続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『9つの雄の鋳型』④

2020-02-06 06:45:56 | 美術ノート

 9つの鋳型、この形態から《雄》をイメージできるものがあるだろうか。用途の不明な形、しかも鋳型であれば、隠された内部にこそ雄である証があるというのだろうか。凝視しても鋳型という観点から外れるばかりで何も見えてこない。
 鋳型の内部は鋳物であり、金属の器物である。金属に《雄》という分別はない。

『9つの雄の鋳型』9つの根拠は何だろう。太陽系における9つの惑星(現在は8つ、冥王星は準惑星)を想起できるが、ズボン型のものが地球であって、他の惑星に《雄》は隠蔽されていて不明であるという意味かもしれない。
 そしてそのズボン型でさえも、雄である確たる証拠はない。

 金属(非生物)に《雄》という生物の分類は確答しない。不条理を提示することで条理を問う・・・すべては非生物(死)に帰するのだと。


 写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com


『城』3352。

2020-02-06 06:26:46 | カフカ覚書

あなたは、書類の分配を見ていたではありませんか。あれは、ごく近しい関係者以外は、だれも見ていてはならないことなんです。ここの主人やお内儀であるわたしたちでさえ、わが家でありながらまだ見たことがないのですよ。

☆記録の分配を見ていたではありませんか。あれは近しい関係者以外は誰も敢えて見る必要はないものです。ここの主人や女主人も来世では、あえて見る必要などないのです。