩壊する度に、中央銀行は金利を下げて来ました。そして、金利がゼロに貼り付くと、量的緩和で強引の市場に資金を供給し始めます。

こうして、金融市場は実体経済を遥かに凌ぐ大きさに拡大し、実体経済が必用とする資金までも投機的な取引の燃料として吸い上げ始めます。本来ならば地域経済を活性化させる為に必要な資金が、金利というエサによって金融市場に吸い取らて行ったのです。結果的に経済効率の低い地域(金利の低下した地域)から世界は衰退を始めます。そして、それは先進国全てに広がって行った。

本来、地域経済の活性によって生み出される雇用が消失し、労働力が過剰供給となった為に賃金もどんどん低下して行きます。一方で、資産を持つ人達は投資によって「お金がお金を生む」恩恵に浴します。

こうして、世界中で格差はどんどん拡大し、アメリカを見るまでも無く、「持たざる者の不満」が社会を崩壊させつつある。


■ コロナショックのドサクサで実行される「ニューノーマル」の実験 ■

シュワブ氏だけで無く、聡明な経済学者や政治家、そして中央銀行も「資本主義の限界」に自覚的でしょう。

日本はゼロ金利に世界で最初に到達した国ですが、日銀の異次元緩和は事実上の財政ファイナンスですから、世界で最初に「ニュー・ノーマル」の実験をしていたとも言えます。

異次元緩和によて得られた答えは、「均衡は保てるが、成長は出来ない」というもの。財政ファイナンスで警戒すべきはインフレによる金利上層ですが、少子高齢化の日本ですら、為替の下落によるコストプッシュインフレが発生し、財務省は消費税増税によってこれを抑え込みます。結果として、経済は悪化しました。

この様に「財政ファイナンス」的な政策は、自由な為替市場を持つ世界では通貨安を引き起こすので、生活物資を輸入に頼る国ではコストプッシュインフレを起こす可能性が高い。これでは「隠れ財政ファイナンス」の継続は不安定となります。

そこで、コロナショックのドサクサに紛れて世界の多くの国が、こっそり「日本化」を達成して「隠れ財政ファイナンス」に突入します。大量の国債を発行し、中央銀行がこれを市場から吸収して資金を配る。コロナによって経済成長率は大きく低下していますからインフレの心配は要らず、各国が等しく財政を拡大し、通貨を増やすので為替にも大きな変動は起こりません。


■ 邪魔な金融市場をブッ壊す=グレート・リセット ■

各国が財政を拡大してお金を国民に配っても、余剰資金の多くは消費には向かわず資産市場に吸収されるでしょう。日本の高齢者も配られた10万円を貯蓄に回す人がおおいはずです。

将来の生活に不安を抱えた社会では、「お金を貯める」「「お金を増やす」というインセンティブが働き、資金は自体経済を刺激する事無く、資産市場に吸い上げられて行きます。

先進国は同様の悩みを抱えています。(アメリカ以外)

ではどうすれば良いか・・・簡単です。アメリカと巨大化し過ぎた資産市場をぶっ壊せば良いのです。

『グレート・リセット』でリセットされるのは、「アメリカを中心とした現在の資産市場」だと私は妄想しています。

■ MMT的政策に資産市場は邪魔な存在 ■

資本主義は限界に達しましたが、その次の経済や社会の構造は未だ不明です。少なくとも社会主義が台頭する事は有りません。

昔なら「世界大戦」によって人口と生産設備を破壊すれば、世界は次の成長軌道に乗れた。そして、戦争はイノベーションをもたらしました。

しかし、現在では「戦争によるグレート・リセット」は禁じ手です。核兵器や高い破壊能力を有する数々の兵器でオーバーキルとなってしまうからです。

楽観的な人達は「AI化や自動化が人々を労働から解放する」と言いますが、それはかなり先の話です。それまでの間、社会の混乱を最小限にして人々を飢えから救うには、どうしても財政拡大によって社会を支える必要が有ります。

