ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

心に染みる赤ワイン

2011年08月04日 | 個人的な話

2 クアトロが開店した当日、特別なご案内を出したわけでは無かったのだが、ひょっこりと訪ねてくれたお客様がいた。
クアトロの父の前のお店でご贔屓をいただいていたお客様だった。
その日以来、月に数度はご家族でご来店いただいていた。
クアトロの食事をとても楽しんでくれていた。
ワインと魚が好きなお客様で、どちらも知識が豊富で、クアトロは色々なことをこのお客様に教えていただいている。
ワインはご自宅のセラーからお持ち込みになることも多く、ボルドーやブルゴーニュの熟成したワインがお好きだ。
枯れかかったような赤ワインが好きで、お持ち込みのワインはクアトロの父にも振る舞っていただき勉強させてもらった。
魚の知識も大変なもので、クアトロのシェフもこのお客様に出す魚には特別に気を遣う。
夏になるとハモが好きで、クアトロのシェフにハモの包丁までプレゼントしてくれた。
調理場でハモの骨切りをする音を聞いて夏の涼を感じるという粋なお客様だ。
この数ヶ月、このお客様の来店が途絶えた。
先日、ご家族から訃報を伺う。
呆然とするクアトロのスタッフ。
このお客様のセラーに残っていたという、ポムロールの赤ワインを飲ませてもらったクアトロのスタッフ。
円熟した旨味が心に染みる赤ワインだ。
ご冥福を心よりお祈りする。

コメント
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