クアトロのランチタイムはアラサーの女子会が多い。
この女子会では、「かわいいー」という表現がよく使われるが、色々な意味を含んでいる。
クアトロのランチサービスのサラダが運ばれてくる。
「このサラダかわいいー」
(ちょっと量が少なくないという意味だ)
友達が注文したパスタが運ばれてくる。
「あらあなたのパスタ、かわいいー」
(そっちのパスタにすれば良かったかしらという意味だ)
自分の注文したパスタが運ばれてくる。
「やっぱこれ、かわいいー」
(自分の選択を信じようとする意味だ)
となりのテーブルにカニを一杯丸ごと使った信じられないほど豪華なパスタが運ばれる。
「うっそー、かわいい」
(かわいいとは云えない大きなカニだが、もう何でもかわいい)
食後のデザートが運ばれてくる。
「すごーくかわいいー」
(300円の割には豪華だという意味だ)
最後に食事の印象を話し合う。
「どれもかわいいー」
(どれも美味しかったという最上の褒め言葉だ)
「ついでに、クアトロの父もかわいいー」
(ついででも、かわいくないクアトロの父だ)
※女子にも男子にもおすすめ
網走産ズワイガニのスパゲッティ(2人前)¥3200
梅雨が明けたとたんに猛暑である。
首にタオルを巻いて今日はそこら中の大掃除だった。
そこら中とはどこかと云うと自宅と店の掃除だ。梅雨時に掃除をしても仕方がないと棚上げにしてきた分、今日は汗だくだった。
ついでではあるが、クアトロの自宅のワインセラーも掃除した。
そこら中にのカビがついて掃除も大変だった。
そもそも、美味しいワインが出来るためには、原料のブドウの質が大事である。良いブドウが出来るためには、充分な太陽の恵み、一日の温度差が多いこと、カビが付かないように湿度が低いことがの3点が重要だ。
出来上がったワインを保存するためには、逆の条件を求められる。暗くて、湿度があり、温度差が少ないという3点が重要だ。
クアトロ家のワインセラーを作るときに、この点を考慮した。階段下の半地下をセラーに当てた。地下は温度差が少なく、湿度が高い。さらに工業用のクーラーを設置し、設定した温度にたいしての温度差を少なく保つ工夫をした。そしてワインのボトルに直接冷気が当たらない場所に機会を付ける。
そんなクアトロの父の自慢のワインセラーを大掃除したのだが、掃除をしながら新たな問題が浮上した。
在庫が少ない。これは重要な問題である。早速、対処する予定である。
クアトロの父のようなワイン通ぶった人間は、シャブリとか聞くとあまりいい顔をしない。シャブリと牡蠣は最高の組み合わせだとか云うが、あの酸味のきついシャブリは消毒効果で牡蠣と相性が良いのだろうなどと陰口をたたくものだ。
このようなワイン通ぶった人間は美味しいシャブリに巡り会っていないだけである。事実としてシャブリの中で優良なものに巡り会う確率が低いのである。しかしワインにもう少し精通すれば、優良なシャブリも探せるのであろう。
クアトロに新着のシャブリがやって来た。ドメーヌ・ジャン・コレのシャブリだ。歴史のある作り手だが、現在のこの作り手は全て自家農園のブドウを自家醸造し家族で運営している。自分たちの目の届く範囲で、自分たちの納得した作り方でワインを作る。
他人の畑のブドウは買わない、他人にブドウは売らない、畑ごとのブドウの個性に合った醸造をする。これが、このドメーヌのモットーだと云う。
シャブリらしいミネラル感とともに果実味を残したこのシャブリに、今までのシャブリに対するイメージを一新したクアトロの父である。
※今日の狂四郎
今朝は、いつもの寝床に狂四郎がいなかった。狂四郎の寝床は狂四郎の形に芝が窪んでいる。狂四郎は元気だろうかと心配するクアトロの父である。
※明日のクアトロ
明日のクアトロは水曜定休とは別の月一度のお休みになります。
14日(火)15日(水)連休ということになります。
自宅からクアトロまで歩いて5分くらいである。
朝、自宅からクアトロに向かう途中、一軒の家の門の脇でいつも気持ちよさそうに寝ている犬がいる。クアトロの父はその犬を狂四郎と呼んでいる。眠狂四郎である。
門の脇で寝ているだけで用心棒が務まるのだから幸せな犬だと、この家の前を通り過ぎるたびに妬んでいるクアトロの父だ。
たまに、昼過ぎにこの犬が主人に連れられてクアトロの前を通り過ぎる。主人の後をとぼとぼと付いて歩いている。しかたなく散歩に付き合っていると言いたげな足取りである。
ある日、クアトロの前を通り過ぎた狂四郎がクアトロの父の方に振り向いた。その片目は、緑内障なのか視力を失っていた。かなりの老犬なのだろう。
毎朝、寝ているだけでうらやましい犬だと思ったことを後悔した。犬にもそれぞれの歴史があるのだろう。
今朝も、狂四郎は門の脇でうたた寝をしながら門番を務めている。狂四郎こそ、腕利きの用心棒である。
クアトロの父も、ときおりぼけっとしているが、それなりの歴史があるのである。
そのクアトロの父おすすめのアルザス・ワイン「ルシアン・アルブレヒト/ピノ・グリ」はいかがだろう。
とても地味なエチケットではあるが、15世紀からの歴史を持つワイナリーが手間ひまをおしまず仕上げ、ピノグリの個性を最大限に生かしたミネラル感ある白ワインである。