ピエルネ指揮コンセール・コロンヌ管弦楽団(SLS/ODEON)1928/11/23、1929/1/17
SP原盤は稀に中古市場に出るが、SP復刻から出発したSLSのCD-Rによる待望の復刻だ。針音を残しているものの原盤状態を考慮するとコアとなる録音部分を最大限聴こえるようにしている。一般には向かないしリリカルな曲に必要な透明感も音色もへったくれもない堅いノイジーな音だが資料として意味はあろう(むかしピエルネこそペトルーシュカの初演にして初録音者と読んだがそうではない)。「ロシアの踊り」から始まる八曲15分前後、ほぼ俯瞰的に聴けるが、冒頭ロシアの踊りの四角四面でヘタクソなリズム取りは当時のモントゥーもかくやと思わせ、ピエルネ自身も現代曲を好む一方メカニカルな構造に棒がついていかない録音もままあったから、これは予想の範囲内だ。オケも同様で個別の楽器は美しく弾けているのに、セクション同士が衝突するようなギクシャクもある。ピアノが冴えていて聴かせるが、そのテクニックに劣らず絡む木管などのソロも雰囲気よく、室内楽的編成なら問題はないようである。後半になるに連れこなれてきて、聴きやすくなってくる。参考には良い演奏。組曲2番もある。
SP原盤は稀に中古市場に出るが、SP復刻から出発したSLSのCD-Rによる待望の復刻だ。針音を残しているものの原盤状態を考慮するとコアとなる録音部分を最大限聴こえるようにしている。一般には向かないしリリカルな曲に必要な透明感も音色もへったくれもない堅いノイジーな音だが資料として意味はあろう(むかしピエルネこそペトルーシュカの初演にして初録音者と読んだがそうではない)。「ロシアの踊り」から始まる八曲15分前後、ほぼ俯瞰的に聴けるが、冒頭ロシアの踊りの四角四面でヘタクソなリズム取りは当時のモントゥーもかくやと思わせ、ピエルネ自身も現代曲を好む一方メカニカルな構造に棒がついていかない録音もままあったから、これは予想の範囲内だ。オケも同様で個別の楽器は美しく弾けているのに、セクション同士が衝突するようなギクシャクもある。ピアノが冴えていて聴かせるが、そのテクニックに劣らず絡む木管などのソロも雰囲気よく、室内楽的編成なら問題はないようである。後半になるに連れこなれてきて、聴きやすくなってくる。参考には良い演奏。組曲2番もある。