東京でも大田区は銭湯の坩堝で、温泉のメッカだといいます。たしかに黒湯温泉は多く、濃淡はありますがおおむね少し粘着質、でも透明感があるという感じ。これは大昔の海底藻類のエキスが染み出しているそうで(でもどこも「古代の草木が泥になって」とあるので地上かもしれん)、最近知ったのですが南部だけでなく浅草でも出ているそうで、23区って昔は広く海で、しかも熱水のわく火山帯に接してるんですねえ。ほぼ冷泉ですけど。
ここからそう遠くはありません。道を調べとけばほぼ一本道、工学院の裏をちょっと行くともう着きます。
もともとはとても普通の銭湯。スーパー銭湯という大それた名前で呼ぶのは個人的にはあまり適さないと思います、新世紀温泉銭湯です。
(道後温泉の赤硝子)
(道後温泉の旧湯釜)
ここもやっぱり最近リニューアルした新世紀銭湯で、その道のプロが入って道後温泉のレトロ感を持ち込んだそうです。今はすっかり著名になりました。東急池上線蓮沼駅(大田区の銭湯は池上線沿線に無茶多く残っている)から近い。ただ、蒲田から十五分くらい、1キロもないので往復しました。ウォーキングにならないけど、すごい豪雨が無茶苦茶降ってザーザーだったので仕方ありません。身体を壊しているのでちょっとダイエットはお休み、ここ2日で2キロリバウンドしましたが、だからこそ運動できなくても温泉を、ということでした。ただ、あまり喉乾かなかったので、習慣的に謎のコーヒー牛乳になってしまった…はいいとして、蒲田ですまずは蒲田。
東京南部の下町の首都。ここに来ると何十年も変わらない世界が広がります。懐かしい看板、懐かしい客引き、懐かしいネオン。西口から西へ新宿ほど危険を感じない世界を突っ切っていきます。古い店がたくさん残っているだけではなく新しい店がどんどんできています。都会のようにデザインから内装から整えてできていくわけではありません。なんか、通りに向けて店名と売りを書いておけばあとは最低限でいいみたいなとこが結構あり。ダイエット中で食べられませんけど、道に立て掛けた板に「つぶしたてやきとり」と書いてあるのは震えました。つぶしたて。新鮮です。そんな中に突然ちっちゃなタピオカ屋があります。蒲田の商店街にタピオカ。。ミルクティーじゃなくてカルアミルクにタピオカ入れてんじゃないか。。ネオンが程なく少なくなってきて、古い商店が蔦に覆われてる。横にオフィスビル。壁面を蔦が侵食して大きな系統樹のようになっている。昼間見ると全然違う風景ですけど、豪雨の夜は味わい深い。このへん少し右に入ると女塚。新田義興伝承の中に含まれる女塚神社は別のとこに書いといたのでここでは触れないでおきます。ちょっと雰囲気あるとこです。
ここからそう遠くはありません。道を調べとけばほぼ一本道、工学院の裏をちょっと行くともう着きます。
もともとはとても普通の銭湯。スーパー銭湯という大それた名前で呼ぶのは個人的にはあまり適さないと思います、新世紀温泉銭湯です。
他のリニューアル系温泉銭湯とくらべ歴史を感じるというかメジャー感があるというか、サービスに過剰な力を入れずあくまで銭湯という点を意識した感じがしました。異様に内外装を凝り、道後温泉を念頭にステンドグラスやオールドタイプのシャンデリアを入れているのに、緊張しません。
(道後温泉の赤硝子)
わりと敷地面積は小さい方で共用部は人が貯れる広さがありませんが、脱衣場は形は変形で広い感じがする。スペースの使い方が上手いです。ロッカーは大小取り混ぜ余裕がある。あ、これは無いんだというものもありましたし、サウナ含め有料なものもあり、一般銭湯感があるけれど、一応シャンプーやボディソープが備え付け(平日だけ?最低限のものなので盛大に泡立てたい人は持ち込んだほうがいい)。手ぶらセットもお手頃価格、タオルは使い捨て?午後三時からやっているのもあってか夜さほど混まずに入れるのはとてもいいです。あとこのへんの温泉銭湯、金曜やってないとこがいくつもあるのですが、やってます。
道後温泉よりも彫刻が凝ってる湯釜を備えた美肌の湯(日替わりで男女入換)、たぶん配置は昔と違いますが銭湯的な配置を残したスペースの使い方が上手く、洗い場が混雑して長く待たされる、なんて感じはないかな。
(道後温泉の旧湯釜)
洗い場を別スペースに切り離すより湯桶をぐるっと取り囲むこの配置のほうが、私は落ち着くし、湯桶にすぐ入れていい。シャワーも固定式ですが方向を変えられ、ちょっと過剰なくらい長く出るので女性でも使い良いと思う。物を掛ける棒も親切。からんもビックリする高温とかなくていい。
湯桶はかなり広いですが、3つに仕切られていて、奥が天然温泉(かけ流し)、中が炭酸泉(流行りの湯、前は無かったのでは)、手前が水風呂。水風呂は前の湯冷めを思い出して入らなかったですが、注目は奥の天然温泉で、色はそこまで黒湯ではありません。暗くてわかりにくいですが以前は黄色か薄茶色みたいだったと思う。少しぬるぬるがあり、薄めの黒湯温泉と肌触りは同じですが、長く入るとわりと強いと感じる人もいるかもしれません。確かに肌から何物かが脱落して光沢が出ました。飲んだらだめだそうです。真ん中の炭酸泉は長時間入る湯ですが体感だけ味わってあんまり入りませんでした。ちょい水深が深いかな。他に立ったままシャワー、これはリニューアル温泉銭湯は備え付けてるとこ多い。サウナは有料、鍵貸し出し。サウナ使わないのでどっちでもいいです。
湯桶から見上げると天井や仕切りは昔の銭湯そのもので、でも壁面の彫刻やステンドグラスが(もう少し照明が明るいとよく見えるんだけど)不思議な雰囲気。湯釜の後ろの絵は滝の絵で、隣と繋がってるのかな。富士山は共用部にあります。
蒲田からこの距離でこういう形なら、立ち寄りなら蒲田温泉より来やすい。人気もわかるし、慣れた運営で必要十分な感じが気安い。結構遅くまでやってるのかな。ただ一つだけ、傘ロッカーがあってびっくりしたけど、これ、大きな傘はサイズオーバーで入りませんでした。。雨の日に来なきゃいい。そうです。
湯当たりもせず、程よかったです。疲れた時に来たらどうだったのかな。体の印象的にはとても銭湯感でした。東京南部の白温泉として鷹番の湯とここは覚えておこう。時間がなかったので、また来ますー。