ランニング徒然

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注目ルーキー

2020-05-10 20:22:36 | モータースポーツ
新型コロナウィルスはモータースポーツ界にも多大な影響を与えています。

F1,WRC,MotoGPなど多くのシリーズが中止となっているので、しかたなく、Youtubeで過去映像を見て楽しんでいます。

そこでシリーズ再開後が楽しみなことをチェックしてみました。

まずは、MotoGPの若手ライダーです。

昨年は王者マルク・マルケスが同クラス6度目チャンピオンとなりましたが、それ以上に注目を浴びたライダーがルーキー・オフ・ザ・イヤーに選ばれたファビオ・クアルタラロ(ペトロナスヤマハ・SRT)です。

表彰台7回、ポールポジション6回、最年少ポールポジション記録更新(マルケスの記録を更新)など堂々とした戦績です。
しかも、ヤマハワークスではなく2019年からMotoGPクラスへ初参戦したサテライトチームの所属ですから驚きです。

しかし、本当の注目理由は走り方にあります。

ケニー・ロバーツ、フレディ・スペンサー、バレンティーノ・ロッシなど、それぞれ一時代を築いたライダーはその時代のマシンに適合した新しい走りを構築してきました。

現王者マルク・マルケスは身長168cmと小柄な体系ながら、強力なタイヤグリップを生かす驚異的なバンク角の「肘擦りライディング」で勝利を量産してきました。

その昔、フレディ・スペンサーの膝を使ってリアスライドをコントロールする走りに衝撃を受けしましたが、マルケスは肘を使ってフロントタイヤのスライドまで制御しているという、もはや宇宙人レベルです。

しかし、ここにクアルタラロの走りがくさびを打ち込んでいるようなのです。
正確には分析できていませんが、専門誌などではいくつかの特徴があるとしています。

特徴
・ブレーキングが鋭く、制動時間が驚くほど短い
・リアスライドが少ない
・クリッピングポイントを過ぎてスロットルを開け始めてもフロントブレーキをかけているらしい(拡大写真で見るとブレーキレバーに人差し指がかかっている)

専門誌の考察によると、

ブレーキング中にリア荷重が減ってもリアが滑らないよう姿勢をコントロールし、だれよりも短い時間で急減速している。
 →リアスライドが少なく、リアタイヤの消耗を抑えられる
加速開始してもフロントブレーキを使ってフォークが伸びきらないよう制御
 →外側に膨らまず、イン側をキープしながら加速している

プロカメラマンが他のライダーと同じようにカメラを振ると、フレームから外れてしまうというほどの鋭いブレーキングで、遅いと感じられる速度でコーナーをコンパクトに旋回し、外に膨らまずに立ち上がっているが、トータルタイムは速いという他のライダーと全く速さの質が異なっているのです。

これで混乱したのは、ヤマハ所属の他のライダー達
ワークスチームのエース格であるアレックス・ビニャーレスなどは事実上同じ仕様のマシンなのに、際立つ速さを見せるルーキーの走りに混乱し、前半戦は走りを乱したようです。

王者マルケスもマレーシアGP(セパンサーキット)の予選で、2位のタイムを出してるクアルタラロの後ろについてタイムアタック(好タイムを記録するルーキーの走りを観察しつつ、スリップストリームを利用して自分もタイムアップしようとした)した際に、左コーナーでハイサイドを起こして転倒しています。

映像では、急減速したクアルタルロに、マルケスは急接近し、次の瞬間リアタイヤがスライドしハイサイドを起こしています。
右コーナーが多いセパンサーキットではタイヤ左右の温度差が生じ、左コーナーで滑りやすいといわれているのですが、減速度の差で慌てたマルケスがリアを滑らせてしまったように見えます。

他の映像でも、コーナリングの前後で他のレーサーと距離が詰まったり開いたりの速度差が大きく感じられ、一人だけ違うと感じられます。

2年目の今年、どんな成績を収めるか注目ですが、ともかくレースが開催されないことにはどうにもなりません。
早くヨーロッパでも収束に向かってほしいものです。