ランニング徒然

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続 スポーツの遺伝子

2015-03-05 22:16:00 | トレイルランニング

​明日書くつもりでしたが、デビット・エプスティーンさんのプレゼンの続きを書いちゃいます。

メンタル面の変化について、
ウルトラトレイル・デュ・モンブランを三度制覇した「キリアン・ジョルネ」を例に説明しています。

キリアン・ジョルネがマッターホルンで標高差2400mを3時間以内で上って下りるという不可能と思える記録を達成すると、ライバルや若い後継者たちは「自分もやれる」と意識が変化し、脳が生命維持のためにかけるリミッターを克服するようになり、やがて超越する者が続くだろうと説明

番組では朝原宣治氏が出演し、このリミッター解除説に賛意を示します。
陸上界では桐生祥秀選手の存在が、10代の若い選手たちに「自分もできる」」という自信を与える存在となっていて、レベルが著しく向上していると語る場面が紹介されました。

つまり、記録、技術、メンタルで一線を超える選手が出現すると、特に自国の若い選手たちには、「超えるべき目標」となり、脳が「これ以上やると生命に関わりますよ」とかけるブレーキを解除する術を体得し、競技力向上が続くことになるということ。

命に係わるかどうかはともかく、ブレークスルーがあると心理的なリミッターが解除され、トレーニング方法の革新が重なり、次世代の選手にとっては高いレベルの技ができて当たり前になる例は多数だと思います。

フィギィアスケートでは
「ビールマンスピン」を子どもたちが普通にこなしているし、男子は4回転、女子は3回転が飛べてなんぼの世界になっているようです。
(すみませんスケートは詳しくありません)

モーグルでは、
長野オリンピックの覇者ジョニー・モーズリーがソルトレークオリンピックで3Dエアの扉を開けると、すぐに3Dエアが正式解禁され、いまや男子はコーク1080(体を横にしての3回転)、ダブルフル(伸身後方1回転2回捻り)が飛べて初めてトップに立てる状況です。

※補足説明:
モーグルが競技として成立する過程で安全のため縦回転は禁止されました。
ルール上「スキーが頭部より高い位置を通過してはならない」とされていましたが、ジョニー・モーズリーはソルトレークで認められた特例(事前にジャッジに申告する)により、回転軸を斜め横にした3Dエア(コーク720/上村愛子選手も得意にしていた技)を成功させるも、採点基準がなかった(加点されない)ことから、残念なことに4位でした。

マラソンでは
ハイレ・ゲブレセラシエが2008年ベルリンで3分台を出してから、次々と3分台を出す選手が出現し、昨年のベルリンではついにデニス・キプルト・キメットが2時間02分57秒と、わずか6年で一分以上短縮されたことになります。

結論としてスポーツの進化は

1)テクノロジーによりウェアや道具の性能が向上
2)科学的トレーニングが進歩
3)競技に適した体格を持つ者の競技人口が増加
4)時の強者に対抗するために技術や戦術が進化
5)意識の持ち方で限界を超えることが可能に

といくつかの要素が重なることで向上することになるようです。

マラソンに話を戻すと、

日本では政令指定都市、県庁所在地のほとんどでハーフ以上のマラソン大会が開かれているといってよく市民ランナーの数はうなぎ上りで、フルマラソン完走者は2013年には28万人を超えたそうです。

2008年には15万人弱だったので、わずか5年で倍増したことになります。

つまり国民400人につき1人がフルマラソン完走者ということになり、早晩300人に1人、200人に1人という時代がやってくるでしょう。

親兄弟がマラソンランナーという環境が子供たちの刺激となり、世界トップに迫る選手が現れる基礎が出来てきていると思いたいものです。




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