第10日 2006年11月20日(日) 雨後晴
<24番最御崎寺~26番金剛頂寺>
=室戸岬から西岸へ=
5時20分起床、6時朝食、7時ちょうどにロッジ室戸岬を出る。
昨夜半から雨で、出る時は降っていなかったが、まだ黒雲が残っ
ているので、雨具を着ける。
間もなく室戸青年大師像。高さ21mの白い弘法大師像は、昭和
60年(1985)の建立とか。ここで予想通り雨となった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a6/14da13c3157b3d5bfa4a5a7d9a0bbd91.jpg)
近くに番外霊場御蔵洞(みくろど)がある。大岩の下部にある弘法
大師が悟りを開いた洞窟で、虚空蔵求聞持法(こくぞうぐもんじほう)
の修行中に神秘体験をして、名を空海と改名したところだという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/f0/1622549cd194b6227f064bb59683888a.jpg)
鎌倉市から車で来たご夫妻がおられた。奥さんが歩いて四国遍路
をしたいので、下見に回っているとのことだった。
室戸岬が近づく。林間の簡易舗装の坂道と石段を700mほど上が
り、24番最御崎寺(ほつみさきじ)境内に入る。今日は朝から暖かく、
この上りで早くも大汗をかいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/ba/a2599ba6cb3f92ea3ca4ff2bf2813b3d.jpg)
常緑樹林に覆われた広い境内、正面に本堂、左手に大師堂が立つ。
右手前の鐘楼前に、NHKの「行く年来る年」で、この鐘の音が放送
された年が記されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b4/717864f41b2774e452ed490e0360fedd.jpg)
境内のスダジイの根元で、高知県天然記念物である寄生植物、
ヤッコソウが白い花を開いていた。
参拝後、奥の遍路センター売店で、昨日飛ばされた菅笠のカバーを
購入、これで雨でもひと安心だ。
北側の県道203号に入り、ヘヤピンカーブの車道を下る。天気が
回復し青空が広がる。前方に室戸の町並みと真っ青な海の展望が
よい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/4e/206e151dc4f4dcb1b188b5d3fb4203f2.jpg)
国道55号に下ったが、並行する県道をそのまま進む。
室戸の町並みに入り、室戸岬郵便局に寄る。室戸岬港(津呂港)
のそばに、「土佐の国司、紀貫之が任満ちて京都に帰る途中、天候
悪く10日ほど滞在した」ことが記されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/cc/6048bfe99f566428ca5296c8990ba6e0.jpg)
町並みを抜けて国道55号に合し、1㎞足らずで右の旧道へ、間も
なく室津の町並みに入る。室津漁港には、小型漁船が沢山係留され
ていた。
再度国道と交差して25番津照寺(しんしょうじ)に着く。変わった形
の山門を入り、急石段を上がると、コンクリート造りの本堂がある。
本堂の前からは、室津の町並みと海が展望できる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/55/bcfe323e3215c6d957ab45a1c8ca67d7.jpg)
室津の町並みを進み、室津川の先の小さい店で、昼食用にバッテ
ラ寿司を買う。250円だった。 国道55号に戻り、奈良師海岸沿い
に、マリンブルーというのか、それとも紺碧か、色鮮やかな太平洋を
左に見ながら進む。
元川を渡って右折し、正面の山並みに向かう。向江の「参道」表示
の横から簡易舗装の遍路道を上る。簡易水道施設の先からは林間
の土道。途中のベンチ周辺から、室戸岬方面の展望がよい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/43/9399b992cadd96efa06d1403207a3667.jpg)
気温が一層上がり、再び大汗をかき、標高165mの山上にある
26番金剛頂寺に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/27/ec29daded9fccccfeda56a24ef765ed3.jpg)
本堂はコンクリート造りだが、屋根は鴟尾(しび)のある古いたたず
