アイリッシュ・バーでポーター・スタウトを飲む屈強な男達。
その中に、アメリカからこの故郷アイルランドに帰ってきた男ジョン・ウエイン。
つまらない、言いがかりから凄まじい殴り合いになる。
殴り合って殴り合って男達はアイルランド人の血を認め合う。
そんな映画がジョン・フォード監督の「静かなる男」。
後の、高倉健の映画の原点のようなものだ。
アイルランドといえば、ギネスに代表されるスタウト・ビール。
そのスタウト・ビールをアイルランドでは、ポーター・ビールと呼んだ。
実際、荷運び人たちが飲んだ庶民のビールだ。
アイルランド人の血に合うビールである。
そのポーター・ビールでチーズを洗いながら熟成させたものが、アイリッシュ・ポーターというチーズ。
ビールがチーズに染みこみモザイクのようになっている。
見た目より味わいは、まろやかで風味が豊かだ。
パルミジャーノのような熟成した風味にビールの香りがほんのりと加わり、香ばしさを感じさせる。
一瞬、マロン・グラッセのような味わいも感じた。
静かなる男のような、強さと優しさをもった「アイリッシュ・ポーター」、アイルランド人だけでなく、EU離脱のイギリス人の気概も感じるチーズ。
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