◎ラフリン指揮ボリショイ劇場管弦楽団(stradivari)LP
非常に求心力が強く前進する力にあふれ、ラフリン・モノラル期の激しい演奏振りが楽しめる魅力的な演奏。ラフリンのモノラル期に似ている指揮者としてはガウク以外に思いつかないが(後代ならスヴェトラ)、ガウクならばこの曲を散文的に処理するものを、もっと最初から計算したうえでギリギリと締め上げていくトスカニーニスタイルのロシア版といった趣がある。オケがまた素晴らしい。音色にはチャイコの国民性も西欧折衷性も両方バランスよくあらわれ、民族臭さがない一方では他国ではこんな音のする演奏はありえないだろうとも思わせるものになっている。四楽章でややスケールを大きく横の幅をしっかりとった演奏になっているのはこの指揮者特有の予定調和的構成感そのものであろう、もっとガウク的に即興的に熱していってもいいとは思うが、全体としては壮大に終わるからよいのだろう。イワーノフふうのベートーヴェン的解釈に近い部分もあるが、それでも魅力的。◎
※2008-02-16 22:38:27の記事です
非常に求心力が強く前進する力にあふれ、ラフリン・モノラル期の激しい演奏振りが楽しめる魅力的な演奏。ラフリンのモノラル期に似ている指揮者としてはガウク以外に思いつかないが(後代ならスヴェトラ)、ガウクならばこの曲を散文的に処理するものを、もっと最初から計算したうえでギリギリと締め上げていくトスカニーニスタイルのロシア版といった趣がある。オケがまた素晴らしい。音色にはチャイコの国民性も西欧折衷性も両方バランスよくあらわれ、民族臭さがない一方では他国ではこんな音のする演奏はありえないだろうとも思わせるものになっている。四楽章でややスケールを大きく横の幅をしっかりとった演奏になっているのはこの指揮者特有の予定調和的構成感そのものであろう、もっとガウク的に即興的に熱していってもいいとは思うが、全体としては壮大に終わるからよいのだろう。イワーノフふうのベートーヴェン的解釈に近い部分もあるが、それでも魅力的。◎
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