昨年10月日本でも異例の大ヒットとなったインド映画の超大作。なんとまさかの大ロングランでいまだにロードショー公開中。知り合いがみんな大絶賛してるけど、僕はまるで問題視してなかった。だけど、食わず嫌いで凄いものを見逃すことになるのもなぁ、と思い勇気を出してえいやぁと見に行く。
だがやはり正直言って、僕が見る必要はなかった。S・S・ラージャマウリ監督作品。以前『バーフバリ』を見ている . . . 本文を読む
前作もそうだったけれど、主人公の三歩はあまりにマイペースで、ドジ過ぎて、さすがにイラっとさせられる。三年も働いていたらもう少し成長してくれよ、と同じくらいマヌケな僕だってそう思う。彼女は正採用の大学図書館の司書だから、それなりには能力があるはずだけど、こんな奴をよく雇ったな、と人事の能力まで疑ってしまうくらいにイライラさせられる女なのである。
これはそんな彼女の日常を描く連作。12のエピソード . . . 本文を読む
なんて心優しい世界だろうか。死んでいくものをこんなふうに見守ってくれるってなんだかホッとする。主人公は50代、ひとりぼっちの女性。長年勤めた印刷会社が廃業し、職を失うことになる。この先どうなるのか、わからない。死にかけていた子猫を拾ってくる。
序章を読み終えた時、『フランダースの犬』を思い出した。ネロの死もこんなふうだったんだと思ってしまう。パトラッシュとふたり連れ立って旅に出たはず。序章のラス . . . 本文を読む
これは竹中直人監督10作目の節目となる映画だ。デビュー作『無能の人』に続く漫画家を主人公にした作品。今まですべての映画を公開時に劇場で見てきた。いつも映画愛に感じさせられる作品ばかりで好きなのだが、ここまであの1作目を超える映画はなかった。だからこそ今回期待は高まる。
だがなかなかエンジンがかからない。見ていてもどかしい。消化不良。だんだんイライラしてくる始末だ。これはこんな映画なのだとわかって . . . 本文を読む
大阪ではレイトショーで1週間のみの限定上映。どうしようかと思ったけど、無理して見に行くことにした。なんか怖いけど面白そうなのでチャレンジしてみたのだ。でも失敗。残念な映画だった。無駄な時間だった。悔しい。発想の面白さを活かしきれない。思いつきの域を出てない。「まだ存在しない映画の予告編」を審査する映像コンテスト「未完成映画予告編大賞 MI-CAN3.5 復活祭」の最優秀作品を映画化した作品だから思 . . . 本文を読む
妻の体調不良からピンチヒッターとして見に行くことになった一作。今年の大阪アジアン映画祭は3本見る予定だったが、これも含めて結局は6本になった。なかなかよく見た。これが最後の1本。高校の卒業式の夜。悪夢のような一夜のお話。
前半はかなりドキドキした。だが、三部構成の2部までは面白かったのに、最後で転けてしまう残念な一作。『あの頃、君を追いかけた』(2011)でブレイクした俳優クー・チェンドンの監督 . . . 本文を読む
これは今から35年以上も前のドキュメンタリー映画だ。ようやく見ることが叶った。しかもフィルム上映である。こんな貴重な機会を設けてくれた国立国際美術館「中之島映像劇場」に感謝。
今これを見ると、まるでワンダーランドに迷い込んだ気分にさせられる。当時の風景がそれだけで今では不思議な世界。ほんの30数年前のことなのに。認知症の老人ホームが舞台だ。そこで暮らす人たちと彼らを介護する人たちの姿を追う。彼ら . . . 本文を読む
猟奇的ピンクの解散公演。ウイングで初めて見た作品がとてもいい感じだった。だから一昨年のウイングカップの作品も楽しみだった。本番は見れなかったけど、ゲネプロを見せてもらって、大満足した。ということで今回3回目となる。毎回まるで違うアプローチで新鮮すぎる芝居を提示してくれる。
