○ダンコ(sp)ミヨー指揮ローマ・イタリア放送交響楽団(INA)1954/4/5live・CD
いやー、3曲聞きとおすのはけっこうたいへんです。起伏の無い曲であり、詩はドラマ的な部分は少しもなくただの読み上げに近いものであり、意図はそこにあり、ちゃんと言葉を理解して聞かないと正直音だけでは辛いかもしれない。ミヨーはサティに最も近しかった作曲家だが、この演奏はダンコの歌唱含めてロマンティックに過ぎる気がする。構造の繊細さも録音の古さはともかくミヨー自身の作品のようなドラマ性が響きあるいは「旋律」の起伏の中に織り込まれてしまって、際立ってこない。とはいえ「死」はやはりどうしても深い感傷を残さざるをえない部分が確かにあり、ミヨーの思い入れがそこに加わってどうなのか、というところもあるだろう。ダンコは巧い。雄弁とまでは言わないが歌いすぎ、表現しすぎである。終始つけられた細かいヴィブラートがどうもサティにそぐわない感じがした。オケがRAIなので音に生気がありすぎるところもあるか。希少記録として○にしておく。アンゲルブレシュトのペレアス抜粋とラヴェルのシェヘラザードのいずれも初出ライヴが組み合わされた「歌曲集」。ところでこれをミヨーによる管弦楽編曲版としている人がいるけど、どこをいじってるの?
※2007/2の記事です
いやー、3曲聞きとおすのはけっこうたいへんです。起伏の無い曲であり、詩はドラマ的な部分は少しもなくただの読み上げに近いものであり、意図はそこにあり、ちゃんと言葉を理解して聞かないと正直音だけでは辛いかもしれない。ミヨーはサティに最も近しかった作曲家だが、この演奏はダンコの歌唱含めてロマンティックに過ぎる気がする。構造の繊細さも録音の古さはともかくミヨー自身の作品のようなドラマ性が響きあるいは「旋律」の起伏の中に織り込まれてしまって、際立ってこない。とはいえ「死」はやはりどうしても深い感傷を残さざるをえない部分が確かにあり、ミヨーの思い入れがそこに加わってどうなのか、というところもあるだろう。ダンコは巧い。雄弁とまでは言わないが歌いすぎ、表現しすぎである。終始つけられた細かいヴィブラートがどうもサティにそぐわない感じがした。オケがRAIなので音に生気がありすぎるところもあるか。希少記録として○にしておく。アンゲルブレシュトのペレアス抜粋とラヴェルのシェヘラザードのいずれも初出ライヴが組み合わされた「歌曲集」。ところでこれをミヨーによる管弦楽編曲版としている人がいるけど、どこをいじってるの?
※2007/2の記事です