MMTが注目されるのは、「失業者の群れで溢れ返る近未来」が予測されるからで、既にコロナショックでそれは「確定した未来」となりつつあります。

コロナ後の暫くの間は、世界が「日本化」して、財政ファイナンスによって国民を飢えから救うしか手立ては有りません。但し、インフレやバブルが障害になるので、為替市場の変動を抑え、資産市場のバブルを抑え込む事が重要です。そして、格差の是正も必要になる・・。


・・・・何となく「リセット」の内容が見えて来ました。


1) 資産市場の徹底的破壊・・・・格差の是正(金持ちや金満国家がお金を失う)
2) 固定相場的な新たな通貨体制・・・新しい基軸通貨と各国通貨の緩やかなペッグ体制
3) 紙幣の廃止・・・マイナス金利が掛けられる電子マネーの導入(税金として機能)
4) 年金や生活保護などをベーシックインカムに統合


とっても「温い社会」が出来上がりそうですが、「リセット=フラット化」と捉えるならば、行き過ぎた資本主義が生み出した「格差」を「フラット化」して、新しい成長を生み出すと考える事も可能です。

人間のDNAの中に「人より豊になりたい」という根源的な欲求が有るならば、「リセット=フラット化」が次の成長の原動力になるのでは無いか。そして、それは「等しい貧しさ」からスタートする・・・・・。戦後がそうであった様に・・・・。



本日は貧乏人のルサンチマンを垂れ流してしまいした・・・。「弾ぜろバブル、弾ぜろ金持ち!!」







アメリカのカントリーリスク・・・暴動と連邦離脱

2020-06-04 02:09:00 | 時事/金融危機
 

■ アメリカのカントリーリスク ■

私はリーマンショック後からずっと、「アメリカのカントリーリスクは暴動」と書いて来ました。貧富の差が極限まで広がり、人種差別問題を抱えるアメリカは暴動が起こり易い。特に最近は「略奪の為の暴動」や「破壊の為の暴動」が目立ちます。

トランプ大統領は「アンティファ」(アンチ・ファシスト)をテロ組織認定して取り締まると発表していますが、実はアンティファには実体が無い。

SNSで「〇〇を襲撃」みたいな書き込みがされ、それを見たメンバー?が、リツイートせずに現場に三々五々集まって来ます。そして襲撃終了後には、警察の到着前に、現場から個々に立ち去る。

この様な「襲撃」を繰り返す組織?には「ブラック・ロック」という集団も居る様ですが、彼らの行動はアンティファよりも過激で、思想など無く、破壊衝動を解消する為に襲撃を繰り返しています。

■ 平和なデモと、それを利用した破壊 ■

アメリカでは近年、度々暴動が起きていますが、平和的なデモと暴動は分けて見る必要が有ります。

1) 平和的なデモ

   犠牲者に追悼の意を表し、非暴力で抗議の意思を表す人々。今回は黒人のみならず多くの
   白人の若者達がデモや座り込みに参加していますが、その殆どがこれに相当します。

2) 略奪目的

   今回の様なデモばかりでは無く、スーパボールのドンちゃん騒ぎなどでも出没し、
   商店などのウィンドウを壊して侵入して、商品を略奪する人達。

3) 破壊目的

   「アンティファ」や「ブラック・ロック」などがこれに相当し、混乱に乗じて
    パトカーをひっくり返したり、警察署などに放火をする。



■ 「アンティファ」や「ブラック・ロック」の背後に気を付けろ ■

略奪目的の暴徒は貧乏人です。彼らは、生活の為に略奪を働く。

一方、破壊行動を目的としたアンティファやブラック・ロックは厄介な存在です。多くのメンバーは若者特有の破壊衝動を満たす為にSNSの呼びかけで集まる「にわか」に過ぎません。

ただ、中には「プロの活動家」が存在している事は確かでしょう。彼らの目的は何か・・・・。本気で「革命」を目指す訳でも、「アナーキストの国家」の樹立(矛盾していますが)を目指す訳でも無い。

「アンティファ」は「反トランプ」の集団と考えても差し支え無いでしょう。トランプ支持者の集会で生卵を投げつけたり、トランプ支持者をボコ殴りにしたり、彼らは「反トランプ」がエスカレートした存在です。