まい。緑多い境内は、小鳥の声のみで静か。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/33/80330fceffa27350223072f46b12decd.jpg)
大師堂前に「がん封じの椿」という、こぶだらけの木が、葉もつけず
に立っている。本堂前には、樹頼300年というマンサク科の木、「イス
の木」があった。
境内を西に抜け、ツバキなどの広葉樹の林間を一気に下り、国道
沿いの「道の駅キララメッセ室戸」へ。東屋があったので、広々とした
海を眺めながら昼食にした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/5f/78aea990a348b00837d33638be0e01d0.jpg)
その先も、国道に並行する旧道を進む。国道との間には、赤い花
の残る植え込みが続いている。
東の川橋を渡って吉良川(きらがわ)の町並みへ。国の重要伝統的
建造物群保存地区に選定された、土佐漆喰の外壁に水切瓦の付いた
独特の商家が多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/3e/eefe4e77d592838c36059531021bea04.jpg)
町並みを紹介した「町並み館」に入り、パンフレットをもらった。
気温が上がり暑い。アイスクリームを買い、前回の昼食地、忠霊塔
のある公園で休む。西の川を渡って間もなく、家並みは終わり、国道
55号に戻った。海側は、潮害防備保安林が続いている。
次の羽根の町並みに進むと、郵便局の近くにぶっかけうどんの店
があったので入る。閑散時だったのでなかなかうどんが出来ず、日没
が気になる。食べ終えたら16時、まだ宿まで8㎞ほどある。
間もなく国道に分かれて右の旧道に入り、市営住宅の中を抜けて
中山峠への遍路道に上がる。
ところが最初の分岐で間違え、右に進むと竹やぶが現れ、前回の
印象と違うように思われた。しかし上で回れると思い、そのまま進ん
で畑に出た。作業中の男性に聞くと、やはり間違えたという。
少し先まで上がり、出来るだけ台地上を左に進むよう言われたの
で、そのまま1㎞近く進むと、遍路標識が見つかりホッとする。中山
峠は通過できぬまま、西の海の雲間に太陽が没した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/11/24a91f80390e0fb1994cc7aa91342ee8.jpg)
急ぎ加領郷小近くの国道沿いに下ったが17時を過ぎた。宿に
電話しようかと思ったが、予約した際、おかみさんから「ゆっくりで
よいから」と言われたので、18時到着を目標に国道を急ぐ。
薄暗くなり、海の向こうに明るい四つの光が見える。海岸沿いを
急ぐが、すっかり暗くなったのでペンライトを点ける。
車の男性が、「乗らないか」と勧めてくれたが、「もう少しなので
歩きます」とお断りする。「では気をつけて」と、クッキーを2つ
お接待いただいた。
奈半利(なはり)の町並みに入ったが、暗くなったので前回も泊
まった宿への右折路がよく分からない。2、3人に聞き、ようやく
18時27分に山本旅館に着いた。
遅いのでおかみさんは心配していて、ご主人に「日を間違えた
のでは」と言われたとのこと。途中から連絡すれば良かったと
反省し、お詫びする。
それにもかかわらず、おかみさんの気配りと謙虚さは前回同様
で、入浴中に洗濯もして下さる。部屋は2階の2間、夕食は1階
の部屋で。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/c8/f0e67b55d9205f3d8a9cfc77bd4a0883.jpg)
田舎料理といわれたが、アジのたたき、卵焼き、うなぎの蒲焼き、
肉じゃが、キムチやリンゴのデザートなど盛り沢山だった。
部屋には洗濯物を吊すハンガーが多く、部屋、トイレ、広い風呂
など、みな清潔で気持ちよい。
今日の出だしでは、右足首付近と左ももに痛みがあったが、何
とか歩けた。しかし腰痛は残る。かなり疲れ、到着も遅れたので、
今日の歩行メモは明日とし、21時50分に就床した。
(コースタイム〉ロッジ室戸岬7:00ー御蔵洞7:27~36ー24番最御崎
寺8:07~40ー室戸岬局9:25~38ー25番津照寺10:26~50ー国道沿
いの東屋11:21~25ー26番金剛頂寺12:03~25ー道の駅キララメッセ
(昼食)12:55~13:21ー吉良川町並み館14:05~07ー忠霊塔のある公
園14:17~22ードライブインオハラ前15:13ー羽根のぶっかけうどん
店15:33~16:00ー加領郷小下17:02ー山本旅館18:27
(距離 32㎞、地図(1/5万) 室戸岬、奈半利、歩行地 室戸市、
