大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

まりあ戦記(神々の妄想)001『そんな妹は俺より一つ年上だ』

2020-10-04 12:51:06 | ボクの妹

(神々の妄想)
001『そんな妹は俺より一つ年上だ』
       


 妹は俺より一歳年上だ。

 名前は舵まりあ、都立神楽坂高校の二年生。

 兄である俺が言うのもなんだけど、可愛い奴だ。

 そこらへんで女子高生を百人ほど集めたら一番か二番に入るくらいの可愛さだ。
 百人と言うところがミソだ。この程度の可愛さなら学年で二三人、全校生なら五六人は居る。
 渋谷や原宿を歩いていたら掃いて捨てるほど……ではないけど、五分も突っ立っていればお目にかかれる。

 身長:165cm 体重:48㎏ 3サイズ:82/54/81

 なかなかのスタイルだと思うけど、そのルックスと同じくらいの確率で世の中には存在している女の子だ。
 
「お兄ちゃん、いよいよだよ!」

 ち、近い……けど、仕方ないか。

 まりあは、三十センチという至近距離に迫って手を合わせて俺に誓う。兄妹の仲なのにオカシイ……ま、勘弁してやってくれ(;^_^)、あとで理由は言うからな。

 

 えと……まりあの性格を短く言うと、以下のようになる。

 反射が早くて言動がいちいち適格なくせに全体がどこか抜けている。オッチョコチョイでどこか残念な少女、でも、そのオッチョコチョイで残念なところが危うくも可愛い……と思ってしまうのは兄妹だからか……あ、シスコンってわけじゃじゃねえからな(^_^;)

「荷物の始末は大家さんに頼んだ。学校から帰ってきたらいっしょに出るからね……あ、お水忘れてる」
 まりあは短いスカートを翻して台所に行くとジョウロに水を汲んでベランダに。プランターに水をやって戻ってくると、再び三十センチ。
「じゃ、行ってくるね!」
 いつもの挨拶をして通学カバンを抱え、パタパタと玄関へ、瞬間迷ってキョロキョロ。

「よし」

 小さく気合いを入れて揃えたローファーに足を伸ばす、履いたと思ったら「あ!」っと思い出して、また上がってきてガスをチェック、窓とベランダの施錠を確認して、まとめた荷物を指さし確認。

「よし!」

 また気合いを入れ、少し乱暴にローファーを履きなおしてノブに手を掛ける。

「あ!」

 またまた戻ってきて、ズッコケながら台所に入って、一杯の水を汲んで俺の前に置いた。

「よおおし!」

 三度目の正直、ローファーの踵を踏みつぶし、ケンケンしながら外に出る。

 ガチャン!

 玄関の閉まる音。

――あ、おはようございます――
――おはようまりあちゃん――
 お向かいさんとのくぐもった挨拶の声。
――オワ! ご、ごめんなさい――

 はんぱに履いたローファーをきちんとしようとして足をグネってお向かいさんにしがみ付いたようだ。
――だいじょうぶ、まりあちゃん(^_^;)?――
――アハハハ、大丈夫です。あ、ベランダのプランターお願いしますね――

――うん、うちのといっしょに世話しとくからね――

――ありがと、おばさん、じゃ、行ってきます! あいて!――

――気を付けてね!――

――はい、あははは――


 愛想笑いしてビッコの気配が遠のいていった。

 そんな妹は俺より一つ年上だ。さっきも言ったよな。

 え、意味が分からない?

 ええっと……俺は二年前から年を取らない。だから一つ違いの妹にはこの五月に越されてしまった。
 そう、俺は二年前に死んだんだ。俺は、いま仏壇の中に居る。

 仏壇には線香と決まったものだが、火の用心を考えて妹は水にしている。プランターに水をやるついでだ。

 横着なのか合理主義なのか分からん奴だ。

「火の用心だし、水は全ての根源だからね、お線香よりもいいんだよ」

 最初に水にした時に、ちょっとムキになった顔で言った。

 その前日、教室で弁当を食っていると「まりあ、アロマでも始めた?」と友だちに言われた。

 今どきの女子高生は、線香とアロマの区別もつかない。で、その翌朝には水に変えられた。

 確かに火の用心だし、神棚とかには水だしな、と、アロマがどうとかは置いておいて納得してやっている。

 

 死んでからは「釋善実(しゃくぜんじつ)」というのが俺の名前なんだけど、この名前は坊さんぐらいしか呼ばない。
 まりあは「兄ちゃん」と呼ぶ。ときには「晋三」と呼び捨てにされる。

