湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ヴォーン・ウィリアムズ:ヴィオラとピアノのためのロマンス(B.ショア、E.グリットン編)

2019年03月13日 | ヴォーン・ウィリアムズ
ブラッドレイ(Va)レネハン(P)(naxos)2013/7・CD

没後発掘された遺稿にもとづき1962年に編まれた曲で、ターティスのために書かれたと推測されているが根拠はよくわからない。後期ないし晩期の作品とは思うが、ヴァイオリンのためにかかれたピアノ伴奏による作品、たとえばソナタのようなものにくらべメロディは冒頭こそ似たような渋い、アピールしづらいものに思えるが、六分という短い時間の中で息の長い歌を継いでいくとともに、田園の魅力的な色彩を帯びてくる。したがって少し遡る作品なのかもしれない。ピアノもヴォーン・ウィリアムズらしく技巧的にならず、大きく呼吸するヴィオラの長い音符に色を添えるような、緩いものになっている。これは編曲の妙なのかもしれないのでわからないが、ヴォーン・ウィリアムズらしい、メロディの他まったく音を詰め込む気のない、最小限に削ぎ落とした曲となっている。演奏はヴィオラのための曲ということをあまり意識させず、ヴァイオリン的な音で聴きやすい。新しいデジタル録音で、ヴォーン・ウィリアムズはそういう音によく合う。
 
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