奈半利町、歩数 58.000)
<24番最御崎寺~26番金剛頂寺>
=室戸岬から西岸へ=
5時20分起床、6時朝食、7時ちょうどにロッジ室戸岬を出る。
昨夜半から雨で、出る時は降っていなかったが、まだ黒雲が残っ
ているので、雨具を着ける。
間もなく室戸青年大師像。高さ21mの白い弘法大師像は、昭和
60年(1985)の建立とか。ここで予想通り雨となった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a6/14da13c3157b3d5bfa4a5a7d9a0bbd91.jpg)
近くに番外霊場御蔵洞(みくろど)がある。大岩の下部にある弘法
大師が悟りを開いた洞窟で、虚空蔵求聞持法(こくぞうぐもんじほう)
の修行中に神秘体験をして、名を空海と改名したところだという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/f0/1622549cd194b6227f064bb59683888a.jpg)
鎌倉市から車で来たご夫妻がおられた。奥さんが歩いて四国遍路
をしたいので、下見に回っているとのことだった。
室戸岬が近づく。林間の簡易舗装の坂道と石段を700mほど上が
り、24番最御崎寺(ほつみさきじ)境内に入る。今日は朝から暖かく、
この上りで早くも大汗をかいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/ba/a2599ba6cb3f92ea3ca4ff2bf2813b3d.jpg)
常緑樹林に覆われた広い境内、正面に本堂、左手に大師堂が立つ。
右手前の鐘楼前に、NHKの「行く年来る年」で、この鐘の音が放送
された年が記されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b4/717864f41b2774e452ed490e0360fedd.jpg)
境内のスダジイの根元で、高知県天然記念物である寄生植物、
ヤッコソウが白い花を開いていた。
参拝後、奥の遍路センター売店で、昨日飛ばされた菅笠のカバーを
購入、これで雨でもひと安心だ。
北側の県道203号に入り、ヘヤピンカーブの車道を下る。天気が
回復し青空が広がる。前方に室戸の町並みと真っ青な海の展望が
よい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/4e/206e151dc4f4dcb1b188b5d3fb4203f2.jpg)
国道55号に下ったが、並行する県道をそのまま進む。
室戸の町並みに入り、室戸岬郵便局に寄る。室戸岬港(津呂港)
のそばに、「土佐の国司、紀貫之が任満ちて京都に帰る途中、天候
悪く10日ほど滞在した」ことが記されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/cc/6048bfe99f566428ca5296c8990ba6e0.jpg)
町並みを抜けて国道55号に合し、1㎞足らずで右の旧道へ、間も
なく室津の町並みに入る。室津漁港には、小型漁船が沢山係留され
ていた。
再度国道と交差して25番津照寺(しんしょうじ)に着く。変わった形
の山門を入り、急石段を上がると、コンクリート造りの本堂がある。
本堂の前からは、室津の町並みと海が展望できる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/55/bcfe323e3215c6d957ab45a1c8ca67d7.jpg)
室津の町並みを進み、室津川の先の小さい店で、昼食用にバッテ
ラ寿司を買う。250円だった。 国道55号に戻り、奈良師海岸沿い
に、マリンブルーというのか、それとも紺碧か、色鮮やかな太平洋を
左に見ながら進む。
元川を渡って右折し、正面の山並みに向かう。向江の「参道」表示
の横から簡易舗装の遍路道を上る。簡易水道施設の先からは林間
の土道。途中のベンチ周辺から、室戸岬方面の展望がよい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/43/9399b992cadd96efa06d1403207a3667.jpg)
気温が一層上がり、再び大汗をかき、標高165mの山上にある
26番金剛頂寺に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/27/ec29daded9fccccfeda56a24ef765ed3.jpg)
本堂はコンクリート造りだが、屋根は鴟尾(しび)のある古いたたず
