湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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リムスキー・コルサコフ:シェヘラザード

2006年12月21日 | リムスキー・コルサコフ
○スタインバーグ指揮ピッツバーグ交響楽団(capitol)LP

最初は余りに端整で制御された演奏振りにビーチャムのような凡演を想定していたが、楽章が進むにつれ異様な表現性とシャープなカッコよさが高度な調和をみせてくる。三楽章のハリウッド音楽張りのうねりには仰天した。しかも生臭さは皆無の程よい音色に、ピッツバーグがまた素晴らしい技術を見せ付けている。デモーニッシュなものが要となっているハルサイなどは私は余りにスマートすぎてピンとこなかったのだが、楽天的で開放的なこの楽曲には求心的でまとまりのよい演奏ぶり、ドライヴ感を実はかなり激しいテンポ変化と制御されたルバートの中であおり続ける。後半楽章の流れは大喝采ものだろう。録音のよさもある。前半余りピンとこなかったので○にしておくが、曲が人を選んだのだなあ、とも思った。ロシア人がロシア曲をやったところでロシア踊りになるだけだ。ロシア踊りに飽きたら、こういう大人の演奏もいいだろう。

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5 Comments

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Unknown (サンセバスチャン)
2006-12-22 16:04:37
こんにちは。いつも楽しく読ませてもらっています。

さて、ビーチヤムの演奏ですが私は気に入ってます。
私のはステレオ録音のやつですが、2楽章のクラリネットが素敵だと思います。

古いレコードの本を読んでいて、この曲の表題的な演奏の代表にビーチヤムをあげていました。うーん、そういうものかと思い、聴きなおして開眼したつもりになったのですが。
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ビーチャムの「印象」 (岡林)
2006-12-22 18:04:44
言われて自分のレビュを読み返すとそもそも項目として挙げられてません(汗)「印象批評」の最たるものでした、聞きなおしてみます。ただ、ちょっとLPの状態が悪いんです。。ビーチャムの木管の扱いは巧みですね、イギリス曲、とくにディーリアスなどをやるとなると、そういうスタイルになるのかななどと思ったのも遠い昔です。。

代表的な演奏がビーチャムというのはやはり、端正な演奏が好まれたころの批評なのでしょうか?スヴェトラーノフの登場(前からいましたけど)によってなんだかロシアロシアした大仰な演奏こそ国民楽派だというような言説が主流になったような感もありますね。リムスキーは管弦楽による理知的な音色表現が要なのに、音響配慮に欠ける演奏が勢いだけで評価される、というのも確かに問題ですねえ・・・とクアドリの演奏を思い出しながら書いたりします。聴いたらアップします。
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標題でした。 (サンセバスチャン)
2006-12-23 12:52:50
こんにちは。
表題ではなく標題でした。

この曲のビーチヤムの演奏はイギリスではとても評価が高いようです。
ロシア人の演奏といっても、コンドラシンはオケは大変立派ですが、何度も聴くと飽きてしまい、テミルカーノフは踏み込みが浅くNYPもやる気が感じられずといった感じ。
では、ロシア人以外で、ライナーは2楽章でテンポを落とすところがどうも気になり、カラヤンもさほど印象に残らず、チョンはお茶漬けみたい。
ストコは好きだけど、それ以外ではビーチヤムの懐の深い演奏が飽きずに聴けます。
あくまで、自分の主観ですし、互いに主観のずれがあってより音楽を聴く楽しみがあると思っています。
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ゴゴ・・ゴロワノフ (田豊)
2006-12-24 21:39:29
ロシア人でも、バイオリンソロが別格に立派(オイストラフ)のゴロワノフは素敵です。

この曲は、チェリをなるべく音のいい海賊盤で聴くのですが。

スタインバーグもかっこいい演奏しますよね。
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懐の案外深い曲ですね (岡林)
2006-12-25 09:43:39
ストコフスキはフィラデルフィアとの物凄いライヴ録音で驚かされました(あれは会場で聴かないとわからない世界かもしれませんね・・・)ゴロワノフもそうですけど、「自分の世界」を持っている指揮者のものは「ハマれば」それしか聴けないほど没頭、「ハマれなければ」二度と聴かない、というたぐいのものかもしれませんね。ヴァイオリンソロのみならず管楽のソロもまるでメドレーのように強調しいちいち歌わせまくるストコフスキは、さすがに終楽章にはすっかり疲れてしまいました。

飽きず永く聴くにはビーチャムのように創り上げた演奏ということになるのでしょうか。チェリまでいくとあれは別の極致というか、実は私もチェリのミーティア盤で開眼したようなところがあります。コンドラシンも結構ゴリ押しですよね。ソリストで評価されがちですけど。

意見はいろいろあって面白いですw
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