大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

鳴かぬなら 信長転生記 134『西遊記でいこう!』

2023-07-28 09:26:32 | ノベル2

ら 信長転生記

134『西遊記でいこう!信長 

 

 

「「「なぜだ!?」」」

 

 三人の声が揃った。

 俺たちが変身したのは、サル(信長) ブタ(市) カッパ(茶姫)の三人、いや、 三匹だったのだ!

「お兄ちゃん、サルに似てる!」

「いや、似てるどころか猿そのものだろう?」

 俺たち兄妹がいうサルは、茶姫の頭に浮かんだ猿ではない。秀吉のことだ。

「で、わたしは、なんでブタなのよ(`_´)?」

 これまで、扶桑でも三国志でもいろんな目に遭ってきたので、少々のことでは驚かないが、ブタにされた市は機嫌が悪い。

「ああ……まあ、ブタにしては器量がいい方ではないか」

「んもーー!」

 両手で顔をクシャクシャする市……すると、鼻だけが人間に戻った。

「ん~~ブタ面に鼻だけが人間というのも気持ちが悪いかもなあ」

 茶姫が腕組みをする。

「じゃあ、目だって!」

 もう一度クシャクシャすると、目も人間になったが、気持ち悪いのに変わりはない。

「もういい!」

 ブルっと首を振ると、元のブタに戻った。

「茶姫はカッパでいいのか?」

「ああ、まあ、わたしは泳いでいる時がいちばん自由を感じるから、まあいい」

 ああ、そう言えば、成都からの帰り道のことを思い出す。

 

 魏・蜀・呉の緩衝地帯の川辺で小休止したとき、茶姫は水着に着替えて泳いでいた(80『突然の小休止』)。

 あの時の茶姫は一番自由な感じだったな……そこを狙って写真を撮りまくっていた孫権も分かっていたんだ。

 しかし、その後、すぐに現れた曹素によって反乱軍に仕立て上げられ、それ以来の逃避行だ。

 茶姫には忸怩たる思いがあるのだろう。

 

「しかし、この組み合わせは西遊記のようだな」

 

 茶姫の言葉に互いを見ると、得物こそ持ってはいないが西遊記の組み合わせだ。

「孫悟空にしては、頭に輪が無いよ。あの輪って、戒めなんだろ? 悪さするとキリキリ絞まるんだ。平手の爺が話してくれたよ」

「あれは緊箍児(きんこじ)と言うんだ。三蔵法師が呪を唱えると絞められる」

「ん?」

 茶姫が思いつくと、指輪が抜け、あっと言う間に大きくなって、俺の頭に収まった。

「一言主、じぶんで間に合わせおった」

「というか、肝心の三蔵法師が居ないでしょ?」

「三蔵法師が遅れていて、我々三人で待っている的な?」

「あ、なんか『ゴドーを待ちながら』的な?」

「ウラジミールとエストラゴン……シイが余るな」

「ちょ、なんなのよ『ゴドーを待ちながら』って?」

「ダメだ、市のような奴には通じないぞ」

「そうだな、それに『三蔵法師を待ちながら』では動きが取れない」

「それに、飛行機どうにかしないと。前のよりも大きいから、穴掘って埋めるのも大変だよ」

 ブブブ ブブブ  マナーモードのスマホが震えた。

「ん、あ、忠八からだ……」

『よかった、なんとか圏内ですね。みなさんの姿……あ、西遊記ですね。分かりました、こっちで操作します……』

 スマホの向こうで、なにやらピコピコと音がする。

『ちょっと離れていてください、飛行機を変態させますので』

「「「おお」」」

 ハタハタハタ……

 かそけき音がして紙飛行機が畳まれた……かと思うと、次には、直ぐに展開して白馬に変わった。

「すごい、忠くん、馬になったよ!」

「おお、見事な白馬だ。玉龍の化身として十分通用する」

「しかし、馬だけ居てもなぁ、肝心の三蔵法師が居らんぞ」

『馬になって小さくなった分、ポリゴンに余裕がありますんで……』

 ハタハタハタ……

 再びかそけき音がすると、馬の背に三蔵法師が現れた。

 

 

☆彡 主な登場人物

  • 織田 信長       本能寺の変で討ち取られて転生  ニイ(三国志での偽名)
  • 熱田 敦子(熱田大神) あっちゃん 信長担当の尾張の神さま
  • 織田 市        信長の妹  シイ(三国志での偽名)
  • 平手 美姫       信長のクラス担任
  • 武田 信玄       同級生
  • 上杉 謙信       同級生
  • 古田 織部       茶華道部の眼鏡っ子  越後屋(三国志での偽名)
  • 宮本 武蔵       孤高の剣聖
  • 二宮 忠八       市の友だち 紙飛行機の神さま
  • 雑賀 孫一       クラスメート
  • 松平 元康       クラスメート 後の徳川家康
  • リュドミラ       旧ソ連の女狙撃手 リュドミラ・ミハイロヴナ・パヴリィチェンコ  劉度(三国志での偽名)
  • 今川 義元       学院生徒会長
  • 坂本 乙女       学園生徒会長
  • 曹茶姫         魏の女将軍 部下(備忘録 検品長) 曹操・曹素の妹
  • 諸葛茶孔明       漢の軍師兼丞相
  • 大橋紅茶妃       呉の孫策妃 コウちゃん
  • 孫権          呉王孫策の弟 大橋の義弟
  • 天照大神        御山の御祭神  弟に素戔嗚  部下に思金神(オモイカネノカミ)

