湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲

2017年07月24日 | ドビュッシー
○ピエルネ指揮コンセール・コロンヌ管弦楽団他(ODEON/columbia/Parlophone)SP

ODEONだと雲と祭は連番でシレーヌのみ離れており、ばらばらで録音した可能性がある。ピエルネの指揮は硬直したようにかんじることが多いのだが、一楽章はなかなかの雰囲気。まさに夜の雲、静かに浮かび、繊細だ。動きのない曲のほうが向くのかもしれない。楽団のソリストの音が懐かしい。

祭は雲とのコントラストを期待するが、思った以上に鄙びており、むしろピエルネらしい硬直したものとなっている。そも非力な録音から期待される音量を出しきれず聴き取れる変化の幅がかなり狭い。ピエルネの盤にはしばしばあることだが元の録音がそうなのだろう。リズミカルに自由にやるにも、録音上の制約もあったかもしれない。演奏的に弦など心許ない、バラけたようなところがある。木管は良い。中間部で物凄く音量とテンポを落とし、いつペットが吹き始めるんだというリズム打ちが延々続く解釈は面白い。やり方が機械的で現代的だ。壮麗というより、次のシレーヌへつなげるように終わる。

シレーヌは印象派音楽表現のセンス溢れる素晴らしいもので合唱とオケのバランスもモノラル録音としては理想的。美麗で典雅。ブレの無い克明な演奏からはアンゲルブレシュトあたりに通じる、フランス特有の曖昧さを排したオケコントロールぶりも伺える。SPゆえ速めのテンポをとっている可能性があるがそう感じさせないのは音色の繊細な妙だろう。○。

(日本パーロフォン盤の全曲(祭)を入手したためODEON盤評と併せてまとめました)
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