ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

パスタの物語~季節野菜のスパゲッティ/トマト味

2021年03月04日 | パスタの話

例年、3月はクアトロ開店記念企画が開催されていた。
しかし、今年はこのコロナ禍で緊急事態宣言も延期となって企画は中止。
クアトロの開店記念企画は、10年前も東日本大震災のため中止だった。
しかたのないことだ。
今年はリモートでクアトロのパスタを味わってみよう。
まずは、クアトロの売上ナンバーワンの「季節野菜のスパゲッティ/トマト味」。
このパスタはたくさんの野菜がトマトソースに煮込まれたボリュームたっぷりのスパゲッティだ。
その盛り付けには、何気ないようで同じ色の野菜が並ばないように工夫されていることに気付くだろうか。
10種類以上の野菜が入っているというが、嘘偽りがないかは食べ進みながら探ってみよう。
フォークにスパゲッティを巻き付け、一緒に絡んできた野菜をランダムに食べていく。
一口大になっている野菜が順番に掘り出されていく。
ズッキーニ、インゲン、カボチャ、赤パブリカ、黄パプリカ、ニンジン、ホウレン草、オクラ、カブ、オニオン、・・・、大地の恵みをトマトソースの中から掘り出しているという表現が適切のように思える。
ひとつとして煮崩れした野菜が無いと云う声も聞こえる。
クアトロのママの仕込の技だろう。
このように食べ進んでいくと、野菜の名前を確認し、その数を数えることの無意味さを感じるだろう。
そして気づくことがあるようだ。
野菜の美味しさもさることながら、そのそれぞれの野菜の旨味がトマトソースの中に渾然と一体となって調和していることだ。
控えめに加わっているパンチェッタ(生ベーコン)の脂がそれぞれの野菜の旨味を取りまとめているのだろうか。
スパゲッティにからめつつ食べるこのソースの味わいこそが、このスパゲッティの本質である。
素材の旨味が乳化したトマトソースの色あいは、明るいオレンジ色をしている。
食べ終わったお皿の底にも、キラキラ光るオレンジ色のソースを見て取れる。
食べ終わったあなたの瞳も、キラキラと光る。
と、クアトロで食べたつもり。


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