あるきメデス

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四国遍路道ふた旅(前編)・高知その2

2007-01-14 19:11:39 | 四国遍路道ふた旅
 第9日 2006年11月19日(土) 雨後曇り
 =高波の海岸沿いに室戸をめざす=



 5時50分起床。6時30分朝食、昨夜サーファーかと思った若い
男性も歩き遍路。おむすびと黒飴のお接待をいただき、雨具を着
けて7時10分に民宿谷口を出た。

 国道55号を1.5㎞ほど先で相馬トンネルを抜け、番外霊場東洋
大師・明徳寺へ。参拝、読経したが、納経所は不在でご朱印はもら
えなかった。


 旧道で野根の家並みを抜ける。雲の低い田園地帯を眺め、野根
川の野根大橋を渡り、国道55号に戻る。


 伏越の鼻と呼ぶ小さい岬を過ぎたら、雨は小降りになった。

 歩き出して間もなく、右足首前方に痛みを感じ、その後、左太もも
も痛くなりペースが上がらず、17時前に宿に着けるか心配になって
きた。

 「室戸岬30㎞」表示の付近に東屋があったので休憩。トイレと
水道もあった。行く手に4つの岬が見えるが、4つ目の岬は霞み、
室戸岬はまだまだ先らしい。


 「室戸32㎞(岬ではない)」表示近くの山すそに、法海上人堂が
ある。


 海は波が高く、ごろごろした石の多い浜辺に、白波が次々に押
し寄せてくる。

 
 廃屋の民家が1戸だけある東洋町と室戸市境付近で次の休憩。
雨は上がったが、また降りそうなので雨具は着けたままにする。


 少し不要荷物を送り返したのだが、ザックはまだ肩に重く、休ん
で30分もすると外したくなる。旧道に入り、番外霊場佛海庵にお
参りし、そばの墓地でまた休む。


 宿のあった生見から17㎞前後歩いて、ようやく次の集落、佐喜
浜の旧道の家並みへ。宿のおむすびでは少し不足かと思い、佐喜
浜スーパーであじ寿司(210円)を買い、隣にあるスーパー経営
者宅の縁側を借りて昼食をした。


 佐喜浜漁港を過ぎ、細い家並みを抜けて国道に戻る。


 尾崎の散在する民家の辺りで風が強まり、海は白波が怒濤のよう
に押し寄せ、岩に当たって激しく砕け散る。

 前方に、垂直に立つ4つの岩が現れた。近づくと2つの大岩に
しめ縄がかかっている。夫婦岩と呼び、そばに東屋とトイレがある
が、風が強く吹きつけ寒い。


 次の集落、椎名も旧道を進む。「室戸岬12㎞」表示付近で、再
び雨になったがすぐに止んだ。椎名漁港を過ぎ、集落の外れに、
「椎名の捕鯨山見跡」の説明板がある。山見は、寛永初年(1624)
土佐古式捕鯨の発祥とともに築かれ、鯨を見つける場所だった
ようだ。


 すぐ先で、いよいよ室戸岬が現れた。岬の山上に、風力発電の
プロペラやアンテナ塔が幾つか見える。海には大岩があり、周辺
は大波が岩に砕けている。

 近くに「滋賀丸遭難者慰霊碑」が立つ。昭和19年(1944)、沖合
1500mを高知から大阪に向け航行中の貨客船、滋賀丸が米軍
の魚雷攻撃で沈没、遭難した37名の慰霊碑だという。

 高知県海洋深層水研究所を過ぎ、高知市への近道、県道202
号三差路近くにあった事務所の建物で、風を避けて最後の休憩
をする。

 三津漁港のある三津も旧道の狭い家並みを抜ける。小さい流れ
のところでちょっとうつむいたら、後からの強風で、菅笠のビニール
カバーが吹き飛ばされた。「しまったー」と思うが遅い。取りに行け
ぬ橋下の流れに落ちてしまった。

 間もなくロッジ室戸岬、心配された足の痛みは悪化せず、16時
13分に着いた。6畳2間を使わせて下さる。早速入浴し、その後
痛くなった腰と膝をよくもむ。

 風呂は広くて明るい。洗面所、畳敷きの食堂、部屋とも明るく、
気持ちよい。洗濯はお接待でしていただけるとのことで、白衣や
長袖シャツもお願いした。


 夕食は盛りだくさんで食べきれず、もったいないが少し残した。
同宿は長野市の男性遍路。車で1度回ったが、退職する来年、
奥さんと歩きたいと、山越えのところを中心に下見に歩いている
という。

(コースタイム〉民宿谷口7:10ー東洋大師7:47~57ー野根大橋
8:17ー室戸岬30㎞付近東屋8:44~55ー佛海庵9:35~40ー東洋
町・室戸市境10:11~20ー佐喜浜スーパー横(昼食)12:02~25ー
ロッジ尾崎前13:10ー夫婦岩14:03ー椎名漁港14:26ー滋賀丸遭難
者慰霊碑14:54ー県道202号三差路15:25~35ーロッジ室戸岬16:13

(距離 32㎞、地図(1/5万) 甲浦、奈半利、室戸岬、歩行地
 東洋町、室戸市、歩数 53,100)
コメント
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