今回は最後なのに、前回とは違いおとなしい静かな芝居だった。だが、今までで一番いい作品だった気がする。彼らは確実に進化している . . . 本文を読む
今回の大阪アジアン映画祭のハイライト。期待通りの作品だった。少し甘めだが、このくらいが内容ともマッチしてほどよい。そして何より一番大事な監督自身の母への感謝がしっかり伝わってくるのがいい。もちろんそれは個人的なものではなく、誰にも通じる想いだ。監督はフー・ティエンユー。
彼女は3人の子どもたちを立派に育て上げ、今も町の人たちから慕われる街角の理髪店主。地域の人たちは散髪はいつもここでしてもらう。 . . . 本文を読む
久しぶりに見た胸キュン高校生少女漫画映画。ヒロインの友人の2人の女の子たちがいい。こんなにも優しい友だちの包まれて彼女は幸せだ。3人を取り囲む男子も3人。主役は一応Snow Manのラウール演じる金髪男子(と宣伝上はなっている)だが、実質は吉川愛演じる女の子のほうだ。そしてここには悪い人がいない。夢のような世界のお話だ。まぁ、最初は彼女をイジメるバカ女たちが出てくるけど、すぐにラウールが撃退して、 . . . 本文を読む
『雨がバケツを叩く』に続いて見たこの2本も面白かった。今日はなんだかとても得をした。今回の3作品は大阪アジアン映画祭の一環として上映されたけど、何故かこれだけ無料上映。芳泉文化財団の映像研究助成によって作られた作品らしい。ただより安いものはないと、見に行ったんだけど実はかなり不安だった。わざわざ行ってくだらない学生の自己満映画を見せられるのでは時間のムダ。でもタダなら文句は言えないしなぁと、思いな . . . 本文を読む
これはある夏の日のスケッチだ。孤独な少女がひとりで過ごす夏休み。友だちもいないのだろう。縁側に出て、座り込み庭を見ながらスケッチをしている。通りがかった喪服の老女がおせっかいにも声を掛けてくるが、「知らない人と話すのは父親から禁止されている」と言い、それ以上の返事をしない。なんだか真面目すぎて心配になるくらいだ。母親は亡くなった。だから父とふたり暮らし。家事はすべて自分でする。昼も晩ご飯もちゃんと . . . 本文を読む
東出昌大が今回もまた素晴らしい。不倫後の最近の彼は目覚ましい。大作商業映画ではなくミニマムな映画で主役を張り、大活躍。特に『天中の花』の三好達治。押さえた芝居と感情を爆発させるシーンのバランスが絶品だった。そして今回は終始ぼんやりしている天才をなんと18キロの増量で演じており見事。しかも主役だけど弁護士役の三浦貴大の脇に周り飄々とwinnyを開発した男を演じている。
映画は2時間7分、単調な会話 . . . 本文を読む
よくあるアメリカ映画によるリメイク版。原作はスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』。昨年の『コーダ 愛のうた』もリメイクだった。あれがアカデミー賞ならこれだってアカデミー賞主演男優賞、作品賞を取ったっていいじゃないか、と思うくらいにアメリカ映画らしい映画で、オリジナルより完成度も高い。監督は『プーと大人になった僕』のマーク・フォースター。映画は確かにいささか甘い目だが、納得のいく傑作だ。もちろんト . . . 本文を読む
これは昨年夏、大ヒットしてつい先日まで(なんと10ケ月のロングラン)ロードショー公開されていた映画だ。空前絶後のこのヒット作がもうプライムビデオで配信された。僕はこれだけたくさんの映画を見ているのに、しかもここ最近の『ワンピース』はずっと劇場で見ていたのに、なぜか今回は(たまたま)劇場で見ることがなかった。タイミングを失した。公開時、すぐに見ていた娘たちからいろいろ感想を聞いていたけどなんとなく見 . . . 本文を読む