雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

人生の盛り(新年のあいさつに代えて)

2010-01-01 23:41:57 | つれづれに……
 「人の一生で、いったいいつが盛りかと問えば、
  それは、若い時とは限らぬもの  だなぁ……」

 「人によっては、不惑を過ぎてから、
  あるいはもっと年をとってから、その盛りを迎える方もあろう。
  いずれにしろ、それは人それぞれの心の持ちようであろうし、
  死ぬその時までわからぬものであろう。
  人によっては、
  自分にはそのような盛りなどなかったといわれる方もあろう」

  秋の庭を眺め、
  酒を飲みながら安陪晴明とその友人のしみじみと語りあう場面である。

  大気は透明で、庭の隅々にまで月光が行き届いており、
  月の色が花のごとく匂ってくるような、秋の宵である……。
  すだく虫の音がかすかに聞こえてくる。
   
   (小説・陰陽師安陪晴明 夢枕 漠著より)

   吟逐のある言葉です。

   どんな時代にも、どんな時にも人間は、
   くじけようとする心と闘い、自分の道を探しながら、
   人生行路を真摯に歩んできたのだと思います。

   たった一握りの幸せでも、ある人にとっては、
   たゆまぬ努力と信念の末にやっと手に入れた幸せならば、
   それはその人にとっては、とても大きな、
   何ものにも代えがたい幸せになるものだと思います。

   年頭に当たり、皆様の健康を願い、新年の挨拶といたします。
   2010年 正月

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