あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ふた旅(前編)・高知その5

2007-01-17 22:18:02 | 四国遍路道ふた旅
 第12日 2006年11月22日(火) 晴後曇
 <28番大日寺~29番国分寺>
 =高知安芸自転車道を行く=



 5時50分起床、6時30分朝食、7時13分に清月旅館を出る。
はす向かいの安芸市役所前には、大相撲の郷土力士、栃煌山、
土佐の海などの大きなのぼりが並んでいた。


 宿の前の国道55号を西へ、1.5㎞ほどの球場前駅先で旧道
に合流した。

 合流点を南へ、小公園から防波堤沿いの道に入る。防波堤に
は、「日本一高い防波堤、海面より16m」の表示がある。安芸港
を見下ろしながら西に進む。さらに1㎞ほど先、国道55号では
「高知36㎞」表示のところから、高知安芸自転車道になる。

 通るのは、反対側から来る通学の高校生の自転車のみ。好天
で暖か、風もなく前方の岬は霞んでいる。北側の山肌は、広葉
樹林に竹の浸食が甚だしい。

 ごめんなはり線を2度ほど交差したり、並行したりして、番外霊
場八流山極楽寺の表示を過ぎる。

 「御殿の鼻」と呼ぶ岬に、自転車道の赤野休憩所があり、地元
出身の作曲家、弘田龍太郎の「雨」の歌碑が立つ。
 
 歌碑の字は、熊本市役所に勤務するサリドマイド児の、辻典子
さんが足で書いたもの。達筆である。

 休憩所からは、前方に長く伸びる「琴ヶ浜」が見下ろせる。

 川を渡った辺りは、実をいっぱい付けたムクロジが多い。ごめん
なはり線赤野駅の手前に、前回も休憩させてもらった栗山英子
さんの「お遍路さん接待所」がある。

 室内は、前回より内容盛りだくさんというか、遍路ゆかりの絵や、
色紙、人形などが壁面一杯に貼ってある。栗山さんは居られなか
ったが、コーヒーと芋けんぴをいただいた。

 民主党の菅直人議員や、中田横浜市長と娘さん2人が寄った
ことを記した新聞記事もあった。

 自転車道は堤防を出て、松林の下の砂浜沿いを進む。海水
健康プールの先からは、黒松林の林間がしばらく続いた。


 薄雲が広がってきたが、穏やかな日和。土佐電鉄安佐線の
写真が貼ってあり、この自転車道がその廃線跡だったと分かる。
近くに、鉄橋の橋脚らしいのも残っていた。

 今日は足の痛みもなく、昨日よりペースも上がったので、予定
していた香南市(旧野市町)の旅館をキャンセルし、昨夜同宿の
富山の薬売り氏の定宿と聞いた、南国市御免(ごめん)の宿を
予約した。キャンセル宿には「ごめん」なさい。

 いったん国道沿いに並行し、手結(てい)でまた離れる。高台に
建つ赤系統のちょっとどぎつい色の国民宿舎、海風荘への道の
下は、二つのトンネルで抜けている。

 何れも天井が高くて馬蹄形で、鉄道のトンネルだったことが
うかがえる。

 トンネルを抜けると夜須の町。「道の駅やす」の売店で魚寿司
弁当を求め、前回同様、背の高いヤシの茂る公園のベンチで
昼食をした。
 
 食べ終えた頃、宗教団体R会の人が話しかけてきたが、適当
に相手をし続けたので、離れていった。

 公園から500m余りで国道55号に出て、岸本神社の先から
北側の旧道に入る。遍路小屋8号香我美岸本があったが、先を
急ぎ寄らずに通過する。

 陸上自衛隊高知駐屯地前や、赤レンガ塀の岸本小前を過ぎ、
赤岡の町並みに入った。

 ここも、3、4段の水切瓦を付けた家が多い。町のあちこちに、
「絵金蔵(えきんぐら)」という表示が目につく。通りがかりの男性
に聞くと、古い屏風絵のこととか。

 帰宅後調べたら、幕末から明治に生きた狩野派の絵師・金蔵
が描いた芝居屏風絵のこと。この地で描いた23枚の絵は、絵金
蔵と呼ぶ町内の博物館で展示されているという。

 赤岡の町並みを抜けて国道55号に合する。前回宿泊した
「かとり」を過ぎ、高知黒潮観光ホテルの横から県道22号に入り、
野市の町並みへ。

 キャンセルした丸米旅館前を通り、香南市役所や、竜馬歴史館
入口を過ぎ、少しの遍路道を上がって28番大日寺に着いた。

 シンプルな山門を入り、鐘楼で鐘を突いてから参拝。正面に本堂、
左に大師堂がある。

 納経所そばのモミジがよい彩りを見せていた。


 14時25分に寺を出たが、次の国分寺まで7.5㎞ある。17時
までに納経をと先を急ぐ。佐古簡易郵便局で資金補充し、物部川
を渡る。

 幅4mくらいの自転車専用橋で、車を気にせずに渡れる。

 土佐山田の田園地帯で2か所、10数人が集まって休耕田に栽培
したショウガの収穫をしていた。傾いて倒れそうな大師堂や、西岡
さんのお遍路接待所(下)を過ぎ、JR土讃線を越える。


 御免からの車道に出て、北に向かって急ぐ。へんろ石饅頭店前
を通過し国分川を渡り、16時21分に29番国分寺に着いた。

 本堂は歴史を感じるこけら葺き。左に大師堂があり、境内には
しだれ桜が数本立っている。納経を終えた頃には薄暗くなった。

 帰宅の車が増えた狭い道、ペンライトを点けて南に急ぎ、17時
20分に御免の町並みにある稲吉屋旅館に着いた。

 この宿を選んだいきさつを、おかみさんに言ったら、その富山
の薬売り氏も来ているという。洗濯機を借りて洗濯中に、同氏が
風呂から出てきて、再開を喜び合った。

(コースタイム〉清月旅館7:13ー防波堤沿いの道へ7:36ー高知
安芸自転車道の東屋8:07~17ー八流山そば8:43ー赤野休憩所
9:04~12ーお遍路さん休憩所(栗山さん)9:25~43ー海水健康
プール10:10~12ー最初のトンネル11:08ー道の駅やす(昼食)
11:27~12:00ー岸本小12:27ーマルナカ赤岡店12:50~53ー丸米
旅館前13:30ー28番大日寺13:59~14:25ー佐古簡易局14:36~
40ー戸板島橋15:00ー遍路接待所(西岡さん)15:37ー野田踏切
15:49ー29番国分寺16:21~41ー稲吉屋旅館17:20

(距離 35㎞、地図(1/5万) 安芸、手結、高知、歩行地 安芸
 市、芸西村、香南市(旧香我美町、赤岡町、吉川村、野市町)、
 香美市(旧土佐山田町)、南国市、歩数 59,500)
 
コメント
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