コンビニでコピーを取っていると、背後で待っている人に気づいた。
「ゆっくりでいいですよ。わたしはこれ一枚とるだけですから」と言い、手に持った服の製図のような物を見せた。
「紳士服の仕立てですか?」
「ええ、もう五十年ばかりもやっています」
(ドキッ!わたしの大好きな仕立てを生業にしているなんて!)
思わず「わたしも生まれ変わったら、洋服の縫子さんになりたいと思っているんです」と打ち明けた。
「そりゃ、いいですね」と言って下った。背の高い老紳士・・・(憧れちゃうなぁ)
束の間のおしゃべり・・・。
町にはいろんな人がいて、いろんな人生がある。年を重ねてから話すおしゃべりには重みや深みがある。偶然の何気ない出会いって、いいね!
するとこんどは白象が、片脚床にあげたのだ。
白象はハク・ショウと読んで、吐く、章。
片脚はヘン・キヤクと読んで、返、規約。
床はショウと読んで、章。
☆吐く章(文章)は、返(元へかえる)規約の章(文章)である。
『即自的イメージ』
フレームに収められた絵に描いた一切れのチーズ。
一切れのチーズが描かれた絵が収められたフレームが、ガラス製のドームに収められている。
木製のテーブル(机)の上に、白い高台の付いた皿(テーブルのようにも見える)があり、その上にガラス製のドームがあり、その中にチーズの描かれた絵が入っている。背景は薄紫(時間的には曖昧を暗示)である。
主眼の対象は《チーズ》であるらしい。そういう風に描かれているが、チーズに辿り着くまで間(あいだ)に何かしら抵抗がある。確かに焦点はチーズに当てられているがどこかしらチーズが遠いのである。しかも辿り着いたところで《絵に描かれたチーズ》であり、実物に酷似しているが本物ではない。
~のようなものである。
すなわち『即自的イメージ』である。
『かわせみだ』子供の蟹は頸をすくめて云ひました。
子供はシ・キョウと読んで、詞、教。
蟹はカイと読んで、皆。
頸はケイと読んで、継。
云ひましたはウンと読んで、運。
☆詞(言葉)で教(神仏のおしえ)を皆(すべて)継(つなぐ)運(めぐりあわせ)である。
が、しばらくすると、思いきりふとんをはねのけて、からだを起した。たしかに、エルランガーではないようだった。小柄な、健康そうな人物だが、その顔にはなにかしら不一致な点があった。
☆が、しばらくすると、熟慮なしに覆いを再び打ちつけ、真っ直ぐになった。確かにエルランガーではなかった。
彼は先祖の氏族であり、たぶん主のように見えた。その顔(幻影)にはなにかしら異議があるようだった。