今年どんどん新作が公開されていく絶好調の黒沢清監督作品。今回は菅田将暉を主演に迎えて挑むサスペンススリラー。ただ前回の『蛇の道』が残念な一作だっただけに期待と不安を抱いて見る。評判はいいみたいだし、今年のアカデミー賞日本代表にも選ばれたらしい。だけど、これは完敗である。今回もまた、まるで不完全燃焼。一体なんだったのだろうか。これは。前半部分は転売ヤーの話で、何があるというわけではないけど異様な緊張 . . . 本文を読む
下町を舞台にした人情劇かと思って読み始めたら、なんだかよくわからないサイキックもので、確かにタイトル通りのお話だよな、と納得する。中学1年の女の子と近所に住む友おじさん(実の叔父です、と書こうとしたけど、最初の部分を見返してみるとただの近所の知り合いのおじさんだった)が、不思議な出来事に遭遇してそれと向き合う。彼女には霊感があり、見えないものが見えてしまう。母と離婚した父が魔性の若いきれいすぎる女 . . . 本文を読む
相変わらずかわいい小説を書くのが今の中村航だ。今回は1984年末4月の男女と2024年4月の男女のお話。この別々の時間を過ごす別々のふたりたちが文通とラジオ番組を通して通じていく、という話だ。ふたつの時間が交互に描かれていくが、混じり合うことはない。4月の1週から始まって2週目に続く。穏やかに時間は過ぎていく。
そして運命の8月18日を迎える。と言っても、たいしたことではない。ラジオ番組を通して . . . 本文を読む