○アルベール・ヴォルフ指揮ラムルー管弦楽団(POLYDOOR)SP
SP盤の傾向として収録時間の関係上回転数をやや上げてしまうことがあり、この盤もピッチがかなり高く演奏自体も速度感を強く感じることから元演奏とはやや異なったものとなっている可能性が高い。古い盤ゆえ聞きづらい面もあるがSPは基本的に雑音も多いぶん音が明晰なので、華やかな時代の古きよき情緒を感じさせる媒体としてはうってつけだ。ヴォルフは同時代音楽と非常に縁があり活動期間も長期にわたったが、肝心のパリ時代はSP時代であったゆえに復刻がスムーズにいっているとは言いがたい。一組復刻集が出たほかは単発で他の盤に一緒に収録されているのみである。
演奏だが颯爽として情緒的な揺れの無い指揮ぶりは周知のとおりである。ラヴェル向きの指揮者であり、ただこの演奏でも奏者側の情緒によってその不感性的な芸風が十分に補われており、ダイナミズムにも溢れ躍動感はなかなかのものである。録音の特異性をかんがみても性急すぎる感は否めないが、まずはオケの噎せ返るような音に耳を傾けよう。また書くかもしれない。○。
SP盤の傾向として収録時間の関係上回転数をやや上げてしまうことがあり、この盤もピッチがかなり高く演奏自体も速度感を強く感じることから元演奏とはやや異なったものとなっている可能性が高い。古い盤ゆえ聞きづらい面もあるがSPは基本的に雑音も多いぶん音が明晰なので、華やかな時代の古きよき情緒を感じさせる媒体としてはうってつけだ。ヴォルフは同時代音楽と非常に縁があり活動期間も長期にわたったが、肝心のパリ時代はSP時代であったゆえに復刻がスムーズにいっているとは言いがたい。一組復刻集が出たほかは単発で他の盤に一緒に収録されているのみである。
演奏だが颯爽として情緒的な揺れの無い指揮ぶりは周知のとおりである。ラヴェル向きの指揮者であり、ただこの演奏でも奏者側の情緒によってその不感性的な芸風が十分に補われており、ダイナミズムにも溢れ躍動感はなかなかのものである。録音の特異性をかんがみても性急すぎる感は否めないが、まずはオケの噎せ返るような音に耳を傾けよう。また書くかもしれない。○。