Ⅱ-1-7 所有・雰囲気・振動ーSLITⅢ
銅板だろうか、平板の上の更なる銅板、さらに台形を暗示する線描があり、その端には緑色で人型が描かれている。
銅板は大地(地球)かもしれない。そこを正四角形でくくっているのは人智の成せる仕事である。突い穴、隆起の泡状は何を示唆しているのだろう。
人の構築に対して自然の活動、あるいは人自体の乱脈(歴史)の爪痕かもしれない。
人が過去と感じうるものの切断を覗き見た景色の一端。あるいは未来への予測だろうか。少なくともこの光景に豊かさや希望などのポジティブな空気を感じない。
無機的な世界の脅威に人は攻し得ない態である。
SLIT…切り裂かれた断片、この光景が過去か未来かを知る手掛かりは見当たらない。任意、例えばの世界観である。
写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館
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