まい。緑多い境内は、小鳥の声のみで静か。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/33/80330fceffa27350223072f46b12decd.jpg)
大師堂前に「がん封じの椿」という、こぶだらけの木が、葉もつけず
に立っている。本堂前には、樹頼300年というマンサク科の木、「イス
の木」があった。
境内を西に抜け、ツバキなどの広葉樹の林間を一気に下り、国道
沿いの「道の駅キララメッセ室戸」へ。東屋があったので、広々とした
海を眺めながら昼食にした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/5f/78aea990a348b00837d33638be0e01d0.jpg)
その先も、国道に並行する旧道を進む。国道との間には、赤い花
の残る植え込みが続いている。
東の川橋を渡って吉良川(きらがわ)の町並みへ。国の重要伝統的
建造物群保存地区に選定された、土佐漆喰の外壁に水切瓦の付いた
独特の商家が多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/3e/eefe4e77d592838c36059531021bea04.jpg)
町並みを紹介した「町並み館」に入り、パンフレットをもらった。
気温が上がり暑い。アイスクリームを買い、前回の昼食地、忠霊塔
のある公園で休む。西の川を渡って間もなく、家並みは終わり、国道
55号に戻った。海側は、潮害防備保安林が続いている。
次の羽根の町並みに進むと、郵便局の近くにぶっかけうどんの店
があったので入る。閑散時だったのでなかなかうどんが出来ず、日没
が気になる。食べ終えたら16時、まだ宿まで8㎞ほどある。
間もなく国道に分かれて右の旧道に入り、市営住宅の中を抜けて
中山峠への遍路道に上がる。
ところが最初の分岐で間違え、右に進むと竹やぶが現れ、前回の
印象と違うように思われた。しかし上で回れると思い、そのまま進ん
で畑に出た。作業中の男性に聞くと、やはり間違えたという。
少し先まで上がり、出来るだけ台地上を左に進むよう言われたの
で、そのまま1㎞近く進むと、遍路標識が見つかりホッとする。中山
峠は通過できぬまま、西の海の雲間に太陽が没した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/11/24a91f80390e0fb1994cc7aa91342ee8.jpg)
急ぎ加領郷小近くの国道沿いに下ったが17時を過ぎた。宿に
電話しようかと思ったが、予約した際、おかみさんから「ゆっくりで
よいから」と言われたので、18時到着を目標に国道を急ぐ。
薄暗くなり、海の向こうに明るい四つの光が見える。海岸沿いを
急ぐが、すっかり暗くなったのでペンライトを点ける。
車の男性が、「乗らないか」と勧めてくれたが、「もう少しなので
歩きます」とお断りする。「では気をつけて」と、クッキーを2つ
お接待いただいた。
奈半利(なはり)の町並みに入ったが、暗くなったので前回も泊
まった宿への右折路がよく分からない。2、3人に聞き、ようやく
18時27分に山本旅館に着いた。
遅いのでおかみさんは心配していて、ご主人に「日を間違えた
のでは」と言われたとのこと。途中から連絡すれば良かったと
反省し、お詫びする。
それにもかかわらず、おかみさんの気配りと謙虚さは前回同様
で、入浴中に洗濯もして下さる。部屋は2階の2間、夕食は1階
の部屋で。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/c8/f0e67b55d9205f3d8a9cfc77bd4a0883.jpg)
田舎料理といわれたが、アジのたたき、卵焼き、うなぎの蒲焼き、
肉じゃが、キムチやリンゴのデザートなど盛り沢山だった。
部屋には洗濯物を吊すハンガーが多く、部屋、トイレ、広い風呂
など、みな清潔で気持ちよい。
今日の出だしでは、右足首付近と左ももに痛みがあったが、何
とか歩けた。しかし腰痛は残る。かなり疲れ、到着も遅れたので、
今日の歩行メモは明日とし、21時50分に就床した。
(コースタイム〉ロッジ室戸岬7:00ー御蔵洞7:27~36ー24番最御崎
寺8:07~40ー室戸岬局9:25~38ー25番津照寺10:26~50ー国道沿
いの東屋11:21~25ー26番金剛頂寺12:03~25ー道の駅キララメッセ
(昼食)12:55~13:21ー吉良川町並み館14:05~07ー忠霊塔のある公
園14:17~22ードライブインオハラ前15:13ー羽根のぶっかけうどん
店15:33~16:00ー加領郷小下17:02ー山本旅館18:27
(距離 32㎞、地図(1/5万) 室戸岬、奈半利、歩行地 室戸市、
奈半利町、歩数 58.000)