rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

燃え立つような生命のエネルギー、ゴッホ

2013-05-20 11:20:24 | アート

麦畑と糸杉


アイリス

ゴッホのタッチは、生命の湧き上がり揺らめくさまを写している。
そう、彼は、霊媒なのだ。
凄まじい自然の宇宙のエネルギーの媒介をするには、ちっぽけな人間には荷が重過ぎる。
彼が、奇人変人、狂人とののしられても、それは致し方のないことなのだ。
自然のエネルギーに誘発されて、彼の精神が暴発しないほうが奇跡ではないか。
見よ、この湧き立ち燃え上がる麦の穂を、糸杉を、空と浮かぶ雲を!
これが命の爆発だ。

誰しも一度は経験があるだろう、自分の体の中を、足元から周りから圧倒的なエネルギーに押し寄せられ、駆け巡ることを。
そのエネルギーによって、体が宙に浮かぶような錯覚を得たこともあるのではないか。
その経験が、絵筆を握らせなくても、音を紡ぎだすとか、自然の力を導き出す技術の開発だとか、言葉を操る技を身に着けるとか、なにかを私たちに促すのだ。

ただ、ゴッホの場合、あまりのエネルギーの大きさに、自分を持っていかれたのだと思う。
我々は、彼の霊媒の結果をこうして眺め、疑似体験をする。
なればこそ、彼の絵は、人を惹きつけて止まないのだ。


麦畑にカラス