 これは、そんな妹のまりあと、ときどき俺の、長い闘いの物語。

 ドタバタとまりあ戦記が始まろうとしている……。
 

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ポナの季節・53『ユニットの衣装……②』

2020-10-04 06:01:00 | 小説6

・53
『ユニットの衣装……②』
      
  

ポナ:みそっかすの英訳 (Person Of No Account )の頭文字をとって新子が自分で付けたあだ名


 珍しく大ネエの優奈から電話があった。

――ヘブンリーアーティストおめでとう。ところでコスとかどうすんの?――
 ポナの苦境を知ったような第一声だった。
「ネットオークションなんか考えてたんだけど、みんな高くて手が出ない」
――あたしの手許に五着のお揃いがあるんだけど、どうだろ、使えないかな?――
「え、どうして大ネエが?」
――ちょっとワケ有なんだけど、明日非番だから、持っていくね――

 なんで女性警官の大ネエが、そんなものを持っているか不思議だったけど、まあ、当てにしないで待ってみることにした。サイズやデザインとかの問題があるので、学校では由紀にも奈菜にも言わなかった。幽霊の安祐美には分かりそうなものだったが、吉岡先生の演劇同好会の稽古に付き合っている間にコスのことは、頭から飛んでいた。
 一つは台本の『クララ ハイジを待ちながら』がよく出来ていて、あてがわれたシャルロッテという役がめちゃくちゃ面白かったこと。
 もう一つはYouTubeで、数年前に上演した学校の『クララ』を観て、感動したり、あたしならこうする、ああするなどと思っていたからで、要するに、二つも大事なことを心に置いておけないポナの性格によるところが大きい。

「これなんだけど……」

 家に帰ると、大ネエが帰って来ていて、リビングで、とりあえずの一着を広げて見せた。
「ウワー!」
 デザインだけで、ポナは気にいってしまった。赤地に黒のチェック柄で、七分袖の袖口とスカートの裾が、少し「パンクかわいい」という感じにトゲトゲしていて、赤と黒の混ざったパニエもよく映えている。
「どう、気に入った?」
「うん、レプリカなんかと違って、とっても良くできてる。デザインはチョー感動」
「ちょっと着てみなよ」
「うん!」
 その場で着替え始めたので、両親には怒られたが、チイニイは喜んで妹の生着替えを観察した。
「ポナって男みたいな着替え方するんだな。乃木坂の子は、もっと肌を隠しながら着替えてんぞ」
「やだ、孝史ニイチャン、そんなとこ見てんの。写メなんか撮ってないでしょうね、元警察官なんだから、変なことしないでよね」
 大ネエが変態を見るような目でチイニイを咎める。
 着替えてみるとピッタリだった。
「ポナにも衣裳だな!」
「ほんと、それでヘアーとかメイクとかしたら、ビジュアル的にはアイドルよ!」
「そりゃあ、あたし準ミス世田女だもん、それに……」
 蟹江大輔のことが一瞬頭によぎったが「お前じゃない!」と頭から締め出す。

 そして、不思議なことに他の四人も蟹江が見抜いたサイズにピッタリだった。

「すごい偶然だね。こんなタイトなコスなのに、全員分ピッタリだなんて!」
「そのへんは……ちょっと話しておきたいことがあるんだ」

 大ネエが神妙な顔つきになった。


ポナの周辺の人たち

父     寺沢達孝(59歳)   定年間近の高校教師
母     寺沢豊子(49歳)   父の元教え子。五人の子どもを、しっかり育てた、しっかり母さん
長男    寺沢達幸(30歳)   海上自衛隊 一等海尉
次男    寺沢孝史(28歳)   元警察官、今は胡散臭い商社員だったが、乃木坂の講師になる。
長女    寺沢優奈(26歳)   横浜中央署の女性警官
次女    寺沢優里(19歳)   城南大学社会学部二年生。身長・3サイズがポナといっしょ
三女    寺沢新子(15歳)   世田谷女学院一年生。一人歳の離れたミソッカス。自称ポナ(Person Of No Account )
ポチ    寺沢家の飼い犬、ポナと同い年。死んでペンダントになった。

高畑みなみ ポナの小学校からの親友(乃木坂学院高校)
支倉奈菜  ポナが世田谷女学院に入ってからの友だち。良くも悪くも一人っ子
橋本由紀  ポナのクラスメート、元気な生徒会副会長
浜崎安祐美 世田谷女学院に住み着いている幽霊
吉岡先生  美術の常勤講師、演劇部をしたくて仕方がない。
佐伯美智  父の演劇部の部長
蟹江大輔  ポナに好意を寄せる修学院高校の生徒

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かの世界この世界:91『ポチの退屈・3』

2020-10-04 05:47:35 | 小説5

かの世界この世界:91

『ポチの退屈・3』     

 

 

 赤がクリーチャー、白がレジスタンス。

 

 そのはずなのに、高度を下げると赤と白の区別が無くなってピンク色になってきた!

