続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

賢治『屈折率』

2021-12-02 06:35:43 | 宮沢賢治

 七つ森のこつちのひとつが
 水の中よりもつと明るく
 そしてたいへん巨きいのに
 わたくしはでこぼこ凍つたみちをふみ
 このでこぼこの雪をふみ
 向ふの縮れた亜鉛の雲へ
 陰気な郵便脚夫のやうに
   (またアラツデイン 洋燈とり)
 急がなければならないのか

☆死地の真を推しはかる。宙(宇宙)の冥(死後の世界)を虚しく問う。
 講(話)には考えが宿っている。
 吾(わたくし)は掩(隠して)運(巡らせている)。
 隠した記は幽(死後の世界)の弁であり、客(旅人)は普く曜(光)であり、等(平等)を究める。

 七つ森は地球、現世であり、こっちの一つは来世である。そして、二重の風景は常に現世と来世が背中合わせの景になっている。


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