バーンスタイン指揮NYP(UNITEL)1965/11/29live・BD
ブルーレイ化の進むヤングピープルズコンサートの中の映像。四楽章は全てを振っているが正規録音より迫真味がありハーモニーも良いんじゃないかという出来。バンスタはこの曲は評価しており、ここでは音程の説明の最後に転調の効果的な例としてピアノをまじえ同曲の解説をしている。熱気をもってバンスタが伝えようとしていることを客席の子供はたぶんあんまりわかってないが、ヴォーン・ウィリアムズの音のクセ、この曲で珍しく現れたシニシズムを早口で説明してしまっており、ヴォーン・ウィリアムズが本来はこんなにベートーヴェン的展開をさせる人ではないが(第九の解説を書いてるわりにベートーヴェン嫌いだった噂もある。とまれ派手でオーケストラの力を緻密にぶちまけるこの音楽はバンスタには魅力的だったのだろう)、とても理知的で「悩む」人だったことを端的に教えてくれるのが愉快だ。ジャズのリズムを模したところをまったくクラシカルにやっているのも可笑しい。スピーディーで集中力の高い四楽章は見もので、sonyのステレオCDを聴くならこれを見たほうが感動する。