湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆ディーリアス:夏の歌

2017年04月29日 | イギリス
◎バルビローリ指揮ロンドン交響楽団(EMI)CD

単純でワグナー的な晩年作、演奏にも粗があるが、それでもバンスタにとってのマーラーのようにこれは、バルビにとって不可分の音楽になりきっており、もうそれほど長くはないこの指揮者が、死を目前とした~その目は既に開かなかったのだが~作曲家の、フェンビーの筆を使って描いた最後の想像の世界に自己を投入し、けして退嬰的ではなく、前向きとすら言える映画的な明るさのある音楽を、内部から再構築したものである。夏というはかない季節にたくした生命の賛歌であり、瞬の永遠性に対する「希望」。この作曲家の、それでも貪欲な生への希望が、この指揮者の、音楽をかなでることこそが生であり希望であるという信念と、まばゆいところで合致した。技術的にはいくらでも越えるものが現われようとも、未だ印象を拭うものがあらわれない名演。

Comments (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆ラヴェル:ヴァイオリン・ソ... | TOP | ☆シマノフスキ:ヴァイオリン... »
最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ねぇねぇ (けん)
2008-03-07 07:22:39
ディーリアスもしかして連続で聴いたの?
もしそうなら感心すると言うかアブナイというか・・・

幽体離脱しないようにね(^○^)
返信する
よく知ってる盤なので (管理人)
2008-03-07 07:29:43
流し聴きです、ディーリアスはわりと理知的なので聴き方を間違えなければ大丈夫ですよ。。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | イギリス