rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

5月の風に吹かれて

2013-05-10 23:02:47 | 旅先から

気持ちよい木陰 10/5/2013


足元にある小さな空 10/5/2013


吹きぬける風 10/5/2013

旅行なんてものじゃないかもしれない。
かつて住んでいた街に用があって出かけてきた。
湖畔の周りには遊歩道が整備され、樹木が繁り、歩く人、ジョギングする人が行き交う。
少し強めのそよ風が吹き、草木の葉を揺らして爽やかさを演出している。
一人で人の流れに逆らいながら湖畔を歩いていく。
遠く対岸の向こうに広がる市街地を眺めては、変わりゆく街の姿に哀愁を感じた。
家人の用事が終わってから、湖畔近くの芝が張られた広場で、持っていった弁当のおにぎりを頬張る。
天気がよく外が気持ちいい日なのに、公園などでくつろぐ人の姿が見えない。
しかも、小さな子供を連れた人の姿が、まったく見当たらない。
いるのは、年配の人ばかり。
小さな子供は、どこにいる。
みんな保育園や幼稚園に集められて、家庭でのんびりと過ごし散歩に連れられる子供はいないのか。
それとも、子供の絶対数が少ないのか。
これから20年後、さらに子供が減り、平日の街にいるのは老人ばかり。
今建築されている高層集合住宅の空き部屋率は高まり、廃墟同然の街が出現する。
今日の美しく素晴しい5月の日、その美しさを愛でる人の少なさで、寂寥感が心をかすめていった。
ネモフィラの空に溶け込むかそけき青が、無常を諭している。