力強く伸びるブドウの木の蔦の白黒の写真を使ったワインのエチケット。
その中央には、“cote SUD”というシンプルなロゴ。
フランス語で、南の土地と云う意味だろうか。
シンプルで、センスのよさそうなエチケットのワインだ。
そのワインの味わいは、いかにも南フランスらしい果実味がしっかりとしていて力強く肉厚な風味の赤ワイン。
造り手のドメーヌ・ラファージュは、とても評価の高い造り手で、チリやアルゼンチンでも有名ワイナリーのコンサルタントをしていると云う。
とても完成度の高い南フランスのワインだ。
ワインはエチケットだけで判断してはいけないと反省したばかりなのだが、このワインのエチケットにある“SUD=南”に先入観を持たされたクアトロの父だった。
きまぐれに、このワインもグラスワインに使うこともありますが、料理と共に一本飲みきると、このワインの実力はもっとよく解るようだ。
クアトロ最寄りの駅、東武・豊四季駅の周辺は、2000年に再開発が行われた。
開発前、夕暮れになると豊四季の駅舎を守っているような二本のケヤキのシルエットが現れる。
日の明るいうちはそこにケヤキがあったことも気づかないものだ。
どうやら二本のケヤキは夫婦だと思われる。
実は、そのケヤキはクアトロのママの生家のものだ。
開発の時に、その夫婦のケヤキの一本は切られ、一本は市会議員の働きで、市の公園に移された。
移されて残されたケヤキは、元気にしているのだろうか。
夏の終わりを告げるように、毎年8月22日に豊四季のお諏訪さま夏祭りの夜宮がある。人出も多く露店も参道を埋め尽くす。
夕方になると、ケヤキの下に住むおばあちゃんのもとに、孫たちが集まる。
夜宮でお小遣いを使うのが目的だ。
クアトロのシェフもその一人だった。
豊四季駅の夫婦ケヤキのシルエットにお諏訪さまの賑わい、そしておばあちゃんにお小遣いを貰う孫たち。
もう遠い昔の風景になってしまった。
今は、夫婦ケヤキもなく、おばあちゃんもいない。
いつしか、クアトロ夫婦がじいちゃん、ばあちゃんになり、今年はこのお諏訪さまの祭礼に孫が集まる。
夫婦ケヤキは無くなったが、クアトロのスパゲッティが今度は孫たちの思い出の風景になるのだろうか。
今日は、岸和田産イワシに北海道産特大新サンマが入荷。
お諏訪さまのお祭りの思い出にいかがでしょうか。