湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆リムスキー・コルサコフ:シェヘラザード

2017年02月02日 | リムスキー・コルサコフ
○ズーク(Vn)イワーノフ指揮モスクワ放送フィル交響楽団(THEATRE DISQUES:CD-R)1978/3/16LIVE

これはMELODIYAで流通していたLP原盤なのだろうか?何故か縁無いうちに裏青化したので買ったが、明らかな板起こしである。取り立てて名演ではないが何故中古市場にそれほど出回らなかったのか?

1楽章は落ち着いたテンポで足取りしっかりとドイツっぽさすら感じさせる。この人はベートーヴェン指揮者であることをしっかり意識して、余り拡散的な灰汁の強い表現をしないときのほうが多い(もちろんするときもある)。楽器の鳴らし方は全盛期スヴェトラとまではいかないが豪放磊落で倍音の多い分厚い音響を好む。だがこの頃のメロディヤのステレオ盤は盤質のこともあり心持軽く薄い響きがしがちで、これも例えばミャスコフスキーの新しい録音で聞かれたものと同じ、ロシア人指揮者にしては相対的に個性が弱く感じるところもある。中庸ではないが中庸的に感じられるのである。

中間楽章では1楽章ほどに遅さは感じず、でも常套的な気もする。ブラスの鳴らし方は思ったとおり、といったふうでロシア式。ヴァイオリンソロはすばらしい、D.オイストラフを思わせる安定感もあるし変なケレン味を持ち込まないのがいい。3楽章はでろでろしているのだが、生臭くない。これは不思議だが中低音域を強く響かせる少し中欧ふうの感覚の発露かもしれない。

4楽章は想定どおりの大団円をもたらしてくれる。これは勿論この人だけではなく同じような盛り上げ方をする人はいくらでもいるんだが、素晴らしく盛り上がる、とだけ言っておく。○か。強くインパクトを与える感じはしない。強いて言えばラフマニノフのシンフォニー2番と同じようなスタンスの録音と思った。

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