続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『チョコレート粉砕器』

2020-02-10 07:20:49 | 美術ノート

   『チョコレート粉砕器』

 チョコレート粉砕器を模したものであるが全く異なる意図を持つものである。
 目的である粉砕を果たせない奇妙な図式であり、要の心棒は中心に位置していない。回転すべきローラの傾きも意味がない。ローラーを乗せた台も猫足で貧弱である。不条理である前にこの対象物は現実には存在できない。

 なぜ、このような負の産物を表示したのだろう。あり得ない設計図は無というより負の領域にある。
 しかし、現前として描き得た『チョコレート粉砕器』は意味の剥奪である。動く意味をもたず、又動く機能も備えていない。見せかけの異物、嘘、非生産性…存在すること自体、哀しいまでの虚無感があるなか不思議な反論が見え隠れする。

 壊れているのでなく、動かそうとすれば崩壊は目に見えている不合理。じっとその不合理に息をつめて耐えているが、やがて無為に帰す。
 いかにもという風袋、見えている物が促す正(現実)の領域。しかし、浮いているのか落ちていくのか不明な対象物の在り様を眩暈を感じながら凝視している。


 写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com


『忘れえぬ人々』85.

2020-02-10 06:57:40 | 国木田独歩

と見るうちに退潮の痕の日に輝っている処に一人の人がいるのが目についた。たしかに男である、又た子供でもない、何か頻りに拾っては籠か桶かに入れているらしい。

☆兼ねた他意を調べる。
 魂を化(教え導く)記が諸(もろもろ)逸(隠れている)図りごとである。
 腎(かなめ)を黙っている談(話)は幽(死者の世界)の章(文章)である。


『城』3354。

2020-02-10 06:42:19 | カフカ覚書

だってね、お役人がたは、みなさんお仕事にのみ献身してらっして、自分個人の利益などお考えになったことがなく、したがって、重要で基礎的な仕事である書類の分配がすみやかに、容易に、手落ちがないようにおこなわれるように全力をおかたむけにならなくてはならないのです。あらゆる困難の根本原因がどこにあるのかを、あなたはすこしも感づいていらっしゃらなかったのですか。


☆あらゆる事件に従い、個々の有益を考えることなど決してありません。したがって記録の分配は、重要かつ根本的な現場不在証明を全力で努力しなければならないのです。迅速かつ容易に間違いなくやらなければなりません。