『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 優しい陽が薑み(はじかみ)ながら庭に光を注いでいます。

2016-03-27 09:55:20 | Weblog

                
                             2016-3-「お彼岸花」 

   あなた

 久し振りに雪のない朝ですが、風は冷たい。

 どんな言葉で繕っても、結界の向こうへ旅立った人が居ないことの哀しさは、

 そう簡単に癒えるものではないです。

 五年経ったから、言えるのであって、あの頃の自分を思うと「辛かったね」って

 本当に心から我を愛おしいと思うよ…

 「明日」のことが判らないから、今日を生きられるのであって、なんでも、

 判るのであったら「生きるのは難しく、虚しい」と思うよ…

  

 夢をみました。

 楽しい夢…

 こんなに良い夢であったら どんなにか嬉しく…

 「待って」って…叫ぶ自分の声で目が覚めました

 でも、夢はゆめ、泡沫(うたかた)のように消えてしまいました。

 吹っ切れたようなことを、言っても心の隅っこでは、消してしまえないものが、

 蹲り、時どきかおをだし、「忘れちゃだめよ」って

 虐められてるみたい…

 優しい陽が薑み(はじかみながら庭に光を注いでいます。