   

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RE・かの世界この世界:171『最初の仲間』

2023-07-28 06:06:15 | 時かける少女

RE・

171『最初の仲間』テル(光子) 

 

 

 ひょっとしたら分岐?

 
 ハチャメチャな異世界を巡ってきたけど、あとから思うと分岐のようなところがいくつもあった。

 その時は分岐だなんて思っていなかったから、流れるままに身を任せたけども……。

 いま形を現わそうとしている仲間は、はっきりイメージを思いうかべないと、とんでもない事態になっりかねない。冴子との関係がこじれたのも、肝心の時にきちんとした選択ができていなかったからだ。

 ええと……ええと……

 ケイト……ヒルデ……タングリス……タングニョースト……ロキ……ポチ……ユーリア……ナフタリン……とストロボのように巡っていく。

 あ……あ……

 迷っているうちに、その巡りそのものが薄くなり始めてきた。このままでは消えてしまう。

 シュボン!

 唐突にエフェクトが入ったかと思うと、それはヒルデ。

 主神オーディンの姫にしてヴァルキリアの主将たるブリュンヒルデの姿に固着した。

「もぉ、自分で出てきたぞヽ(`Д´)ノ!」

 

 まずはヒルデとの再出発になった。

 

「懐かしい、もう会えないかと思ったわ(#*0*#)」

「そのわりには迷っていたようだな」

「ごめん、ちょっと気弱になっているのかもしれない」

「まあいい、わたしの旅も中断してしまったからな」

「他の仲間は?」

「バラバラだ、この先再び現れるのかテルと二人旅になるのか……」

「しかし……足元が定まらないわね……」

 ヒルデの姿こそ定まったけれど、周囲は穏やかになったとはいえ相変わらず鈍色の渦で、慣れないスカイダイビングをしているような感じ。

「キャ」

「す、すまん、不可抗力だ(n*´△`*n)」

 わずかに流れが変わったかと思うと、急にヒルデの顔がわたしの胸に密着した。

 互いに押して離れたかと思ったら、クルンと回って、今度はお尻同士で密着、ドンケツして離れたら、またまた回転して、今度はあやうく女子同士でキスしてしまいそうになる。

「アハハ(^△^)」

「しかし、どうして、こんなに不安定なんだろ(^_^;)」

「ここは、ムヘンでもヴァルキリアの世界でもない……ちょっと待て」 

 なにやらゴソゴソしたかと思うと、ヒルデはアーマーの胸板からスマホを取り出した。

「スマホ……あ、わたしも持ってる」

 胴着のポケットをまさぐると、わたしもスマホを持っていた。

 そしてGPSを使うと表記が出てきた。

「The Japanese mythology?」

「えと……日本神話?」

「どうやら、テルの国の異世界のようだな」

 北欧神話にも暗いわたしだけど、日本神話も似たり寄ったり、アニメやラノベで知っているだけで、全体の流れと言うと、小学生のそれと変わらない。

「あ、なにか現れるぞ!」

 斜め上から気配が降りてくる。

 互いに、それに気づくと、シャリンと音をさせて剣を鞘走らせた。

 最初からボス戦……それは勘弁してほしい(;'∀')!

 口に出さずに身構えていると、気配は形を現した。

『天地(あめつち)のはじめ』

 それは、巨大なタイトルとなって、二人の前に立ちふさがった……。

 

☆ ステータス

 HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
 持ち物:ポーション・300 マップ:14 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リボ払い残高0ギル)
 装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
 技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
 白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術 
 オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト)  思念爆弾

☆ 主な登場人物

―― かの世界 ――

    テル(寺井光子)    二年生 今度の世界では小早川照姫
 ケイト(小山内健人)  小早川照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
 ブリュンヒルデ     主神オーディンの娘の姫騎士
 タングリス       トール元帥の副官  ブリの世話係
 タングニョースト    トール元帥の副官  ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属 
 ロキ          ヴァイゼンハオスの孤児
 ポチ          シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
 ペギー         異世界の万屋
 ユーリア        ヘルム島の少女
 ナフタリン       ユグドラシルのメッセンジャー族ラタトスクの生き残り
 その他         フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)

―― この世界 ――

 二宮冴子  二年生   不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
 中臣美空  三年生   セミロングで『かの世部』部長
 志村時美  三年生   ポニテの『かの世部』副部長 

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