 ピンク色んて聞いてないよ!

 むろん、仮そうデスクトップのマップ上の表示なんで、なんだろうと下のほうの戦場に目を落とす。

 

 え? えええええええええ!?

 

 クリーチャーとレジスタンスの兵士がゆう合してとんでもないことになってる!

 シリンダーと兵士がゆう合して、シリンダーのお尻みたいな体に人間の手足が生えているというわかりやすいものから、くちびるに手足がついたもの、目玉に手足がついたもの、鼻に手足が付いたものなんかがまじっている。

 メスシリンダーは大きいだけあって、一度に何十人という兵士を取りこんで巨大なムカデのようになっている。それがのたうち回ってトール軍の戦車や自走砲をなぎ倒している。

 戦車などは裏返しにでもならない限り戦とう力を失わないようで、ほとんどゼロきょりしゃげきでメスシリンダーの横腹をはれつさせ、血や肉やらなにやら分からないものをまき散らし、そのまき散らされたものは毒でもあるのか、トール軍の兵士がのたうち回って苦しんでいる。

 目を転じると、すぐに対策を立てたトール軍部隊が防毒マスクをつけて風上に回り込む運動を始めている。抜刀隊がいっせいに走り出してゆうごうしていないシリンダーを見つけてはやっつけていく。

 風にのったプレパラートたちが風のように勢いをつけて抜刀隊におそいい掛かる! さすがの抜刀隊もイナゴの群れのようなプレパラートに切りきざまれて血に染まっていくものがぞくしゅつ。

 ところどころにフィギュアのようにつっ立っている兵士……ゴーグルが外れてメデューサに石化されてしまっているんだ。えいせい兵が命がけで近づいて金の針を打っている。

 見覚えのある……あ!? ペギーのおばさんが戦場をかけまわりながら、なんと商売をしている!

 おばさんの商こんはすごいなあと感心するだけなんだけど……なんだか気分が悪くなってきた。

 戦場のむごたらしさにはなれているというか、自分自身シリンダーの変異体なので、こんなのは平気のはずなのに……目がくらくらして、冷や汗が流れて、手足がしびれてくる……。

 そうなんだ、人とクリーチャーのゆうごうが嫌なんだ、見ていられないんだ。

――ポチ、もういいぞ、かえってこい!――

 ロキの声が頭の中でひびいてわれに返った。

 ロキの声が、ここまで聞こえるってありえないから、空耳に決まってるんだけど、わたしの中の何かが限界だって言ってるんだと思う。か、帰らなくっちゃ……

 気づくと、飛び方もフラフラになって、いつ地上におちてしまうかもしれない、おちたら、ここは戦場だ!

 もみくちゃになってふみつぶされてしまう!

 シュッ!!

 ムチのようなしょく手がのびてきたのをあやうくかわす! 次のが来たらよけきれない! そのままの勢いで戦場をりだつする。

 早くもどって戦きょうを報告しなくっちゃ!

 でも、意識がもうろうと……とぎれとぎれれになっていく……。

 バシュ!

 や、やばい、なにかにからめとられてしまった! いやだ! 人とクリーチャーのゆうごう体なんかああ!!

 

☆ ステータス

 HP:7000 MP:43 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー

 持ち物:ポーション・55 マップ:6 金の針:0 所持金:500ギル(リポ払い残高35000ギル)

 装備:剣士の装備レベル15(トールソード) 弓兵の装備レベル15(トールボウ)

 技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー)

 白魔法: ケイト(ケアルラ) 

 オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト)

☆ 主な登場人物

―― かの世界 ――

  テル(寺井光子)    二年生 今度の世界では小早川照姫

 ケイト(小山内健人)  今度の世界の小早川照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる

 ブリュンヒルデ     無辺街道でいっしょになった主神オーディンの娘の姫騎士

 タングリス       トール元帥の副官 タングニョーストと共にラーテの搭乗員 ブリの世話係

 タングニョースト    トール元帥の副官 タングリスと共にラーテの搭乗員 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属 

 ロキ          ヴァイゼンハオスの孤児

 ポチ          ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体 82回目に1/6の人形に擬態

―― この世界 ――

 二宮冴子  二年生   不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い

  中臣美空  三年生   セミロングで『かの世部』部長

  志村時美  三年生   ポニテの『かの世部』副部長 

 

 

 

 

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