では、彼らの背後に居るのは民主党支持者やトランプと敵対する勢力なのか・・・・。私の勘はこう囁いています。

「トランプとアンティファは1セット」


■ トランプの仕込み? ■

今回の暴動でもトランプ大統領は暴動を扇動する様な発言を敢えて繰り返しています。これはトランプのキャラだから多めに見られていますが、本来、大国の大統領としてはあってはならない言動です。

ただ、トランプの攻撃の矛先は、「略奪や破壊を繰り返す者達」であって、平和的なデモの参加者では無い。トランプはアンティファの背後に民主党が居る事を匂わせて、選挙で有利になる様に仕向けています(表面上は)。「アンティファを背後で操る民主党はケシカラン」というスリカエです。この場合はトランプの「自作自演」が疑われます。


■ 国家の分断を狙っている ■

もう一つ、トランプとアンティファの関係で疑われるのは「アメリカ国民の分断」です。トランプが過激な言動をすればする程、アンティファなどの破壊勢力は行動を活発化させます。これはトランプ支持の過激な人達を刺激します。

私はトランプの登場当初より、彼のミッションはアメリカを壊す事では無いかと妄想しています。アメリカが悲惨な状況になっても「トランプだから仕方ない」と思わせる為です。

仮に、トランプ支持する過激な人々と、アンティファの対立が激化して、発砲事件などが多発した様な場合、本来、大統領は双方を非難し、沈静化を図る。

しかし、トランプならば「アンティファのヤツラはケシカラン。俺の支持者を攻撃する事は断じて許す事は出来ない」などと不公平な発言をして、良識的な反トランプ派をも過激化させる可能性が高い。反トランプの人達が平和的な反トランプデモを行い、それをアンティファが襲撃したり、銃撃したらどうなるか・・・。現在でもアメリカを二分するトランプ派と反トランプ派の対立は埋めがたいものになるでしょう。

各地でトランプの弾劾を求めるデモが発生し、をれを州軍や、場合によっては連邦陸軍が取り締まる事態になった時、カルフォルニアなどリベラルな諸州は、トランプとの対立を先鋭化させるでしょう。

カリフォルニア州知事は、「連邦陸軍がカリフォルニアに展開するならば、カリフォルニアは合衆国から離脱する」と。幾つかの州はこれに続くかも知れません。

カリフォルニアは連邦を独立しても、GDPは世界10位に入る国家となります。離脱した諸州と連邦を組めば、充分な大国が出現します。

■ 二つに分断されたアメリカを見て、ドルや米国債が無事で居られる訳が無い ■

仮に、トランプ支持者と反トランプ派の対立が先鋭化して、米国内で軽い内戦状態が発生した場合、ドルも米国債も無事では居られません。暴落する可能性が高い。

こうなるとドルの負債を連保政府に押し付けて独立する州が増えるはずです。赤字を拡大し続ける連邦政府とは対照的に、アメリカの各州の財政は健全だからです。

こうして、地図上から「合衆国」が消えた時、米国債は誰が償還するのか・・・・。


ドル基軸体制は中々崩れませんが、内部からの攻撃には以外に弱い。「ショックドクトリン」という意味では、10年掛けて通貨システムを変えて行くより、手っ取り早いのでは無いか・・・。

トランプという異例の大統領の存在は、「合衆国の破壊」の為に作られてたのでは無いか?コロナ禍や、全米での暴動など、陰謀論がリアルになって行く昨今、こんなバカげた妄想も、あながち全くの妄想とは言えないのでは無いか・・・。

かつてアメリカと双極を成した大国「ソ連」は一瞬にして瓦解しまいた。社会主義の実験国家は、実験の修了と共に不要になったのです。

では資本主義の実験国家はどこか・・・「アメリカ」です。「行き過ぎた資本主義は貧富の差が拡大して暴動によって滅びる」と言ったのはマルクスだったか・・・。これが「予言」では無く「プラン」だとしたら。



本日は陰謀論が大好きな読者の方々に、心ばかりのプレゼント。